津島市の衣の截金が美しいお地蔵様 2016/2/3

西光寺の地蔵菩薩

愛知県津島市の住宅街の少し奥まったとこにある、こじんまりとしたお寺の西光寺(さいこうじ)。その西光寺の地蔵堂には、りりしいお顔でかっこいい愛知県指定文化財に指定されている地蔵菩薩がいらっしゃる。

西光寺の地蔵堂

お寺の方に地蔵堂の扉を開けていただくと、びっくりした。白い! 白い波のようなモダンな祭壇。

西光寺の地蔵堂

近年に、地蔵菩薩を修理した際に、お堂の中の祭壇も新しく作り変えたそうだ。こんなオシャレな祭壇見たことない。ライティングも素敵!

真ん中に地蔵菩薩、向かって左に不動明王、右に毘沙門天が祀られている。地蔵菩薩は、鎌倉時代の作。高さ160cm、ヒバ材、寄木造(よせぎづくり)、玉眼(ぎょくがん)、彩色。手足等に多少の補修がある。手の形が普通の地蔵菩薩と違っている。

普通は、片方は宝珠を持ち、もう一方は錫杖をついている。それが西光寺の地蔵菩薩は、両手を胸の前で曲げ、両手のひらを上にしている。京都の六波羅蜜寺の重文の地蔵菩薩「鬘掛(かつらかけ)」もほぼ同じポーズだが、他に同じポーズはないそうだ。

この地蔵菩薩はもとは、京都市の水落寺に祀らていた水落地蔵(みずおちじぞう)。その地蔵がなぜここ愛知県の西光寺にあるのか?実は、西光寺もかつて京都市にあった。そして一時期、水落寺と合体していた。その後明治にお寺が無住化し、本尊と地蔵菩薩(水落地蔵)が、津島市に運ばれてきたらしい。

衣には美しい模様。

地蔵菩薩の衣の截金模様

以前は真っ黒に見えた地蔵菩薩を修理に出したら、元々の衣に金箔を細い線に切って貼った「截金(きりがね)模様」が現れたそうだ。

地蔵菩薩の衣の截金模様

なんと美しい!! 後世の上塗りのため当初の色彩が失われてたのが修復により復活されたのだ。以前からX線で納入品はあるとはわかっていたが詳細はわかっていなかった。

しかし今回の修理の際に、像内からお経が書かれた巻物や地蔵の印が押された「地蔵菩薩印仏」、泥造地蔵菩薩小坐像などが取り出された。

納入品中の年記から、およそ文治3年(1187)から建久4年(1193)の間の造像とされる。また、この像を造るために、諸国に勧進を実施した時期・期間・場所などが書かれてたものも入っており、大変貴重な資料だ。

不動明王

地蔵と比べると小さい不動明王。

毘沙門天

足元に邪鬼を踏みつけた毘沙門天。美しい衣の截金や、珍しい手の形。貴重な納入品と大変素晴らしい地蔵菩薩である。

〜〜〜〜〜

【西光寺(さいこうじ)】
住所:〒496-0815 愛知県津島市米之座町2丁目
電話:0567-25-3650(要予約)
料金:志納
アクセス:津島駅から西に徒歩約8分

〜〜〜〜〜

「マンガで学べる仏像の謎」(JTBパブリッシング)

田中ひろみの41冊目の著書「マンガで学べる仏像の謎」(JTBパブリッシング)好評発売中! オールカラーのマンガで楽しくわかりやすく仏像のことを学べます。
〜〜〜〜〜

「田中ひろみと行く奈良 仏像の魅力に迫る!」ツアー開催!

JR東海ツアーズさん「50+(フィフティ・プラス)」で、2月・3月に

「田中ひろみと行く奈良 仏像の魅力に迫る!」(日帰り)

を開催します。往復の新幹線代よりお安く、拝観料も昼食も解説もついてお得です。普段見ることができない薬師寺の西塔の初層内陣と国宝の東塔水煙拝観できます。

【田中ひろみと行く奈良 仏像の魅力に迫る!】ツアー

出発日:平成28年2月27日(土)、3月15日(火)
出発場所:東京・品川・新横浜・静岡・掛川・浜松・豊橋・三河安城・名古屋の各駅
内容:薬師寺にて東塔水煙の特別公開と西塔の初層内陣や諸堂拝観。法隆寺にて諸堂拝観。中宮寺拝観。昼食付き。各寺院で田中ひろみが仏像のみどころの解説いたします。
料金:25,800円(東京、神奈川発)、24,300 円(静岡発)、20,800円(愛知発)

*お申込み・お問合せは「ぷらっと・旅コールセンター」 0120-945-355
(※お申込みにつきましては、グループの中に50歳以上の方がおひとり様以上参加されることが条件となります)

PR情報

記事一覧

尾張四観音「龍泉寺」の円空仏!

