【第18回】地産外消!? “四万十ブランド”発信スーパー「しまんとハマヤ」 2016/2/26

四万十川が流れるだけでなく、海も山もある高知県四万十町。そんな自然に囲まれた町で、ユニークな展開をみせている地元スーパーが、「しまんとハマヤ」です。四万十の食を求めて人々が集まって来るという、大人気ご当地スーパーの魅力を探ってきました!

「しまんとハマヤ」
高知県高岡郡四万十町琴平町476-1 
TEL:0880-22-2700 
営業時間:9時〜20時 ※元旦のみ休み

【目指すは“四万十よろずマーケット”】
「しまんとハマヤ」が目指すのは、“四万十人(しまんとびと)の四万十人による四万十人のためのスーパー”。リンカーンもきっと草葉の陰で脱力の、なんとほっこりする指針。四万十の人々には、のんびり過ごすショッピングセンター的存在でもあるため、食料品売り場以外の店舗構成も充実の癒し系ラインナップとなっています。

(左上より時計まわりで)しまんと食堂/四万十ベーカリー/しまんとカフェ/衣料品コーナー/(真ん中)産直コーナー「しまんと市場」

『しまんと食堂』
地元の食材を使って、“やりてのおばちゃん”がつくっているという、ハマヤ直営食堂。スーパーで買った刺身を持ち込んでもいいんです!※カットされた刺身に限る

『四万十ベーカリー』
四万十町の隠れた名産品「お米」。地元の米粉でつくるパン「米こっぺ」(150円)が人気。

『衣料品コーナー』
“四万十のユニクロ”と称されるほど、町のミセスからの安定した支持を得ている衣料品コーナー。じつは元・衣料品店というハマヤの実力ここにあり!

『しまんとカフェ』
おそらくこれから、“四万十のスタバ”と呼ばれるであろう、癒しの空間。開店からA.M.11:30までのモーニングセットのほか、開店からP.M.5:00までの間、コーヒー(350円)または紅茶(250円)を注文すれば、お隣『四万十ベーカリー』の1個200円までの焼き立てパンを、1個100円で2個まで選べる「パンセット」も魅力です。

【四万十人の生活を根っこから支えるスーパーへ】
「しまんとハマヤ」を運営する株式会社ハマヤは、スーパーだけでなく、レストラン業、鰹のたたき製造業を展開する会社です。その歴史は、1875年(明治8年)の高知県須崎にて、現社長・濱崎 隆さんの曽祖父が土佐和紙を扱う商店としてスタートしました。

戦後、ニチイ(マイカルの旧社名)の衣料品チェーン店に加盟。1997年(平成9年)、現在の場所に「窪川サティ食品館」を出店するも、マイカルの経営破綻により、2002年(平成14年)には、地元スーパー・サンシャインの仲間入りし、「四万十ショッピングプラザ」に。

そして2013年のリニューアルオープン時に「しまんとハマヤ」に改名し、土佐の歴史と伝統の食文化を伝える使命を自らに課したのです。地元の生活を根っこから支えるスーパーへ生まれ変わる、大きな転機でした。

ハマヤ4代目・濱崎 隆 社長/しまんとカフェにて(※濱崎の浜は正しくは「眉」濱、崎は「立」の崎)

地元では大いに受け入れられている、地域自慢の味。「この四万十の豊かな恵みを四万十の人々だけでなく、他県にも教えたい。売りたい」と、スーパーとしては異例の事業、他社スーパーでの「四万十フェア」のプロデュースも手がけています。

そしてさらに現在、「地元の食文化と農業を守りたい」と、とうとう自社での農産物生産にも着手。農薬や化学肥料を使わずに育てる農業を成功させることで、地元で働きたいという若者の雇用を生み出そうとしています。

なんと社長の息子さんが生産者! 新鮮さと「四万十野菜合同会社」が目印。

【毎日の食卓が名産品! ご当地食のファンタジスタ続々】
これほどまでに地元の生産者を知りつくし、自分たちのアピールポイントを心得ているスーパーは稀です。「しまんとハマヤ」で扱う商品に、ブレは全くありません。

〜ハマヤの生節革命! オイルごと味わえる、洋風生節〜

「かつおのオリーブオイル漬け」1,350円/ハマヤ
パサつきと生臭さが気になって苦手という人が多い、鰹の生節。ですがハマヤが、鰹のたたき製造業やレストラン事業で培った鰹へのノウハウをこの商品に込めました。これはもはや生節革命。国産にんにくと高知産のローズマリーのエキスがたっぷり溶け込んだ、スペイン産エキストラバージンオリーブオイルによって生節はしっとり。安心素材でオイルごと、サラダやパスタに進んで使いたい逸品です。

〜意外な名産品と、さらに意外な副産ブタ〜

仁井田米/なんと、四万十町自慢の米を食べて育てた「こめ豚」も町の特産品。ちなみに、芋けんぴを食べて育つ「けんぴ豚」の扱いもあり。

「仁井田米 香り米入り」 1,070円(2kg)/高知ケンベイ
意外にも、四万十は米処なんです。標高230mの台地で、寒暖の差が激しく朝霧がでやすい環境が、お米を美味しくするんだとか。なんと「第12回・お米日本一コンテスト」で実行委員会会長賞(特別最高金賞)に選ばれた実力のある地域です。

こちらの写真のお米は同じ地域で作られている仁井田米です。「香り米」20%入りで、炊きあがるとポップコーンのような芳ばしい香りがします。“お釜で炊いた香り”と、表現されることも。私は「高知に吹く優しいタイの風」かと。初めはびっくりするものの、その後、この香りが恋しくて普通のお米じゃ物足りなさを感じるほど。

