PM2.5による健康影響 2016/7/30

1、PM2.5とは
PM2.5とは、粒子の大きさが 2.5μm(マイクロメートル(1μm=1mmの1/1000)以下の細かい粒子(髪の毛の太さの約1/30、スギ花粉の約1/12程度)の総称であり、主な発生源としては、ボイラーなど物の燃焼等によって直接排出される一次粒子と、硫黄酸化物や窒素酸化物、塗装施設や植物から発生する揮発性有機化合物(VOC)等のガス状大気汚染物質が環境大気中で光化学や中和反応等により粒子化し、二次的に粒子になったものであります(図1)。
*PMとは、「Particulate Matter(粒子状物質)」の略

図1 PM2.5の大きさ

2、健康への影響
PM2.5 は非常に小さい粒子のため、肺の奥深くまで入り込み肺や気管支に付着しやすく、ディーゼル粒子を含むため炎症を起こし、気道が狭窄することで、気管支炎や喘息の悪化につながるおそれがあります(図2)。

図2 PM2.5の末梢気道への影響

また、有害物質を含むPM2.5が肺胞から血液にのり、他の臓器に到達する可能性があり、有害物質には血液の凝固を促す働きがあることから、心筋梗塞などの心疾患の発症も危惧されます。その他、鼻水や目のかゆみなどのアレルギーや肺がん等を発症するおそれもあります。高齢な方や子供等は影響を受けやすいことから、特に注意が必要であります。

3 PM2.5の濃度が高くなった場合の対応
現在、都道府県等においてはPM2.5の濃度を常時監視しており、濃度が一定レベル以上になった場合は、それぞれの自治体から国が定めたPM2.5による「注意喚起のための暫定指針」に基づき注意情報が提供されます。この場合は、以下の対応をしてください。特に、幼児や高齢者、呼吸器系や循環器系の疾患がある方は、特に慎重な行動をしてください。

@屋外にいる時
・PM2.5を大量に吸い込まないよう、長時間の激しい運動を減らす。
・マスクを着用する。この場合、医療用や産業用の高性能な防じんマスクを使用すると効果が大きい。

A屋内にいる時
・不必要な外出はできるだけ控える。
・換気や窓の開閉は必要最小限にする。

稲垣隆司 岐阜薬科大学学長

岐阜県土岐市出身。岐阜薬科大学卒業、国立公衆衛生院(現国立保健医療科学院)環境衛生課程修了後、愛知県に勤務。愛知県においては大気、水質、廃棄物、自然環境等すべての環境保全行政に従事、平成16年度から環境部長、平成18年度から副知事(一期4年)を歴任。愛知県退官後は、名古屋競馬椛纒\取締役社長、学校法人名古屋学院大学理事長を歴任後、平成27年4月から岐阜薬科大学学長。その他、現在、ボランティアで愛知・東海陸上競技協会会長、愛知県レクリエーション協会会長、愛知県消防設備安全協会理事長、日本介護事業連合会東海支部長等を務める。

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