名古屋市守山区にある「龍泉寺」。開基は伝教大師・最澄とされる。名古屋城を鎮護する尾張四観音(荒子観音、笠寺、甚目寺)の一つ。 今年2019年の恵方に当た…

2019/2/2

豊川市の長谷寺のイノシシに乗る小さな摩利支天像

豊川市牛久保町にある長谷寺(ちょうこくじ)。山号は武運山。

2019/1/4

興正寺にある名古屋三大仏の一つの大日如来!

名古屋市の八事にある「興正寺(こうしょうじ)」。高野山真言宗で、別名「尾張高野」とも呼ばれる大寺院。 高野山で弘法大師の五鈷杵(ごこしょ)を授かった…

2018/11/29

名古屋市内の徳源寺の巨大な涅槃像!

名古屋市東区にある徳源寺。近くには、徳川美術館がある。都会とは思えないほど広く、静寂な空気に包まれた禅宗の妙心寺派のお寺さんだ。

2018/10/27

17年に1度の愛西市、勝軍地蔵のご開帳!

愛知県愛西市西條町の八幡神社の境内の地蔵堂に祀られている、17年に1度のご開帳の「勝軍延命地蔵大菩薩」に会いに行ってきた。

2018/9/13

江南市常観寺の鉄造の「お釜地蔵」

愛知県江南市の常観寺は、尾張六地蔵の一つで「お釜地蔵」と呼ばれる鉄造仏が祀られている。

2018/8/16

新たに多気町文化財に指定された珊瑚寺の巨大な十一面観音!

三重県多気町五桂にある珊瑚寺の木造十一面観音立像が、2018年5月に新たに多気町文化財に指定されたというので、お願いして特別に拝観させていただいた。昭和三…

2018/7/22

谷汲山華厳寺のバンザイする仏頂面が乗る十一面観音像

谷汲山(たにぐみさん)華厳寺(けごんじ)は、西国三十三所の最後の札所である第三十三番札所で、満願結願のお寺さん。西国三十三所の札所寺院では唯一、近畿地方…

2018/6/23

どこから見てもこちらを向いてくれる「永正八方釈迦如来」

江南市にある永正寺。 永正元年(1504年)に開創された、臨済宗妙心寺派のお寺。

2018/5/19

16年に1度のご開帳、美濃市・鹿苑寺の聖観音像

先日、岐阜県美濃市立花にある美濃西国三十三観音霊場2番札所の鹿苑寺(ろくおんじ)観音堂に祀られる聖観音像の16年に1度のご開帳(2018年3月18日〜4月1日(日)だ…

2018/4/11

プロフィール

17

達人に質問をする

仏像イラストレーター&文筆家

丸の内はんにゃ会(女子の仏教サークル)代表、奈良市観光大使。

子供の頃、仏像好きの叔父に連れられ奈良や京都の仏像を見て歩く。

大人になりひさしぶりに京都の三十三間堂に行き、突然仏像へ恋に落ちる。
以来、全国の仏像に会いに行くようになる。

そして、仏像本や仏像講演やカルチャーセンターの講師をするようになる。

著書には
「仏像、大好き!」(小学館)
「拝んでしあわせ奈良の仏像100」(西日本出版社、「田中ひろみの勝手に仏像ランキング」(メディアイランド)
「クイズで入門 日本の仏像」(講談社+α文庫)、「美しき仏像」(ぶんか社)
「ふらりおへんろ旅」(西日本出版社)
「江戸東京再発見 ぶらりスケッチ散歩」
など35冊。

  • 会員登録
  • ログイン
今日の天気(11:00発表)
名古屋
曇り時々晴れ
14 ℃/--
東京
晴れ後一時雨
13 ℃/--
大阪
晴れ後曇り
12 ℃/--
  • 東名で渋滞情報あり。
  • 登録路線が未設定です。
  • 公式 Twitter はこちら
  • 公式 Facebook はこちら
クラウドファンディング 夢チューブ 中日新聞
東京新聞 電子版
中日販売サポート
東海テレビ 庄野アナと 新聞を音読してみよう!
中日防災ナビ
こどもウイークリーのこーなー
過去の企画・特集