じつは、高知県での香り米の歴史は古く、応仁の乱(1467〜1477年)を避けるために前関白・一条教房(いちじょうのりふさ)が一条家の領地(現・四万十市一帯)に京より下向した際に持ち込まれたと言われています。当時、公家の間で香り米が好まれていたそう。風雅な趣を含んだ香りなのです。

〜お土産屋さんで超人気高級スイーツをお手軽に〜

豊富なほうじ茶の品揃え/「満天の星 ほうじ茶大福」

満天の星 ほうじ茶大福 148円(1個)/満天の星
お米同様に、あまり知られていない土佐の特産品が、お茶。緑茶ではなく、撚らずに炒った「落ち葉」のようなほうじ茶が主流です。四万十の源流域・津野町の澄んだ夜空の下で育てられたほうじ茶でつくった、「ほうじ茶大福」は、お茶好きにはたまらないご当地スイーツ。お抹茶よりも清冽な苦みを持つほうじ茶粉と、あん&生クリームのハーモニーが素晴らしい、大人の大福です。スーパーでは、有り難いことに1個売りしています。

〜じつは甘党! Wあんこが定番の味〜

ベーシックな「こしあん」のほか、「紫芋」「抹茶」「栗」が勢揃い。さすが地元。ただし、この日は人気のツイスト、売り切れで入手ならず。無念。

羊羹パン 税込160円/菱田ベーカリー
土佐のご当地パンで有名な「羊羹パン」は、宿毛市は菱田ベーカリー製。こしあん入りのあんぱんの上に、なぜかもう一度羊羹をかけて固めました。

じつは、似たような「羊羹パン」は北海道、岩手、静岡、福井など全国に点在。その発祥は不明とされていますが、菱田ベーカリーでは、昭和40年代に保育園の卒園式用の紅白まんじゅうに羊羹で「祝」の字を書いていたとされ、その時に余った羊羹をパンにつけて販売したのがきっかけだったと言われています。

また、農作業の合間にちょうどいい糖分補給と満足度での高さで、おやつパンとしてご当地で長く愛されている商品です。

〜ご当地度とパンチの強さは比例する〜

(左上より時計まわりに)こじゃんとかつおぬた/ジンジャーシロップ/焼肉のたれ/青さのり

「こじゃんとかつおぬた」580円/アースエイド 
高知では、昔から葉にんにくをつかったぬた(酢みそ)で、刺身を食べる習慣があります。この商品は、そんな「ぬた文化」を現代風にアレンジしたもの。オリーブオイルや松の実が「ぬた」を一気にイタリアンテイストに。“こじゃんと”は「とっても」という意味の土佐弁。

「ジンジャーシロップ」780円/桐島畑
シンプルなボトルには「桐島畑 農薬・化学肥料を使っていない生姜です」と明記。この桐島畑の桐島さんこそが、しまんとハマヤに自然農法を伝授している農家の先生です。安心な桐島さんの生姜を使ったジンジャーシロップの原材料は、生姜と粗糖のみ。どこまでもシンプル。ドリンクのほか、生姜焼きなどの料理にも使えます。

「焼肉のたれ」500円/霧の里 股川祐子
農家のおばあちゃんがつくる「絶品焼肉のたれ」として、地元で大評判。原材料は家庭にあるものばかりでとっても安心。皿に出すと、美味しさの秘密である大量のにんにく、玉ねぎ、りんごのすり下ろしたツブツブを確認することができます。これほどまで濃厚で上質な「焼肉のたれ」は貴重。にんにく好きな土佐の味覚だけでなく、シンプルで真面目なところが四万十ブランドの証です。

「四万十川の川青さのり」650円/加用物産 
海水と川の水が混じり合う汽水域だけで育つのり。冬の間に収穫して、手作業で丁寧に天日干ししています。地元でおススメされたのは、3分ほど水で戻した青さのりを天ぷらにする方法。外さっくりで中とろり、磯の香りが口いっぱいに広がる、他にない美味しさです。四万十の幸、ズバリそのもの。みそ汁に入れるのも、もっと手軽な地元の定番です。

【四万十ブランドの魅力をその目で】
とてもユニーク取り組みで注目されている「しまんとハマヤ」。立ち寄るだけではもったいない! 四万十のゆったりとした時間に身を任せて、四万十のスーパーをじっくりと体験してみてはいかがでしょうか? もしくは、しまんとハマヤが監修する「四万十フェア」を近所のスーパーにリクエストするのもいいかもしれません。

お問い合わせ:「しまんとハマヤ」
高知県高岡郡四万十町琴平町476-1 
TEL:0880-22-2700 
営業時間:9時〜20時 ※元旦のみ休み


※記事中の価格は税込価格で取材時のものです。また紹介した商品は常時取り扱いがあるとは限りません。

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スーパーマーケット研究家
65年東京生まれ、名古屋在住。
サラリーマンの夫の転勤で国内外の転居を繰り返す中、スーパーの研究を始める。2012年に出版した著書が話題となり、出演したテレビ番組で紹介した岐阜県高山市の隠れた日常食「あげづけ」が大ブレーク。現在は、テレビ出演や新聞・雑誌の連載、講演活動をこなしつつ、子育ての隙をみて、自腹で全国のご当地スーパーを行脚。埋もれた日常食の発掘とその魅力を伝えている。新刊「東海 ご当地スーパー 珠玉の日常食」(ぴあMOOK中部)

著書/『日本全国ご当地スーパー掘り出しの逸品』『日本全国ご当地スーパー 隠れた絶品 見〜つけた!』(講談社)

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