達人に訊け!
東海3県高校野球ベストナイン(夏の大会総括・後編) 2015/8/4
前篇はこちら東海3県高校野球10大ニュース(夏の大会総括・前編)
1ヶ月にわたりお届けした高校野球地方大会コラムも最終回を迎えました。今回は、今夏の地方大会プレイバックの後編。筆者が取材している東海3県でそれぞれ、夏の大会の“都道府県別ベストナイン”を選定してみました。
チームの躍進に貢献した選手や、印象的な活躍をした選手を中心に、筆者の独断と偏見により選出しました(なお外野手の<左翼・中堅・右翼>は、大会での守備位置と異なる場合があります)。2015年の夏を、選手たちの活躍から振り返ります。
■ 愛知
<投> 上野翔太郎(中京大中京・3年)
<捕> 伊藤 寛士(中京大中京・3年)
<一> 西脇 雅弥(愛工大名電・3年)
<二> 島 快莉(豊川・3年)
<三> 高橋 優斗(愛工大名電・2年)
<遊> 丸山 大斗(大府・3年)
<左> 毛利 元哉(愛工大名電・3年)
<中> 大竹 哲司(刈谷・3年)
<右> 戸嶋 佑樹(大府・3年)
投手では、準決勝・豊川戦で相手打線をピシャリと抑えた福本裕亮(愛工大名電・3年)もすばらしいデキでしたが、決勝で一世一代の投球をした上野を選出。その決勝でバックスクリーン右へ本塁打、さらに右中間へ同点二塁打を放った伊藤にも度肝を抜かれました。公立校では、切り込み隊長としてチームのベスト8入りに貢献した俊足強打の大竹や、2試合連続サヨナラ打の丸山などが目立ちました。
■ 岐阜
<投> 根尾 学(斐太・3年)
<捕> 宮川 敬太(岐阜城北・3年)
<一> 今井順之助(中京・2年)
<二> 土川 雄基(東濃実・3年)
<三> 坂下 令穏(県岐阜商・3年)
<遊> 湯口 郁実(大垣日大・2年)
<左> 西川 幸樹(中京・3年)
<中> 村居 尚磨(県岐阜商・3年)
<右> 服部 友彦(岐阜各務野・3年)
優勝投手・鷲見直輝(岐阜城北・3年)の緩急つけた投球術も見事でしたが、今大会の“斐太旋風”の立役者・根尾を投手で選びました。県岐阜商ではプロ注目のエース・高橋純平がケガで登板できない状況下、投手兼任の外野手としてマウンドでもセンターでも気持ちの乗り移ったプレーをした村居や、関商工戦&中京戦で効果的な一発を放った伏兵・坂下の打撃が印象的でした。
■ 三重
<投> 坂倉 誠人(津商・3年)
<捕> 太田 直哉(四日市工・3年)
<一> 松葉 叶(津商・2年)
<二> 八重田翔大(海星・3年)
<三> 市川 晃大(いなべ総合・3年)
<遊> 伊藤 将大(いなべ総合・3年)
<左> 川瀬 拓馬(いなべ総合・3年)
<中> 前田 悠汰(津商・3年)
<右> 下倉 玄希(松阪商・2年)
津商はエース・坂倉の好投で初優勝。決勝では前田・松葉が2人で計6打点を挙げる活躍でした。津商に敗れたいなべ総合も、1・2番コンビ(市川、伊藤)は県下随一でした。松阪商は初戦、思わぬ劣勢に立たされましたが、勝ち越し打を含む6打点を挙げた下倉の活躍で逆転勝ち。以降も下倉は大当たりで、チームの8強入りの原動力になりました。ベストナインからは漏れましたが、菰野を完封した出口匠(津田学園・3年)や、活気あるプレーが印象的な寺本真矢(近大高専・3年)も忘れてはいけません。
* * *
地方大会の優勝校は、いよいよ6日から始まる甲子園大会に向け気合十分の様子です。3日に行われた組み合わせ抽選の結果、各県代表校の初戦の相手は次のように決まりました。
<愛知> 中京大中京 … 6日 vs岐阜城北(岐阜)
<岐阜> 岐阜城北 … 6日 vs中京大中京(愛知)
<三重> 津商 … 9日 vs智弁和歌山(和歌山)
<滋賀> 比叡山 … 8日 vs大阪偕星(大阪)
<福井> 敦賀気比 … 8日 vs明徳義塾(高知)
甲子園出場校は各県の代表として目一杯、全国の大舞台で力を発揮してほしいものです。なお中京大中京と岐阜城北は“隣県対決”になります。
その一方で、多くの野球部では3年生が引退し、1・2年生による“新チーム”が早くも始動しています。新チームは8月に地区予選、9月に県大会、10月に東海大会/北信越大会と戦っていきますが、この秋に好成績を挙げれば、翌年3月のセンバツ甲子園に出場することができます。
甲子園を懸けた鍛錬の日々は早くも始まっていて、秋の大会も夏同様、白熱したものになるでしょう。この夏の地方大会は幕を閉じましたが、高校野球のドラマはこの先も果てることなく続いていきます。引き続き高校野球を楽しみ、球児のプレーに声援を送ってください。
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(8/5 中日プラス運営部追記)本記事につきまして、各県ベストナイン部分のみを切り取ったスクリーンショット画像が拡散しておりますが、こちらはライター尾関雄一朗氏による中日プラス上での選定であり、公式に選出されたものではありません。切り取られた画像をシェアすることで、公式に選出されたものと誤解を生む可能性がございますので、シェアの際は画像ではなくリンクをシェアいただくよう、お願いします。
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プロフィール
野球ライター
1984年生まれ、岐阜県出身。東海地区のアマチュア野球(高校/大学/社会人)を取材し、野球雑誌などで記事を発表している。年間のアマチュア野球観戦試合数は120を超える。
数々の野球部を訪れ、ひたむきな球児や情熱的な指導者、工夫した練習法などを取材。ここ数年のうちで東海地区からプロ入りした選手はほぼアマチュア時代から追いかけており、中日ドラゴンズで活躍する濱田達郎投手(愛工大名電高出身)や、西武ライオンズの高橋朋己投手(西濃運輸出身)らもその一人。
無名の好選手を“発掘”するのも得意で、評判の選手がいると聞けば練習試合まで駆けつける。プロ球団スカウトとも交流が深い。
野球場に足を運ぶこと自体の楽しさにも魅了され、学生時代を含めれば10年以上、球場通いを続けてきた。高校野球の地方大会は特に多くのドラマを見てきた部分。今年の夏に思いを馳せる。