「お墓」から韓国社会が見える!!(その3) 2015/8/7

みなさ〜ん!

≪虫はなぜ薔薇の花を喰った?≫

と、訊かれたら何と答えますか?単細胞の「朴」は、

≪甘いから喰ったんだ。≫

と、答えるよ。ところでさあ〜、「頭の切れる人」って一目見ただけではその意味が掴み取り難い物事を、想像力働かせて解き明かすんだよね。

韓国の「文学」の世界では、イギリスの詩人「ウィリアム・ブレイク(William Blake)」の詩、「病める薔薇(The Sick Rose)」に描かれてる、

★「病める薔薇」は、「売春婦、傷ついた美女、社会的な弱者、(薔薇はイギリスの国花とのことから)乱れたイギリス社会……等々」

★「薔薇喰い虫」は、「性欲に負けた男性、社会悪、イギリスの腐敗した権力層……等々」

の「隠喩」であると解釈してるの。

「キリスト教」では、「薔薇」を魅力的な美と芳香から人を快楽へ誘う「背徳の花」と考えてた時期があったようだけど、「白薔薇」は聖母マリアの「純潔のシンボル」、「赤薔薇」はイエス・キリストが十字架で流した血をイメージして「殉教のシンボル」だとか?

な〜あ〜んか、格好いい話なんだけど、「朴」は「隠喩」だの「象徴」だの高次元の話には付いていけないわよ〜。

「鬼才」ってたま〜あ〜に物事、必要以上に難しく分析する傾向あると思わない?だって、虫がなぜ薔薇の花喰ったのか「農学」「生物学」の見方、「文学」「哲学」「神学」とは全く違うと思うしさ〜。もうちょい物事、ありのまま見て分かり易く解いてほしいの。

「薔薇」と薔薇の葉を喰ってる「虫」

薔薇と虫の話は除けておいて、

≪人間はどこから来た?≫

と、問いかけられたら皆さんは何と答えますか?「キリスト教」では、

≪人間を含む宇宙万物は全て神によって造られたとする「創造論」≫

「仏教」では、

≪宇宙を始め全ての生命は、自然から生まれ自然に帰るとする「輪廻説」≫

【この世で医学的に死亡と診断された人間はどこへ行く?】

「キリスト教」では「教派」によって違いはありますが、大まかに、

≪人間は死後お墓の中で審判の日を待つ。世界の終わりにイエス・キリストが再臨し、全ての死者を蘇らせさせて裁きを行い、イエスを信じる者には永遠の生命が与えられ「天国(heaven)」へ。信じず福音に服さない者には永遠の「地獄(hell)」に墜ちる審判が下される。(カトリック教会の教義では、「天国」と「地獄」の中間的な「煉獄(purgatorium)」もあったりして……≫

と、「復活説」を強調します。

『旧約聖書』の創世記の「アダムとイブ」、「蛇と知恵の実」を 描いたイラスト 出典:絵で学ぶ聖書

「仏教」では「宗派」によって違いはありますが、大まかに、

≪肉体の死後、その「魂」は生前の行い(善行・悪行)によって49日の間に裁きが行われ、49日目に「天道」「人間道」「修羅道」「畜生道」「餓鬼道」「地獄道」、六つのどれかの世界に生まれ変わる宣告を受ける。≫

と、「輪廻転生説」を強調します。

話、ちょっぴり逸れるけど、「仏教」の方は「起訴」された死者の「判決」、49日と決まってるからじれったくないけど「キリスト教」の方は、いつまで墓の下で待ってればいい??

いずれにせよ、

≪この世で「律法」&「戒律」守って善行積んでおけば「死後の世界(afterlife)☆来世」は「パラダイス(Paradise)☆楽園」に決まってるさ〜♪≫

とのことかな??

いやいや、一見、「来世」を強調しているような響きだけど、裏を返せば実は、皆が住んでいる「この世」の秩序を保つため、「この世」でちゃんとして去ってほしいとの狙いかも。

慶尚北道安東市の韓国仏教文化を代表する「봉정사 鳳停寺」 出典:安東市文化芸術課世界文化遺産担当
韓国で最古の木造建築の一つとされる「鳳停寺」の「極楽殿(国宝第15号)」お寺の創建は新羅時代(672年)とされる。出典:安東市文化芸術課

【人間はどこから来た?】

≪親!!≫

この分かり易くスッキリした「答え」を出したのは、単細胞の「朴」ではなく「儒教(儒学)」

※「性理学(儒学)」注1)では、あらゆる事物の原質は「陰・陽」「五行」の「氣(気)」が集まって形成され、人間は優れた気「精気」の集合体≪「陰気(肉体)」+「陽気(精神)」≫であると考えています。一人の人間の誕生は父と母の「気」そして、その周りを漂ってる「気」が寄せ合わさって形成された生命体だとか??

