「活性酸素」は本当は いいやつ だった その2 2016/5/20

そもそも「活性酸素」とは何ぞや。読んで字の如く、空気中の酸素よりも「活性化」された酸素とその関連物質と定義されています。

この「活性化」を化学的に説明しようとすると、どうしても「原子」とか、「電子」とかという難しい話になってしまいますのでここでは省略します。それはそうと、空気中の約20%を占める「安定な酸素」でさえ、残りの約80%を占める「窒素」よりはだいぶ活発に反応します。つまり、

「窒素」:元気のないガス(不活性ガスと言われています)
「酸素」:もともと元気なガスだけど、うまく落ち着いた状態
「活性酸素」:酸素の元気がちょっと高じた状態

と言えます。人間を含め多くの生物はこの「酸素」の“丁度良い元気さ”をいつも利用し、活動するためのエネルギーを得ています。時には、さらに元気のいい「活性酸素」に代えて使っています。

我々は、呼吸により空気中の酸素を取り込み、細胞の中の工場でエネルギーを生み出すために使っています。その時に取り入れられた酸素の大部分は水に変換されますが、一部は活性酸素という形になります。

こうしてできる活性酸素について以前は、本来できてほしくない不良品か副産物のように扱われていましたが、本当は、エネルギー産生システムのなかで、生命の維持に必要な分の活性酸素を常につくっているのかも知れません。

活性酸素の寿命は短く、多くはすぐに消滅します。しかし、「赤信号、みんなで渡れば怖くない」というように、普段はいいやつの活性酸素も何らかの原因で必要以上にたくさん集まれば、ワイワイ、ワイワイ、気分が高まって、いたずら心が芽生え、周りの細胞や組織に悪さをし始め、それが続くと病気の原因になったりします。

つまり、いいやつが悪魔に変身しはじめる・・・・。この続きは多くの本に書かれているので、それをご覧下さい。

足立 哲夫 博士(薬学)  岐阜薬科大学 臨床薬剤学研究室 教授

岐阜薬科大学卒業、同大学大学院修士課程修了後、岐阜薬科大学助手(薬剤学研究室)として採用。講師、助教授を経て、平成9年に学内に新設されました臨床薬剤学研究室に異動し、平成15年に教授に昇任しました。

研究室では、主にストレスによる糖尿病、動脈硬化、神経疾患などの病気の発症機序の解明、それらの病気に対する予防薬・治療薬の探索を行っています。最近、「プラズマ」というオーロラや雷などの元を医療に応用しようという試みが始まり、その研究班に参画しています。本ブログでも最終回に簡単に紹介します。

以前は「活性酸素」は体にとって悪いものということで研究を進めていましたが、そうではないことが分かってきましたから、罪滅ぼしも含め、本ブログで「活性酸素」のいい働きを紹介します。

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