土星のリングは何倍で見える? 2016/7/10

夜9時ごろ南の空には、赤い火星と白い土星が並んで光っている。

木星に次いで太陽系ナンバー2の惑星、土星。リングのある惑星として、観望会でも月とともに人気度No.1の天体だ。リング自体は、木星にも天王星にも海王星にも発見され、土星特有のものではないことがわかったが、我々にはリングとして見られるのは土星だけなので、よけい魅力度がアップする。

この土星が今観望チャンスを迎えている。土星を見つけるのは難しくない。7月初旬なら午後9時時ごろ、7月中旬なら午後8時時ごろに、南の空の30°程の高さを見上げると、いやでも赤く明るく輝く星が目に入ってくる。これは地球に接近した火星だ。その火星の東(左)で銀色の輝きを見せている星が土星だ。-1等の火星には及ばないが、近くで光るさそり座の赤い1等星アンタレスよりも1等級明るい0等なので、すぐに気が付くだろう。

土星は自転軸26.7°傾けて太陽のまわりを30年かけて公転するため、地球から見るとリングの見え方が変化する

土星の魅力は何といっても本体を取り巻くリング。このリング、いつでも見ることはできるのだが、実は毎年少しずつ開き具合が変化していることをご存知だろうか。つまり土星の姿は年毎に変化して行くのである。その理由は、土星が太陽のまわりを30年かかって公転するうちに、我々の地球は土星を北から見上げたり、南から見下ろしたりするためだ。

2009年夏に15年ぶり土星のリングの開き具合が最小になり、リングを真横から見ることになったが、このときはリングの消失が起こった。あれから7年が過ぎて、リングの傾きは最大になって、土星本体をすっぽり包み込んでしまったダイナミックな姿を見せている。

ガリレオが見ただろう土星のイメージ。リングとして認識することはできなかった

土星のリングの存在は、1610年ガリレオ・ガリレイによって発見されたが、当時の望遠鏡の性能はまだまだ十分ではなかったため、ガリレオは「こぶのようなものが付いている」と発表したにとどまっている。土星を取り巻くものがリングだとわかるのは、それから50年ほど後のホイヘンス兄弟による観測まで待たなければならなかった。

レンズの直径15cm、200倍の望遠鏡で見た土星のイメージ。

天体望遠鏡の性能は、対物レンズ(主鏡)の口径で決まるので、リングの細かいところまでしっかり見ようとすると、できるだけ大きい望遠鏡が必要となる。よりリングらしく見るには、少しでも口径が大きいほうが有利だ。とくに口径15cmクラスになると土星本体の縞もようや、リングの濃淡や、リングとリングの間の隙間“カッシニ空隙”がくっきり見えて、土星の神秘を心の底から感動することができる。

リングの存在なら、2000円〜3000円の望遠鏡組み立てキットでもわかる

リングの存在だけなら口径3cm30倍程度の小さな望遠鏡でも、400年前にガリレオが使った望遠鏡より確実に良く見える。この夏できるだけリーズナブルに土星のリングを見たい方は、数千円で手に入る望遠鏡組み立てキットを購入して、カメラ三脚に取り付けて土星に向けてみよう。

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天文研究家

1953年三重県四日市市に生まれる。学生時代は名古屋市科学館山田卓先生の下で天文普及活動に参加。天体望遠鏡メーカーに勤務の後、1992年にフリーとなり星を見上げる楽しさを広めるべく、あさだ考房を設立。

天文・科学雑誌に記事を連載、単行本・プラネタリウム番組シナリオ執筆のかたわら、天文宇宙関連の講演・講座、プラネタリウム解説を行っている。

最近は、生涯教育を意識した、プラネタリウム運営支援、プラネタリウム解説指導にもかかわっている。日本天文学会会員、NPO法人アイ・プラネッツ理事長。

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