【くすりの匙加減(5)】余ったくすりはどうするの? 2015/8/20

多くの病院では、患者さんにお願いし、入院する際に普段使っているおくすりや健康食品を持ってきてもらい、その内容を確認しています。

この確認は、手術時に出血のリスクを高めるくすりや健康食品の使用の継続や中止を判断したり、手術後に使う新たに処方されるくすりとの飲み合わせの回避に重要であり、主に薬剤師と看護師がこの業務を行っています。

ところがこの確認がとても大変。多くの患者さんが、スーパーのビニール袋に一杯のくすりを持ってこられます。でもこれは恥ずかしいことではありません。

毎日、忘れずにおくすりを飲むことはとても難しく、ある程度のおくすりが余ってしまうのは止むを得ないことなのです。このように病院でおくすりをもらう度にたまっていくおくすりを残薬といいますが、国家として考えると大きな問題になります。まさにちりも積もれば山となる。年間約500億円の残薬が発生していると言われています。

では、入院しなくともくすりが余ったらどうするべきなのか?

是非、手持ちのくすりを持って、かかりつけ薬局の薬剤師に相談してください。あまりに古いくすりは廃棄すべきですが、医師に同意を取り、新しくくすりをもらう代わりに残薬を使うことが可能です。患者さんにとっては少なからず薬代を節約することが出来ます。この節約により、残薬が減れば、国民医療費の節減にもつながります。

一方で、何故、残薬が出てしまうのかを考え、残薬が出ないようにすることも大切です。この問題を一緒に考え、くすりの変更や包装の見直しを医師に提案し、残薬の発生を抑えることは薬剤師が得意とする仕事の一つです。

匙を使わない、くすりの匙加減。是非、お知りおきを。

北市清幸 博士(医学) 岐阜薬科大学薬物動態学研究室教授

岐阜薬科大学薬学部卒業。名古屋大学大学院医学系研究科修了【(博士(医学)】。マギル大学、名古屋大学医学部、長崎国際大学を経て、前職の岐阜大学医学部附属病院薬剤部(副薬剤部長)より、2013年10月に薬物動態学研究室の教授に着任しました。

研究室では、くすりの適正使用を推進するために、薬物血中濃度の測定法や遺伝子検査法を開発。医師、病院薬剤師と連携した臨床研究を主に行っています。また、危険ドラッグの検出技術の開発にも取り組み始めました。

本ブログでは、くすりや健康食品を正しく使うための知識をのみあわせの知識などを交えながら、わかりやすくお伝えしたいと思います。

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