「お墓」から韓国社会が見える!!(その5) 2015/9/25

「朴」の亡き父の「古希」祝いに「朴」は出席できなかったけど、「朴」の兄弟から父に贈ったお祝いの言葉は、ジョ〜ウダン抜きで、

≪遺産要らないから借金残すな!!≫

だったんですって。

こんな「お笑いのネタ」にされそうな出来事が日々絶えない「朴家」なので、「我が家」の話はあまりしたくないけど、「朴家」の事を実例として取り上げると≪分かり易い≫と言われるの。

そんな訳で、今回はちょい「朴家」の話を交えて「風水」の話。

「朴」の父親は「四男・三女」7人兄弟の「三男」で「資産家」の息子だけど、兄弟の殆どが金の使い方が荒くて「親(朴の祖父)」の資産ぜぇ〜ん〜ぶ潰して借金だらけの子孫が多いの。

「掛け値」が常識だったあの時代から「7人兄弟」は、

≪値切らず、おつり貰わず、全て買い取り、皆に配るタイプ!!≫

紳士過ぎで格好良いと言われてたけど「朴の母親」は不幸せだったのよ〜。

「先山(祖先のお墓がある山)」で「お墓」の草取りをする様子 出典:韓国法務省ブログ

このような「朴家」の山に「山守」がいるんだけどある日、山守「Kさん」が「朴」の祖父を訪ねて来て

≪父が亡くなったのですが、墓地を買う金がないので使い道のない山の一角を使わせて頂けませんか?≫

と、頼んできたとか。とても真面目な人で祖父の信頼を得ていた「Kさん」だったので、

≪使えそうな場所があったら使っても良し。≫

と、祖父が許可したとか。その後、「Kさん」の息子「〇〇さん」が韓国では名の知られる「某出版社」の社長の一人娘と結婚。言わば、「韓ドラ」でよくあるような「逆玉婚」した訳。

この「〇〇さん」、後に「某出版社の社長」並びに「大手新聞社の会長」を務めたの。一方、「朴家」は「金持ち三代続かず」のパタ−ン(pattern)!! 「K家」が繁盛するにつれ、「朴家」の「家運」が傾いていくことに気づいた「朴家一族」。

≪あの「山守」は「朴家」の山の事、知り尽くしてるからきっと山の最も優れた「明堂 명당 ミョンダン ☆ 吉地」に自分の父親の「墓」を設けたに違いない。≫

と、朴の父親の弟「四男」が呟き、「Kさん」の所へ。ちょっぴり本題から逸れるけど「四男」は、海軍士官学校在学中「日本軍」が使ってた軍艦に乗って実習を重ねていたらしいが、体験学習としてアメリカの軍艦に乗艦した後、その規模や設備・機能などに圧倒され、

≪あんな小さな日本の古船に乗ってアメリカと戦ったら間違いなく死ぬ!!≫

と感づき、卒業式を目の前にして海軍士官学校を退学後、一般大学へ編入、「英文学」を専攻した当時の「インテリ(知識人)」と呼ばれた人。このような「四男」が「Kさん」に声を荒げ、

≪前略………墓地を返しておくれ………後略≫

と、言ったらしい。その後、「Kさん」は年老いてこの世を去り、「Kさんの従弟」が朴家の「山守」の職を継いだものの、逆玉の輿に乗った「〇〇さん」が、「朴家」の山の近くに小学校の運動場くらいのめぇ〜ちゃ広い土地を購入し、彼の「祖父&父親」の「お墓」を「移葬(改葬)」した訳。

数年前、「朴」が一時帰国した際、「三男(朴の父親)」と「四男(朴の叔父)」に案内され「K家」の新しい「墓地」を見に行ったところ、借金だらけになった「叔父」曰く、

≪今度は「俺」が「K家」の山守を務めなくっちゃ……≫

だって。あのさあ〜、7人兄弟が「親の金」使いまくり、金がなくなってしまったら今度は不動産売り飛ばし、ついに借金だらけになったのが、何故「K家」の「お墓」のせい??? 「インテリ」か、否かに関わらず、

≪人生上手くいくのは「自分」のお陰、上手くいかなきゃ祖先の「お墓」のせい!!≫

と、思ってる韓国人少なくないの。

中国の風水地理志にも収録されるほど「吉地」とされる韓国京畿道南楊州に位置する「소령원(昭寧園)」は、2010年制作の韓ドラ「동이 トンイ」の主役「淑嬪崔氏」(1670〜1718)のお墓。7才に入宮し「下女」から「朝鮮時代」の19代王(粛宗)の「側室」となり、実息が21代王(英祖)となり52年間も在位した、ラッキーな女性。 写真:「안종선アンジョンソン 教授」

2,000年ほど前、「陰陽・五行思想」を基に中国で生まれた運命学、「四柱推命」のことを韓国語では「사주팔자 サジュパルチャ (四柱八字)」、略して「팔자 パルチャ(八字)」と言います。

≪「팔자 パルチャ(八字)」は変えられない!!だから、いくら辛くても「八字」と言われたらグッと抑えるしかない。頑張っても報われない人生だったらキッパリ諦める。≫

このように「八字=運命」を信じる「運命論者」の多い韓国社会なのですが、上手くいかない人生に転機となる「チャンス」が絶対ないと言われたら目先真っ暗!! ところが、世の中上手く出来ていて