話、又逸れますが、日本では「韓国」=「儒教の国」とのイメージが強く、「朴」の母方の「祖父」&「祖母」の両家は儒教社会における伝統ある名家だったらしいですが、漢字教育を約30年間廃止していた韓国の政策に依り、「朴」は漢字教育なんか殆ど受けてないせいもあって、「儒教」に関する資料で度々目にする「氣(気)」の字の意味が掴めず、はがゆさを感じていたある日、

≪あ、分かった!!「古・今」「東・西」問わず、物質に分割不可能な最小構成単位が存在するとの考えはあった。それを古代ギリシャでは「ἄτομος」、古代中国では「氣」と表記してたんだ。現在の自然科学の用語で「atom(アトム) ☆ 原子(酸素・炭素など)」と理解すればいいんだね。「朴」ってやっぱり肝心なこと思い付くなあ〜♪≫

と、るんるん気分だったのですが、こんな自己満足感もアッと言う間。

≪「氣」は霊的・生命的・動的な原理としての ※「形而上」注2)の側面をもちながら、物質的な ※「形而下」注2)の側面をも持つ二重性……云云≫

≪何だと?「氣」っていったい何??やっぱり「朴」は単細胞だなあ〜!!)

「孔子」は、「来世」について問いかけられた際、

≪知らないことは説かない!!≫

と、返事したとか?

「儒教」では「あの世」よりは「この世」を、宗教的な「魂の命」よりは「肉体の命」をより大切にし、極めて「現世」重心なので、「儒教」は宗教ではなく、単なる「倫理学」「政治学」に過ぎないとの見解もあります。

韓国、「国学振興院」から「安東市」に委託された「木版」約65,000枚。 慶尚北道・慶尚南道の儒学者達の儒教に関する著述の木版。 出典:安東市文化芸術課世界文化遺産担当

「儒教」における「死生観」では、自分の命は父からもらった命、父の命は祖先からの命。そして、自分から子供へ子供から孫へと先へ延々と繋がる。従って、生命を連続させ、永遠の命を得るには父母には孝を尽くし、祖先を崇拝し、子孫の繁栄を願わねばならぬ。

儒教における倫理思想の基本となるのは「孝」。

≪孝は百行の本なり≫
≪生きている親に対しては、これに仕えるに礼をもってし、親の死に対しては、これを葬るに礼をもってし、忌日などに、祖先これを祭るに礼をもってす。≫

との教えから、生前の親への孝行と死後の祖先への崇拝が子孫に強調されます。人間は「氣(気)」の集合体なので気が散じれば死ぬことになる。

生前の人間は ≪「精神(陽気)」+「肉体(陰気)≫の集合体。 人間が死ぬと「精神」は「魂(陽気)」に変わり、「肉体」は「魄(陰気)」に変わる。「魂」は≪「神(陽気)」+「鬼(陰気)」≫の集合体。「神」は「天(陽)」へ昇って、「鬼」は「地下(陰)」へ還る。

自然科学的な表現で、

≪液体の「水」が気体の「水蒸気」に変わり、上空に上がる≫

現象と同じかなあ?死後の「鬼」と「神」は即去る訳ではなく、住んでいた家や家族の周りを漂い、徐々に天と地へ散じていき、「四代」が過ぎると完全に消滅する。今風の言葉で表現すると、

≪「完全酸化」するのに「四代」の時間がかかる≫

とのことだよね?!と、単細胞の「朴」は又、馬鹿げたことを思い付いたんだけど……「魂」って酸化するの?

≪儒教の「死生観」も思ったより込み入ってるなあ〜≫
(続 く)

注1)「性理学」(朱子学):説明がな〜が〜くなるので超簡単に言えば、中国の宋代(12世紀)に興った「新儒教」の名。朱子らによって完成。「宇宙・自然・人間」の存在を「形而上」・「形而下」の両面から解明する思想体系。朝鮮時代の主流となった儒学の学派。

注2)辞書的な意味としての
「形而上」:「形のないもの」「精神的なもの」「感性を介した経験によっては認識できないもの」など
「形而下」:「形を備えたもの」「物質的なもの」「感性を介した経験によって認識できるもの」など

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韓国ソウル出身。韓国国会事務局退職後、1988年来日。大学で高等学校教諭1種免許(国語)取得。大学院で日本文化専攻。

名古屋市の官公庁などの翻訳・通訳人として活躍後、大学や名古屋市内の生涯学習センターなどで「コリア文化」に関する講座を担当。

現在は愛知大学、中京大学、中日文化センター、愛知大学オープンカレッジなどで韓国語講師をつとめる。

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