「お墓」から韓国社会が見える!!(その2) 2015/7/12

ドストエフスキーの小説『罪と罰』の主人公「ラスコーリニコフ」は超〜頭の切れる名門大学「法学部」元学生。彼は質屋の高利貸しの欲張り婆ちゃんを殺害し、金を奪う計画を企てるけど、「自分が貧しいから」との理由だけで凶行に及ぶには彼の「知性」が納得しない。

「金銭」が「倫理」に優先するとの価値観や「善」と「悪」の概念を覆す論理などをベースにし、モチベーション(motivation ☆ 動機づけ)をアップせねば「事」を実行に移すには無理あり。

≪無益な者を殺して奪った金を有益な者に使うのがなぜ悪い??≫
≪「選ばれた人々」はルール違反しても構わない特権あるじゃん!!≫
≪だって、何十万の兵士を殺した「ナポレオン=戦犯」は英雄として尊敬されてるんだも〜ん。≫

ここまで「自分のやる事、価値あり」と確信持てた「ラスコーリニコフ」なら即実行!!

チベットの天葬台の「ハゲワシ&ラマ僧」 出典:「韓国、世間話776話」

「勝ち組み」の家族のお墓は「霊塔」や「塚(古墳)」、「ピラミッド」にして、「燃料がない」だの「国土が狭い」だの「地球にやさしい」だの言って、≪「負け組」はお墓の要らない「鳥葬(天葬)」にしなさい≫と言われたって、へそ曲がりの「朴」ならばサラ金で借金してでもでっかいお墓作りたくなる。

最愛していた家族を亡くし、悲しみに暮れている人に「金」だの「エコ」だの「物理的なこと」ばかりを理由に「愛しき人」の肉体を焼却後粉骨にしたり、解体後鳥に提供したりしなさい、だなんて「正気」では普通出来ないわよね?!?!

「物理的」な理由に「観念的」な理由がプラスされなきゃ「知性」はなかなか納得しない。そこで、「哲学」や「宗教」の出番。

≪人間は天から降り、天に還っていく≫
≪ハゲワシは死者を「天国」へ運んでくれる「天の使者」≫
≪「天葬(鳥葬)」は故人を天へと送り届ける為の聖なる儀式≫
≪多くの生命を奪ってそれを「食」とし、生きてきた人間。故に、腐って消滅してしまう使い切った肉体は、せめて他の生命の「食」として提供すべし。≫

このような観念から「天葬師(Domden) ☆ 鳥葬師」は、ハゲワシが遺体の一箇所も欠かさず天国へ運んでくれることを願って遺体を食べやすいようにバラバラにして提供し、それを一切れも残さず食べきるのかを見届けるとか!?!

遺体を食べきったハゲワシが空高く飛び上がると≪死者は「昇天」した≫と思われ、その後豊かな家に生まれ変わり、より良い人生が送れると信じるのである。

な〜んか、小難しい話になっちゃったけど要するに、燃料消費せず、土地無駄にせず、鳥に「肉身供養」すればその「善行(布施)」により、前世の罪を洗い流し、「昇天」&「輪廻」できるということだよね?!?!

ここまで「天葬」の持つ「価値」や「当為性」教えられたら、

≪「朴」も迷わず即実行やるか??≫
≪そんな訳ないでしょ!!≫

「天葬」が聖職者(ラマ僧)による死者への冥福を祈る聖なる儀式や信仰的な要素が欠如した単なる「遺体解体」行為だとするならば、それは「中国」で古代から清代まで行われていた「凌遅処死」の酷刑にそっくり。

★「凌遅処死」とは、生身の人間の肉体を少しずつ削ぎ落とし、長時間にわたり激しい苦痛を与えたうえで死に至らしめる「中国」からスタートした猟奇的な刑罰だとか?

朝鮮半島では「高麗」末期の「공민왕 恭愍王」(1330年〜1374年)時代に導入され、朝鮮時代の暴君として知られる「연산군 燕山君」「광해군 光海君」によりよく科せられ、1894年「甲午改革」によって廃止されたとされてます。

朝鮮時代の極刑には

★「斬刑」:首切りの刑罰。(打ち首)
★「車裂刑」:罪人の両手・両足・首を縄で縛り、4〜5頭の牛や馬に繋いでそれぞれ反対方向へ走らせ、人体を5分又は6分し、死に至らしめる刑罰。(八つ裂き/牛裂き)
★「凌遅処斬刑」:生きてる人間の肉体を刃物で少しずつ削ぎ落とし、長時間に亘り激しい苦痛を与え、遂には死に至らせる刑罰。(凌遅/凌遅処死)
★「剖棺斬屍刑」:墓に葬られた死体を掘り起こして「斬刑」又は「凌遅処斬」する刑罰。(人間って、いったいどこまでやりゃ気が済むの???)
★ その他

