薬の飲み合わせを避けるためには?(1)〜薬の飲み合わせについて知ろう〜 2016/4/10

みなさん、お薬はお飲みでしょうか。飲まれていない方、健康でいいですね。飲まれていない方でも、ご家族やお知り合いには飲まれている方が多くいるのではないでしょうか。これから3回に分けてお薬を安全に飲み続けるためのコツを薬剤師の視点からお話しします。1回目は「薬の飲み合わせについて知ろう」です。

お薬は病気を治すために飲みますが、時には副作用が出ることがあります。副作用が出た後も飲み続けると危険ですから、必ず説明書を読んで書いてある副作用の症状が出た場合には、早めに薬剤師や医師に相談してください。

お薬を飲み続けて副作用が出でいない場合でも、他の薬を追加して飲んだ場合や、お水以外の飲料でお薬を飲んだ場合、あるいはお薬と相性の悪い食物を食べた場合に、お薬の効果が下がってしまったり、逆に作用が強く出たり、場合によっては副作用が強く出てしまうことがあります。それが飲み合わせです。どうしてこのようなことが起きるのでしょうか。

最初に、薬は飲んだ後に体の中でどうなるのか簡単に説明します。薬はまず胃の中で水に溶けて胃や小腸から吸収されて血液の中に入ります。吸収された薬はすぐに肝臓に運ばれます。

肝臓は解毒器官とも呼ばれ、毒となる物質を分解して体を守ります。この分解に働くのが酵素です。洗たく用洗剤に入っている酵素が汚れを分解するのと同じですね。薬は体には異物ですので肝臓は薬を毒と判断して分解します。そして、分解しきれずに残った薬が血液で全身に運ばれ薬の効果がでます。

さて、飲み合わせについてです。薬は胃の中で水に溶けた後に体の中に吸収されます。ところが、薬が水に溶けるのを邪魔する薬があります。胃薬に含まれるマグネシウムやカルシウムは、ある種の抗生物質を水に溶けにくくします。水に溶けないと薬は吸収されなくなり、効かなくなります。牛乳にもカルシウムが含まれるので、牛乳で薬を飲んではいけません。

ここからは、血圧の薬の中で、カルシウム拮抗薬という分類の薬についての話です。カルシウム拮抗薬をグレープフルーツジュースと一緒に飲むとどうなるでしょう。グレープフルーツに含まれる成分は、肝臓でカルシウム拮抗薬を分解する酵素の働きを弱くしてしまいます。

薬が分解されないと体の中で多くの薬が働くようになり、薬が効きすぎてしまいます。この結果、副作用も出やすくなります。ですから血圧の薬をグレープフルーツジュースで飲んではいけないのです。

今回は、飲み合わせの一部を紹介しました。病院でもらう薬と薬局で買う薬との組み合わせ、薬と食べ物との組み合わせなど注意しなければならない組み合わせが多くあります。それでは、飲み合わせを防止するためにどうすればいいでしょうか。まず、薬剤師に相談しましょう。そこで重要になるのが、お薬手帳とかかりつけ薬剤師です。次回からその話をします。

杉山 正 博士(薬学) 岐阜薬科大学実践社会薬学研究室教授

岐阜薬科大学薬学部卒業。1982年から25年間、岐阜大学医学部附属病院薬剤部へ勤務した後に、2007年4月に現職である岐阜薬科大学実践社会薬学研究室の教授に着任しました。2015年1月からは京都府立医科大学在宅チーム医療推進学講座の特任教授を併任しています。

研究室には、多くの病院薬剤師、薬局薬剤師が大学院博士課程の学生あるいは研究生として在籍しており、医療現場で直面している課題を解決するための研究を行っています。最近は、在宅医療を推進するための研究ならびに地域薬剤師の生涯研修にも取り組んでいます。

本ブログでは、お薬を安全に飲み続けるためのコツを、特に飲み合わせに焦点を当てて、わかりやすくお伝えしたいと思います。

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本学は、美しい金華山と長良川などの自然に恵まれ、また歴史と文化の薫漂う岐阜市の北部に位置し、80有余年に及ぶ歴史の中で、建学の精神である「強く、正しく、明朗に」をモットーに、「人と環境に優しいグリーン・ファーマシー」を基本理念とした薬学教育を通じ、安心で安全な医療に貢献できる薬剤師や、人と環境にやさしい方法で薬を創ることのできる研究者や技術者を養成しています。

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