「活性酸素」は本当は いいやつ だった その1 2016/5/10

国民1億2千万人、総健康指向ブームの中、巷の書店には、われわれがちょっと気になる「医者からもらった薬がわかる本」から「薬ののみあわせ」、ガン、肝臓病、高血圧、脂質異常症、リウマチ等々、あらゆる病気について、「専門医が教える…」、「医者に…と言われたら」、「…の食事療法」とコーナー所狭しと並んでいます。

一方、テレビ、雑誌でもこれらについて幾度となく特集が組まれたりしています。そんな中で「活性酸素」というキーワードも市民権を得て広く使われるようになってきました。しかし、この活性酸素については、諸悪の根元、悪の権化…と良いイメージで語られることはありません。

「老化、ガン、心臓病、脳血管傷害…の原因(元凶)は活性酸素だった」と。さらに、この活性酸素から身を守るというキャッチフレーズのもと、高価な健康食品を宣伝する広告が新聞に折り込まれることもしばしばです。

では、活性酸素は生まれながらにして「悪」だったのでしょうか?答えはNO(ノー)です。確かに活性酸素も多すぎると病気の引き金になることは膨大な研究結果からも真実である(と思います)。しかし、活性酸素は太古の昔から生物の体内でつくられてきたガスであり、その役割を果たしてきたものです。

地球が誕生してから46億年、生命が誕生してから30数億年(といわれています)。初めて生命が誕生した頃、地球上には酸素はなく、その中で生物(嫌気性菌)は生きるために細々とエネルギーを生み出していました。

しかしその後、光合成できる生物の出現により、大気中の酸素濃度は徐々に多くなってくると、その酸素を有効利用し効率よくエネルギーを産生できる生物が出てきました。

さらに、それに伴って発生する活性酸素をもうまく利用し、かつ多すぎる活性酸素をうまく制御できた生物のみが進化してきたと言われています。人類を含め、今日まで生きながらえてきた生物が、身体に悪いだけの活性酸素を日常的に発生させて現在まで生きてきたはずがありません。本ブログでは、「活性酸素」をもう一度見直していきます。

足立 哲夫 博士(薬学)  岐阜薬科大学 臨床薬剤学研究室 教授

岐阜薬科大学卒業、同大学大学院修士課程修了後、岐阜薬科大学助手(薬剤学研究室)として採用。講師、助教授を経て、平成9年に学内に新設されました臨床薬剤学研究室に異動し、平成15年に教授に昇任しました。

研究室では、主にストレスによる糖尿病、動脈硬化、神経疾患などの病気の発症機序の解明、それらの病気に対する予防薬・治療薬の探索を行っています。最近、「プラズマ」というオーロラや雷などの元を医療に応用しようという試みが始まり、その研究班に参画しています。本ブログでも最終回に簡単に紹介します。

以前は「活性酸素」は体にとって悪いものということで研究を進めていましたが、そうではないことが分かってきましたから、罪滅ぼしも含め、本ブログで「活性酸素」のいい働きを紹介します。

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