本当に大切なこと 2016/5/19

先日、友人から「毎日忙しいせいか、顔が疲れているよ。リラックスしたら?」と声をかけていただきました。顔は、鏡を通じてでしか見ることができません。友人だからこそ、本当のことを言ってくれたのですね。

人間というのは年齢を重ねれば重ねるほど「荷物」というものが増えてきますね。そうなると部屋じゅう物だらけになります。部屋をすっきりさせるコツは「捨てる」ということだと聞きます。

過去の思い出の物など捨てられないから、どんどんたまってくるのもわかりますね。さて人間の心にも「捨てられない」ものが沢山あります。

先日、子育てで疲れているお母さんを対象に、法話会をしました。託児所も用意し、子どもさんを隣の部屋にあずけて、ゆっくり法話を聞いていただくという企画をしたのです。

その中で、人見知りのはげしい子どもさんを持つ、母さんが参加してくださいました。子どもさんは私の顔を見るなり、怖い顔で私をにらんでいます。私が

「名前は何というの?」

ときいても首をふるだけです。

「お菓子があるから、食べてね」

というと、目をまるくして、両手にいっぱいお菓子をにぎりしめてだしました。しかし、常に警戒し、大人をにらみつけています。

法話がおわり、人見知りする子どもさんとしばらくお話しすることにしました。すると、父親からの虐待、幼稚園でのいじめを受け、たくさん傷つき、母親ですら信じることができないというのです。

しかし、お菓子は私のものだと握り締めている姿をみて、”誰も信じる人がいない悲しみ”を感じました。

これは少女だけではありません。私たちにも当てはまるのではないでしょうか。

「人生の中で何が大切なのか?」

●名誉欲を依り所にしていた私
私の20代〜30代の頃は「有名になりたい」という欲に囚われていました。お寺の娘として生まれたものの、アナウンサーの夢が捨てきれず目指します。また自分自身が有名になりたかったのです。

名前さえ出れば、仕事も恋もお金も人間関係もついてきて、幸せになれる――そう思い込んで、依頼があった仕事は全て引き受けていました。スケジュール帳が埋まることで安心していたのです。

でも、気付けば自分の特長はあまり無く、やがて周囲のライバルたちにばかり大きな仕事が回るようになり……。私はいつしか彼女たちと自分を見比べ、嫉妬ばかりするようになっていました。

そんな時、当時所属していた事務所の社長から「マネージャーになってほしい」と言われたのです。失意のどん底です。

「何で私が人の世話をしないといけないの?私が有名になりたいのに・・・!」

理由を聞くと、

「川村君!君はタレントに人気があるんだね。仕事のことで落ち込んだ時、君に悩みを聞いてもらっているという子がかなりいるよ。あんな人がマネージャーだったらいいなと皆言ってるるよ」

と。まるでアナウンサーの仕事は向いてないと付き離されたようでした。アナウンサーとして有名になりたいと思えば思うほど、”タレントさんの裏方で働いてくれ”という現実を叩きつけられたのです。

●名誉欲を捨てた人生
私は仕事は無かったが、信頼関係が持てたという喜びをいただいたのです。

それからネット上で日替わり法話を更新することにしました。

すると私の元に「妙慶さん!悩みを聞いて」と毎日のように読者からメールが来るようになったのです。私にとって色んな方の悩みに向き合うことは、全く苦痛ではありませんでした。

むしろ「どうか1人1人が輝けますように」と願いを込めながら返事をしていたのです。その時、ふと思いました。昔、事務所の社長の「マネージャーにならないか」の一言は、私が人と向き合う仕事が向いているというのを見通していたのです。

「そうだったんだ!僧侶という仕事が私には向いているんだ」と素直に喜べるようになりました。それから僧侶としての仕事がはじまったのです。

さて、人見知りする少女に全身で向き合いました。しばらく経って母さんが「●●ちゃん夕方になったから帰ろう」といいました。私は「●●ちゃん!また会おうね」というと、彼女は「ばいばい!と手をふってくれたのです。

そのとき、握り締めていた御菓子がばさ!と手から床に落ちました。

「あらら!お菓子落としたね」

少女は大きな笑みを見せながら、「これあげる」と私にお菓子を差し出したのです。そしてさらに大きく手をふって帰っていきました。少女は、何かあったかいものを感じてくれたのかもしれません。

何が大切なのか?

人と人との信頼関係が持てた時、私たちは生きていけるのですね。

栄中日文化センターにて「心が元気になる講座」です

5月24日火曜日 18時30分より
中日文化センター 栄教室
〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄4-1-1中日ビル4階
電 話: 0120-53-8164 (10:00〜19:00 日曜日は17:00)
メール:sakae-cc@chunichi-culture.com

お気軽にお申し込みくださいね。

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プロフィール

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真宗大谷派僧侶・アナウンサー

京都在住(福岡県出身)
20歳で真宗大谷派(東本願寺)の僧侶となる。と同時に社会経験をと、関西を中心にアナウンサーとして活躍。

15年前から立ち上げたHPでは
2007年ヤフー人名検索1位になり話題になる。「川村妙慶の日替わり法話」は一日3万件のアクセス。

現在 中日文化センター「心が元気になる講座」講師。

NHK京都、大阪文化センター講師。FBS読売文化センター講師。KBSラジオ「ほっかほっかラジオ 妙慶のちょっといい話」レギュラー。

産経新聞「明日へのヒント」・京都新聞「暖流」日経ヘルスプルミエ
連載中。

全国へ講演で回る。また著書も多数出版。

近著に「女の覚悟」講談社・「大丈夫!何とかなるから 」KKベストセラーズ、「妙慶の怒りをおさめる35の話し」こう書房 他

☆川村妙慶のテレフォン法話
075-431-7603(なむあみ)

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