≪捨てる神あれば拾う神あり≫

韓国人の意識構造には、自分の努力で運命は切り開けられるとの信念よりは、「祖先のお墓」により運命が好転されるとの信仰が根強く、「風水地理学」は「運命開拓学」とも考えられてるよ〜。

ところで、一見4,000年前の人って大した事のできない「ホモ属の原人(Homo erectus)」のように思いがちですが、その起源が4,000年以上前まで遡ると推定される東洋の古代地理学「風水」は、「朴」にとってどれだけ読んでも『六法全書』よりも遥かに難しく感じられ「陰宅」向けの福を招く「明堂(吉地)」の条件がなかなか掴めないの。

だぁ〜けぇ〜どぉ〜、なぜ韓国人は「土葬」&「明堂(吉地)」に執着するのか?頑張って要約してみますね〜♪

「風水」には「地理風水」「陽宅風水」「陰宅風水」があり、

★「地理風水」は、国家が長く繁栄する為の都・お宮・お城などを造る際に活かされます。
★「陽宅風水」は、生きてる人の為の住宅・店舗・会社などを建てる際に活かされます。(日本で流行ってるよ〜)
★「陰宅風水」は、主に亡くなった祖先の「お墓」を造る際に活かされます。(韓国で流行ってるよ〜)

「お墓」を設ける際、活かされる「陰宅風水」の基本的な考え方の一つは、「死者の居住空間」と「生者の居住空間」の間に「良い氣(気)」が流れるように「明堂 명당 ミョンダン ☆ 吉地」にご先祖様のお墓を造ると子孫が繁盛し、「凶地」に造ると家が滅びるとのこと。

「儒教」に吸収された「陰陽・五行思想」の核は、宇宙万物の全ては「陽気」&「陰気」が混ざり合って成り立ってるということ。

つきまして、「天=陽」「地=陰」と考え、天と地の間にいる人間は、「陽気」&「陰気」の混合体で「精神=陽気」「肉体=陰気」と考えます。

人間が死ぬと、「精神」は「魂」に変わって「天」に還り、「肉體(体)」は「魄」に変わって「地」に還る。よって、韓国では「死者」の「精神・肉體」を「魂・魄」と称します

ここまでは、≪「お墓」から韓国社会が見える!!(その3)≫の抜粋ですので未だ読んでない方、お読み下さいなぁ〜♪

2015年9月27日は旧暦で8月15日。韓国では「中秋の名月」を「秋夕 추석 チ ュソク」と称し、この日「祖先崇拝」の為のお墓参りをします。 出典:Bricks Korea

≪「(その3)」に続き、この辺から話ややこしくなり、「朴」も理解し難いの(。´-_・)ン?≫

宇宙万物の全ては「陽気」&「陰気」が混ざり合って成り立ってるので、

「霊魂」は「霊(陽気)」+「魂(陰気)」の混合体。
「肉體」は「肉(陰気)」+「體(陽気)」の混合体。


「天」に還った「霊・魂」の話はさて置き、「地」に還った「肉・體(魄)」について超簡単にご説明しますね。

「土葬」された「肉(陰気)」は散じますが、「體(陽氣)」は散じず、「土(陰気)」の中に残ります。(化学用語で「體(魄)」は酸化しないんだよね?) 皆さ〜ん、「陰」である「地(土)」と「陽」である「體(魄)」が会うと何すると思う???

≪「交合」するんですって!!ヤレヤレヽ(~〜~ )ノ全く、もう〜≫

「交合」の場所が「お墓」。人間の肉体を土に埋めることつまり、「土葬」の究極的な目的は「魄(陽)」と「土(陰)」の交合にあるとか!!この「交合」の場所である「墓地」が母親の「子宮」のように安らかな場所「明堂 명당 ミョンダン ☆ 吉地」であれば≪「陽」×「陰」≫の結果、「良い気」が生成されるらしい。

生前の「父親(陽)× 母親(陰)」が産んだ「子孫」と亡き親の「魄(陽)×土(陰)」により生成された「気」は同類の気。(生物学用語で「DNAの相同性」かな?)ともかく、同類の気は「祖先崇拝」の信仰が厚い「子孫」と亡き「祖先」との間には感応するとか!!(超心理学のテレパシー(Telepathy)の送受信みたいなものかなあ〜?)

「陰宅(お墓)」から「良い気」が生成されることを「発福」と言い、その気が子孫に伝わり、運命を好転させるのが「陰宅風水」の基本原理の一つ。

そんな訳で、朝鮮半島の人々は「土葬」&「明堂(吉地)」に拘るの。

(続く)

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韓国ソウル出身。韓国国会事務局退職後、1988年来日。大学で高等学校教諭1種免許(国語)取得。大学院で日本文化専攻。

名古屋市の官公庁などの翻訳・通訳人として活躍後、大学や名古屋市内の生涯学習センターなどで「コリア文化」に関する講座を担当。

現在は愛知大学、中京大学、中日文化センター、愛知大学オープンカレッジなどで韓国語講師をつとめる。

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