ドリップコーヒーの抽出技術 Part10 〜カッピング編〜 2015/12/22

珈琲教室のドリップの風景

いつもありがとうございます。ペーパーとネル(布)ドリップの抽出の基本をシリーズで説明させていただきましたがいかがでしたか? お分かりいただけたでしょうか?

なかなか図で説明するのは大変ですが、淹れ方の方法、注意点、ポイントはお分かり頂けたと思います。

しかし、最終的にコーヒーは味覚で判断する飲み物ですので、いくら知識ばかりを頭に詰め込んでも、技術だけ特化して修得しても、行き着くところカップコーヒーの評価が出来なければ何もなりません。

最近は情報化社会ですので、インターネットなどでたくさんの知識が氾濫して、コーヒーの事に詳しいお客様が多く、専門的な事から思いもよらないようなことまで、いろいろな質問を頂きます。

私は、勿論即座にどんな質問にもお答えできなければプロではないと考えています。プロだからといって、経験があるからといってそれだけにアグラをかいているようですと、それらの質問に対応できません。

コーヒーの情報はすごいスピードで日々変化していくので日頃からコーヒーの勉学に励む事が肝心です。常に、私達コーヒー専門家は一般の方を上回る知識と実践経験を持っていなければならないのです。

よって、出来るだけ多くの珈琲本に目を通し、いろいろな技術を実践して、味をチェックして、コーヒーのすべてを理解して自分の物にしていなければなりません。それが喫茶店と珈琲専門店の違いと考えています。

珈琲専門店はコーヒーの種類がたくさんある店ではなく、コーヒーの専門家がいる店という事だと私は思っています。

ハロウィンの時のカッピング風景

コーヒーを深く理解するには、コーヒーの知識(学習)、抽出技術(経験)、味覚の評価(カッピング)、これらを三位一体で同時に高めていかなければなりません。

どれ一つ欠けてもコーヒーをわかるという事にはなりませんが、その中でも特に大切なのは「味覚の評価」です。

味覚の評価はカッピングといって、カップにしたコーヒーの香味成分や雑味成分を正しく判断する能力です。

勿論、それには沢山の経験が必要です。ただ、漠然と沢山のコーヒーを飲めば修得できるものでもありません。

新鮮で良質な豆、良質な焙煎がされている珈琲をいかにたくさん飲み、いろいろな香味を感じたか?という経験の深さと幅なのです。

古いコーヒーや質の悪いコーヒーをいくら沢山飲んでも修得できるものではありません。簡単に言えば、缶コーヒーを何万本飲んでも正しいコーヒーの味覚は育たないという事なのです。

また、コーヒーをただ、「美味しい」「不味い」の二者択一で決めてしまうのも困ったものです。私の教室では、「美味い」「不味い」は禁句としています。「美味しい」、「不味い」は感想であって評価ではありません。

カップコーヒーの中にある、香り、味の評価は二者択一で決めることが出来るほど単純ではありません。しかし、その複雑な香味を感じ取れるようになるとコーヒーの魅力は無限大に広がります。

綺麗な表現や上手な表現が出来なくてもよいので、自分の味覚で感じた香味を、自分流の言葉で表現することが大切なのです。

味の判断(カップテスト)
a.味の良し悪しを決めるのは味覚である。味のチェックを行ことが「カップテスト」です。
b.一般的に行われているカッピングによる味の判断とは?
c.ペーパードリップ(透過法)式カッピング法(量など同一条件で行う事)
d.焙煎濃度により注湯の温度を変えるカッピング(適正な抽出の重要なポイント)
e.苦味、酸味、甘味、香り.コクのチェック
f.抽出後すぐのチェック、冷めてからのチェック、一日経ってからのチェック
g.ソフト、マイルドなど味のバランスをチェック
h.古いコーヒー臭、発酵臭、カビ臭、土臭、舌に残る酸味、苦味、渋味など、雑味のチェック
i.香味の総合判断をして、チェックポイントを記録する

《チェック》
※苦味の強弱
※酸味の強弱
※コクの強弱
※甘味の強弱
※香りの強弱
※雑味など

・・・せめてこのくらいのカッピング評価から始めてみてはいかがでしょうか?

味覚は根気よく繰り返すことで味覚は鋭く(味覚の習練)なりますし、記録することによって味覚の表現が豊かになってきますよ!

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プロフィール

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日本コーヒー文化学会 理事、日本スペシャルティーコーヒー協会会員(SCAJ)、SCAJ公認 コーヒーマイスター(NO.169)、前・金沢大学講師 (文部科学省公認)

1977年岐阜県瑞浪市に「待夢珈琲店」開店、コーヒーの歴史書や専門書を読みあさり、独学で焙煎を覚え、自家焙煎の珈琲専門店をスタートさせる。

その後、世界のコーヒー産地を自らの足で回り、納得のいく優良な豆を買い付け、良質で新鮮な体に良いコーヒーを提供しています。

また、現在、中日文化センターの珈琲教室をはじめ、基礎クラスから専門クラスまで12講座をこなしています。

産地歴訪はエチオピア3回、イエメン4回、ブラジル、インドネシア、ケニア、タンザニア、ペルーなど。

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