の形態があり、肉体を傷つけバラバラにする刑は国家転覆や王権簒奪などを謀った「謀反の罪」、主人を殺した奴婢、直系の尊属を殺害した「尊属殺」、3人以上を殺害した「凶悪犯」などに対し適用された最も残酷で陵辱的な極刑。

戦国時代から江戸時代初期にかけて行われたとされる死刑方法 日本の「牛裂き」の絵画 出典:ウィキペディア
18世紀に、スペイン征服者によりインカ帝国最後の皇帝 「トゥパク・アマル2世」が「馬裂き」刑される絵画 出典:ウィキペディア
朝鮮時代の「車裂刑」を描いた挿絵 「パクサンホ 作」

「猟奇性&残虐性」を持つ処刑法は、朝鮮半島に限られてたわけじゃないですよ〜東西・古今問わずだからね〜。

朝鮮時代の暴君「燕山君」時代に選ばれた両班「金世弼(1473∼1533)とその子孫」のお墓 出典:京機道文化観光課

「身体髪膚、これを父母に受く。敢えて毀傷せざるは、孝の始めなり」

≪髪・皮膚を含む身体は、父母から受け継いだものである。身体を傷つけないことは親孝行の第一歩である≫

このような「孔子」の教えは死者にも適用され、朝鮮時代の「양반 ヤンバン 両班 ☆ 支配階級」の伝統的な「儒教式」の葬法では遺体を傷つけたり、火葬したりするのはタブーとされています。

「朴」に言わせると「儒教」は、「魂」「無形のもの」「あの世」よりは、「肉体」「有形のもの」「この世」を大切に思い、執着する宗教であり、選ばれた階級の為の宗教。

「勝ち組み」は死にたくない。いやいや、この世でせっかく得た知識・富・権力惜しくて死ねない。選ばれた階級の人は、豊かな家に生まれ変わり、より良き人生送れるようにわざわざ死ぬ必要な〜い。

いずれ腐って消滅してしまう肉体なのにお肌に良い果物、野菜、飲み物、サプリ、石鹸、化粧品、温泉、マッサージ〜(一服して)〜美容クリニック、エステ、韓国式あかすり……等々に執着し、お金をかける人の如く、儒教を重んじる朝鮮時代の勝ち組み「両班」は、亡き親の遺体に執着する。

ドイツの民話の「白雪姫」が遺体に傷つけられず、火葬されず、ガラスの棺桶に入れられ、洞窟で長い眠りに就いていたお陰で蘇生できた如く。あるいは古代エジプト人が遺体をいかに生前のような状態で保存することにより、来世も生き続けられると信じ、ピラミッド作ってミイラにしてこの世で永眠しているかの如く。朝鮮時代の「両班」となる者の遺体は傷つけず、火葬せず。

それ故に、最愛の「亡き親」の為にサラ金から借金して百万円か〜る〜く超える黄金「寿衣」(朝鮮半島で死者に着せる服、日本の経帷子に当たる)を着せ、上質のヒノキの「棺桶」に納め、韓国最高の「名堂☆吉地」にでっかい「お墓」建ててあげたがる人多し。

韓国の「散骨」の光景の挿絵 出典:韓国儀典会報

「負け組」は不幸せだったこの世での遺物(肉体)、痕跡残らないように燃やしてしまって一瞬もこの世に止まらず、さっさっとあの世に行き、豊かな家に生まれ変わってより良き人生が送れるようにと願いを。仏教的な観念では、

≪魂が離れた後の肉体は肉の抜け殻に過ぎない。死んでしまえばもはや肉体は保存しておく必要のない不要なもの。故に火葬して遺骨をお墓に安置するのは執着。執着は煩悩なり。苦しみの原因は煩悩。その故に、散骨すべし。≫(続く)

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韓国ソウル出身。韓国国会事務局退職後、1988年来日。大学で高等学校教諭1種免許(国語)取得。大学院で日本文化専攻。

名古屋市の官公庁などの翻訳・通訳人として活躍後、大学や名古屋市内の生涯学習センターなどで「コリア文化」に関する講座を担当。

現在は愛知大学、中京大学、中日文化センター、愛知大学オープンカレッジなどで韓国語講師をつとめる。

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