見逃せない新年の天文ショー 2016/12/27

12月3日に南西の夕空で並んだ月と金星。スマホで撮影。

夕方の西天で輝く金星の高度がどんどん高くなり、日没30分後の高度が30°を超えるようになってきた。それもそのはず、いよいよ1月12日には東方最大離角を迎えるのだ。明るさも-4.3等台に達し、いかにも宵の明星らしい華やかな輝きになってきた。

また金星の上には、地球から遠ざかりつつある火星が、0.9等で赤い光を放っている。この二つの惑星の近くを1月1日から3日にかけて新月直後の細い月が通り過ぎて行く。

正月三が日の夕方の南西の空。月と金星と火星が輝いている。

●1月2日 月と金星が並ぶ
1月2日には月と金星が接近する。その間隔は1.4度とけっこう近い。18時ごろ双眼鏡で覗くと、暗くなり始めた空をバックに、月齢3.8の地球照を伴ったしっとりとした月と、ギラギラ光る金星とが、かなり接近して並ぶようすが見られる。

金星の高度は日没30分後で32°、18時でも31度もあるので、ゆったりと月と金星のランデブーを楽しむことができる。バックの空の色がオレンジからダークブルーに七変化する中で見る月と金星の姿は、きっと感動することだろう。

1月2日には月と金星、3日には月と火星がかなり接近して並ぶ。双眼鏡で眺めてみよう。

●1月3日 月と火星が並ぶ
翌1月3日には月と火星が接近する。その間隔はわずか0.7度のニアミスだ。18時ごろ双眼鏡で覗くと、ダークブルーの空をバックに、月齢4.8にやや太った月と決して明るいとは言えないが赤い光を放つ火星とが、くっつくようにして並んでいるようすが見られる。0間隔が0.7度ということは、40〜50倍の視野にも収まってしまうことになり、望遠鏡でもぜひのぞいてみたい。火星の鋭い赤と地球照の柔らかな光芒のコントラストに感動することだろう。

ところで、火星のすぐ近くには、もう一つの惑星がひっそりと光っている。その惑星の名は、海王星。明るさは7.9等なので5cm双眼鏡でかろうじて見える明るさなので、火星のそばで光っていることを知らなければ、まず気が付かない。

1月3日から4日に日付が変わる未明、しぶんぎ座流星群が極大を迎える。条件は最高。

●1月4日未明しぶんぎ座流星群が極大
毎年、新年を祝うかのように華やかに登場するのが、8月のペルセウス座流星群と12月のふたご座流星群とともに三大流星群の一つとして数えられるしぶんぎ座流星群だ。

「しぶんぎ座なんていう星座あったかな?」といわれてしまいそうだが、18世紀の終わりごろフランスの天文学者ジェローム・ラランドが、りゅう座とおおぐま座とうしかい座のあたりの星を結んで作った星座で、正確にはへきめんしぶんぎ(壁面四分儀)座と呼ばれた。1930年に星座の数が88個と決められたとき、幻の星座となったが、この流星群は、その名を残してしぶんぎ座流星群と呼ばれている。放射点はりゅう座ι星の近くにある。

今年の条件はというと、予報では極大時刻は3日23時。日本では、3日夜半前から夜半過ぎにかけて活発な活動が見られる可能性がある。気になる月齢は4.8で、21時30分ごろには沈むので、月明かりを全く気にすることなく観望・撮影に専念することができ、久々の最高の条件だと言える。

新年の観測始めとして3日の夜はぜひともチェックをしておきたい。明け方は相当冷え込むので、防寒対策は完璧に。

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天文研究家

1953年三重県四日市市に生まれる。学生時代は名古屋市科学館山田卓先生の下で天文普及活動に参加。天体望遠鏡メーカーに勤務の後、1992年にフリーとなり星を見上げる楽しさを広めるべく、あさだ考房を設立。

天文・科学雑誌に記事を連載、単行本・プラネタリウム番組シナリオ執筆のかたわら、天文宇宙関連の講演・講座、プラネタリウム解説を行っている。

最近は、生涯教育を意識した、プラネタリウム運営支援、プラネタリウム解説指導にもかかわっている。日本天文学会会員、NPO法人アイ・プラネッツ理事長。

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