愛知県ゆかりの車両が、いま福井県で活躍中 2015/11/25

地元で走っていた車両が、廃車になったと思ったら、他の土地で走りはじめた…そんな車両を見かけると、懐かしくなるものです。旧国鉄や大手私鉄を中心に、実は多くの車両が当初の役目を終えた後に、別の地で第二の活躍の場を得ています。

そのなかには、東海地方出身の車両もあります。そんな車両たちをこれから何回かに分けてご紹介しましょう。

えちぜん鉄道の主力は、MC6001,MC6101形

今回、まずご紹介するのは、福井県のえちぜん鉄道です。

福井駅を起点に、勝山永平寺線27.8kmと三国芦原線25.2kmの2路線を有する鉄道です。以前は京福電気鉄道の路線でしたが、事故で不通となった冬季に沿線道路が渋滞して、始業時間に間に合わないバス通学生が続出するほどになりました。

そこで、福井県が抜本対策をすることになり、第三セクター鉄道として再建した歴史をもつ鉄道です。

えちぜん鉄道の主力車両は、MC6001形とMC6101形です。どちらもほぼ同等の電車ですが、MC6001形が2両先行投入されたうえで、仕様をより適正化したMC6101形を12両投入した経緯があります。

愛知環状鉄道100-200形・300形として活躍していた様子

えちぜん鉄道MC6001形とMC6101形は、もと愛知環状鉄道の100-200形と同300形です。上の写真は、10年前に開催された愛知万博の際、万博会場への観客輸送で活躍していた様子です。

4両編成ですが、前の2両が200形-100形の2両1編成。続く後部2両は、車両の両端に運転席があって1両だけで運転ができる300形です。

よくみると、パンタグラフが3つ上がっていますよね。このパンタグラフが上がっている車両が、改造のうええちぜん鉄道でいまも活躍している車両達です。ただ、前から2両目の100形は後ろ側にしか運転席がありません。そこで、最前部の200形の運転台部分を切り取って移設することで、両端に運転台がある車両としました。

つまり、これら4両すべてが、今もえちぜん鉄道で活躍しているというわけです。そう言われてみると、正面はもとより、側面の窓配置もそっくりだということに気付くことと思います。

愛知万博を機に、愛知環状鉄道は老朽化した創業時からの電車を、今も活躍する2000形に置き換えました。ただし、通常2両編成のところ、万博輸送では4両編成ばかりにする必要があったため、新旧車両を総動員しての輸送となりました。

そのため、えちぜん鉄道に全車が揃ったのは、愛知万博が閉幕した後に改造工事をうけてからとなりました。

えちぜん鉄道でラッシュ時に活躍するMC7001形

えちぜん鉄道には、ラッシュ時を中心に活躍する2両編成のMC7001形もあります。こちらは2013年から走りはじめている車両です。

一見すると外観は前述のMC6001形、MC6101形と同じように見えますが、同車は全長19mなのに対して、MC7001形は全長20mとやや大型になっています。その関係もあって、側面の窓配置もやや異なっています。

JR飯田線で119系として活躍していた頃の様子

このMC7001形は、国鉄時代に製造されてJR東海に所属していた、もと119系です。正面デザインはヘッドライトを含めて大きく変わり、先行投入されたMC6001,MC6101形に準じたものとなっています。しかし、窓配置は119系そのものです。ただし、モーターや電気機器類は大きく変更しています。

飯田線では、2012年3月のダイヤ改正で119系を全廃し、JRになってから新製した車両に置き換えました。それを、えちぜん鉄道が活用しているわけです。

ちなみに、えちぜん鉄道の現役旅客用電車は、ここまでに紹介したMC6001,MC6101,MC7000形を除くと、MC5001形1両だけです。つまり、えちぜん鉄道に行けば、すぐに愛知県出身の電車がやってくることになります。

このように、鉄道車両は必ずしも新製配置されたところで廃車まで勤め上げるわけではなく、なかには新たな活躍の場を見いだして、長生きする車両もいます。

2014年7月9日付でご紹介した名鉄創業時の名電1号は、札幌市電開業に際して譲渡されました。2015年3月14日付でご紹介した電車は、東急電鉄から十和田観光電鉄を経て大井川鐵道に入線しています。このように、このコラムでも同様な例を紹介してきました。

次回は、同じく福井県で活躍する岐阜県出身の電車をご紹介します。

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(有)鉄道フォーラム 代表取締役

1958年愛知県犬山市生まれ。大学卒業後に10年のサラリーマン生活を経て、当時話題だったパソコン通信NIFTY-Serveで鉄道フォーラムの運営をするために脱サラ。1998年に(有)鉄道フォーラムを設立。2007年にニフティ(株)がフォーラムサービスから撤退した際に、独自サーバを立ち上げて鉄道フォーラムのサービスを継続中。

一方、鉄道写真の撮影や執筆なども行い、「日本の“珍々”踏切」(2005.2 東邦出版刊)、「鉄道名所の事典」(2012.12 東京堂出版刊)、「トワイライトエクスプレス」食堂車ダイナープレヤデスの輝き−栄光の軌跡と最終列車の記録−(2015.9 創元社刊)など著書多数。

当「達人に訊け!」をまとめた書「東海鉄人散歩」(2018.7)が、中日新聞社から刊行された。

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