冥王星の謎が解き明かされるPart1 2015/7/4

ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した冥王星(NASA)

さいはての準惑星 冥王星
太陽から60億kmというはるか彼方を248年もかけてゆっくり回る冥王星。この星が発見されたのは、20世紀になってからのこと、たった79年前のことだ。

海王星が発見されてから33年後の1879年、フランスの天文学者フラマリオンが海王星の外を回る惑星の存在を予言したことから、未知の惑星探しが始まる。ロ−ウェル、ピッカリングが特に熱心に捜索したが、発見できずにローウェルは帰らぬ人となった。

その後主のいなくなったローウェル天文台ではローウェルの遺志を継いで1929年捜索を再開し、ついに1930年2月18日、1月23日と29日に口径32cmの望遠鏡で撮影した乾板から、助手のトンボーが探し求めていた未知の惑星を発見したのだ。

冥王星の軌道は、他の惑星に比べて、かなりの楕円であり、17°も傾いている。

この未知の惑星は、PLUTOと名付けられた。暗黒のはるか彼方を回る惑星にぴったりの名だが、名付け親はイギリスのベネチア・バーニーという名の11歳の少女だという。PLUTOの頭の2文字PLは、パーシバル・ローウェルのイニシァルでもある。和名の「冥王星」は、故野尻抱影先生が命名している。

さて冥王星は、発見されてから今日まで、軌道上を1/3周足らずしか回っていないが、離心率が0.25という惑星としてはきわめて扁平な楕円軌道のため、1979年から1999年までは海王星の軌道よりも内側に入り込んでいたため、よく“水金地火木土天冥海”といわれたが、現在は名実ともにさいはての惑星に戻ってしまった。

冥王星発見者 クライド・トンボー

クライド・トンボー(1906〜1997)
アメリカ・イリノイ州で1906年2月4日に生まれた天文学者。家が貧しくて大学に行けなかったが、父の農場に放置してあった古い機械の部品で22.5センチの望遠鏡をつくって天体観測をし、その記録をローウエル天文台に送っていた。

それが所長のスライファーの目に留まり、1929年にローウェル天文台に助手となった。そしてスライファーの指導のもとにローウェルの惑星Xといわれた海王星の外側の惑星を探し続け、1930年3月13日冥王星の発見が発表された。冥王星探査機ニューホライズンズには、トンボーの遺灰が積まれている。

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天文研究家

1953年三重県四日市市に生まれる。学生時代は名古屋市科学館山田卓先生の下で天文普及活動に参加。天体望遠鏡メーカーに勤務の後、1992年にフリーとなり星を見上げる楽しさを広めるべく、あさだ考房を設立。

天文・科学雑誌に記事を連載、単行本・プラネタリウム番組シナリオ執筆のかたわら、天文宇宙関連の講演・講座、プラネタリウム解説を行っている。

最近は、生涯教育を意識した、プラネタリウム運営支援、プラネタリウム解説指導にもかかわっている。日本天文学会会員、NPO法人アイ・プラネッツ理事長。

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