日本の停車場は、総数9,909もある! 2017/1/24

「全国駅名事典」は、9,909の停車場を完全収録

誰もが知っている「駅」。通勤・通学で毎日利用している方も多いことでしょう。

でも、一口に「駅」といってもいろいろな駅があります。

誰もが最初に思い浮かべるのが、「電車の駅」ですよね。その「電車の駅」でもJRや名鉄のような鉄道駅もあれば、豊橋鉄道市内線のような路面電車の電停もあります。リニモにも、ガイドウェイバスにも駅があります。

また、一般的に知られていない貨物駅や操車場もあります。貨物列車の荷積みをしたり、列車組成をしたりするところです。さらに、駅と同じように列車が停車するところとして、信号場があります。駅がないところで線路が分岐しているところなどに設けられているものです。

…と、ごちゃごちゃ書きましたが、これらを総称して「停車場」と「停留場」と呼んでいます。「停車場」は鉄道線、「停留場」は軌道線(路面電車)に対するものです。「停車場」の読みは「ていしゃじょう」で、「ていしゃば」の読みは今ではあまり使われないようです。

これら、鉄道と軌道の駅を一冊にまとめた「全国駅名事典」が、昨年末となる12月20日に創元社から発売となりました。駅の総数は9,909で、そのすべてを収録してあります。同書には、企画の段階で筆者が協力したこともあり、その見どころについて今回紹介しようと思います。

各駅の開業日・住所に加えて、単線か複線かといったことも判る。

上の画像は、「全国駅名事典」のなかから、別々の場所にある2頁を並べたものです。左頁がJR東海の中央本線で、冒頭に線区についての概要が記されています。各駅名には読みとともに旅客扱い・貨物扱いの区分を記すとともに、開業日と住所も記してあります。

これら駅名の左側に注目して下さい。縦線が分かれたりくっついたりしていますよね。これは、複線か単線かを表しています。上から見ると、塩尻駅から贄川(にえかわ)駅までは複線ですが、次の奈良井駅までの2駅間は単線。次の2駅間はふたたび複線で、1駅間単線ながらまた複線にもどる…という様子が見て取れます。これは電化線の例ですが、非電化線でも線が細いだけで同じ表示となります。

塩尻駅と多治見駅では縦線から右に出る枝が出ています。これは、これらの駅から分岐する線路があることを示しています。塩尻駅だと、JR東日本の中央本線と篠ノ井線、多治見駅だと太多線が分岐していますから、このような表示となるわけです。

次に右頁を見てみましょう。こちらは中小私鉄のところで、上部に豊橋鉄道市内線(東田本線)、続いて愛知環状鉄道となっています。愛知環状鉄道も単線区間と複線区間が複雑ですが、これを見れば一目でその状態が判ります。

一方の豊橋鉄道市内線は、点線です。これは、軌道線…つまり路面電車であることを示しています。こちらも単線か複線かが判るようになっていて、東田電停〜競輪場前電停間は複線ながら、競輪場前電停からは単線。さらに井原電停では運動公園前までの路線が分岐していることがわかります。

この表示から、例えばJR九州の筑豊本線は、折尾駅〜桂川駅間は電化されているものの、折尾駅〜若松駅間と桂川駅〜原田駅間は非電化区間ということも一目瞭然です。細かいところでは、広島高速交通(アストラムライン)で、地下鉄として造った本通駅〜県庁前駅間は電化鉄道、それ以外は軌道線として点線になっています。

総目次と路線図による目次を備えている

全国の駅を網羅するだけに、目的の駅・路線を調べるのが大変…と思いがちですが、その点も同書は考えられています。A5判という、A4用紙を半分にした大きさですので、手に持ちやすく、さほど重くもありません。568頁もありますが、片手で持てるくらいの重さです。

さらに、上の画像のように、総目次(左頁)と路線図による目次(右頁)があるほか、巻頭には路線目次、巻末には五十音順の駅名目次もあるという親切さです。これらのことから、パソコンの横に常備して、なにかあるとすぐに調べる…という用途に向いています。

実際、筆者は仕事用のデスクトップパソコンのモニター横に常備して、ことある毎に調べています。近年同類の書が発売されていませんが、過去に発売されたものは資料として充実している代わりに大きく重かったり、逆に小さくて情報不足だったりしたものです。その点、実用面で実によい塩梅にできています。

なお、巻末には都道府県別の停車場数集計表や、筆者が担当した「駅・路線に関する日本一」も載っています。

対象の駅は、前述の通り鉄道線・軌道線で、鋼索鉄道と呼ばれるいわゆるケーブルカーの駅も収録されています。一方、索道と呼ばれるロープウェイやリフトについては対象外としています。また、2016年9月末時点でまとめていますので、昨年末に廃止されたJR北海道の留萌線留萌〜増毛間や、今春廃止予定のJR北海道の駅も収録してあります。

この先、大規模な新線開業は当分ないようですが、ローカル線の廃止の話はいろとろあります。そのことを考えると、これだけ多数の駅名を収録した駅名一覧は、この書が最後の発刊となるかも知れません。

定価3,600円+税というやや値の張る書ですが、駅に関するレファレンス本として、お手元に一冊あると便利ですよ。

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(有)鉄道フォーラム 代表取締役

1958年愛知県犬山市生まれ。大学卒業後に10年のサラリーマン生活を経て、当時話題だったパソコン通信NIFTY-Serveで鉄道フォーラムの運営をするために脱サラ。1998年に(有)鉄道フォーラムを設立。2007年にニフティ(株)がフォーラムサービスから撤退した際に、独自サーバを立ち上げて鉄道フォーラムのサービスを継続中。

一方、鉄道写真の撮影や執筆なども行い、「日本の“珍々”踏切」(2005.2 東邦出版刊)、「鉄道名所の事典」(2012.12 東京堂出版刊)、「トワイライトエクスプレス」食堂車ダイナープレヤデスの輝き−栄光の軌跡と最終列車の記録−(2015.9 創元社刊)など著書多数。

当「達人に訊け!」をまとめた書「東海鉄人散歩」(2018.7)が、中日新聞社から刊行された。

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