岐阜県山県市の慈明院、冠に鳥居がある聖観音 2016/7/23

岐阜県にある山県市(やまがたし)の天台宗の慈明院にいってきた。初めて「やまがたし」と聞いたとき、山形県の「山形市」を思い浮かべてしまったが、岐阜県は「山県市」と書く。

慈明院には、以前は岐阜県関市洞戸(ほらど)高賀の高賀神社(こうかじんじゃ)の境内にあった蓮華峯寺(れんげぶじ)に祀られていた聖観音がいらっしゃる。本堂に入って本尊の向って右側の厨子の中に、その聖観音は立っておられる。

元は、慈明院の近くの王沢(現 大沢)にあった観音堂に、聖徳太子が彫ったという子安観音が祀られていた。その観音堂が焼け、その際に子安観音も焼けたので、再建するにあたり蓮華峯寺の聖観音を譲り受けて連れてこられたそうだ。

宝冠に鳥居が付いていてるのが、珍しい。神仏習合をあらわしているらしい。

聖観音は普通は右手は下に下げてることが多いが、こちらのは両手が同じ高さというのも珍しい。

平成16年に現在のご住職が就任され際、この聖観音は手が落ちていた。それで、奈良の元興寺文化財研究所に依頼して修復されたそうだ。もしかしてそのときに手が、変わってしまったのかもしれない。

修復の際、聖観音の体内から瓔珞(ネックス)と金属で作られた誕生仏の胎内仏が発見された。聖観音は平安時代後期作だが、胎内仏はそれよりもっと古いものであるということがわかった。その胎内仏は焼け焦げた跡があり、焼けてしまった聖徳太子作とされる「子安観音」の中に入ってたものではないかということになった。胎内仏は、聖観音の体内に戻され、瓔珞は聖観音につけられた。

足元を見ると台座の左右には、上にたなびくようなカラフルな雲が2つ。これも、神仏習合を表してるそうだ。そういえば、神社では、よく雲の絵が描かれている。

そして、前に小さな馬頭観音が祀られている。ご住職に聞いたところ、元は六観音で祀られていたうちの1体を持ってきたのかもしれないとのこと。昔からこの形式でお祀りされているそうだ。

修復が終わって慈明院に戻られた平成19年に、「子安観音」の胎内仏が入ってるということで、聖観音は「子安観音」として開眼供養された。現在では毎月9日に法要、8月18日夕方6時半から大祭が行われ7時から盆踊りが行われる。聖観音は「子安観音」のとして近隣の方々に親しまれている。

聖観音は、お寺の方がいる際は拝観可能だが、留守の場合もあるのでお電話で確認された方が確実です。

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「慈明院 (じみょういん)」

住所:岐阜県山県市西深瀬1722-1
電話:0581-22-2269
アクセス:JR、名鉄「岐阜駅」から北へ、車で約40分

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プロフィール

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仏像イラストレーター&文筆家

丸の内はんにゃ会(女子の仏教サークル)代表、奈良市観光大使。

子供の頃、仏像好きの叔父に連れられ奈良や京都の仏像を見て歩く。

大人になりひさしぶりに京都の三十三間堂に行き、突然仏像へ恋に落ちる。
以来、全国の仏像に会いに行くようになる。

そして、仏像本や仏像講演やカルチャーセンターの講師をするようになる。

著書には
「仏像、大好き!」(小学館)
「拝んでしあわせ奈良の仏像100」(西日本出版社、「田中ひろみの勝手に仏像ランキング」(メディアイランド)
「クイズで入門 日本の仏像」(講談社+α文庫)、「美しき仏像」(ぶんか社)
「ふらりおへんろ旅」(西日本出版社)
「江戸東京再発見 ぶらりスケッチ散歩」
など35冊。

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