次は19年後! 4月1日に見られる天体現象「星食」とは? 2017/3/13

おうし座の顔に当たる部分のV字型の星の集まりヒヤデス星団で光る1等星アルデバラン

冬の代表的星座のおうし座も、春の訪れとともに西の空へと傾いてきた。おうし座は、大神ゼウスが変身した牡牛だ。この牡牛の顔に当たるところに星がV字型に集まっているが、これをヒヤデス星団と呼び、そこにはオレンジ色の1等星アルデバランが輝いている。

アルデバランは、太陽の見かけの通り道である黄道の近くの星なので、ときおり月に隠されることがある。月が星を隠す現象を星食または掩蔽と呼んでいる。そんな珍しい現象が、4月1日土曜日の宵に起こる。
 

4月1日、月は西から東へとゆっくり動いてアルデバランに近づいてゆく。

月がヒヤデス星団に接近するのは、4月1日の午前11時ごろ。その後ヒヤデス星団のVの字の南側の星を隠しながらアルデバランに近づくわけだが、残念ながら今回は昼間の現象になってしまうので見ることはできない。

そしていよいよ月がアルデバランに達するのが、日没のころだ。名古屋では日没27分後の18時41分に食が始まる。この時はまだ空は暮れていないので、双眼鏡や望遠鏡があるといいだろう。

アルデバランが月に隠れる時の高度は47°、出てくるときは33°ととても見やすい高度だ

名古屋では、18時41分に月齢4.3の月の東側の欠けて見えない部分から潜入する。空が暗ければ月の欠けて見えない部分も地球照でぼんやりと見えるのだが、今回はまだ空が明るいので地球照が見えるかどうかきわどいところだ。出現は、1時間10分後の19時51分、月の明るく輝く端から現れる。この時の月の高度は約33度。

名古屋では18時41分に月の後ろに隠れ(潜入)、19時51分に月の後ろから出てくる(出現)。

アルデバランに限らず恒星の食は、瞬間的に月に潜入したり出現するので、観望する際は、遅くとも10分前から、双眼鏡や望遠鏡に月とアルデバランを捉えておこう。

実はアルデバラン食は一昨年前からときおり起こっているのだが、数年間続いたアルデバラン食シリーズも、そろそろ終わりに近づいてきた。次に訪れるのは19年後だ。そんな状況での、まれに見る好条件のアルデバラン食なので、見逃さないでおこう。

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天文研究家

1953年三重県四日市市に生まれる。学生時代は名古屋市科学館山田卓先生の下で天文普及活動に参加。天体望遠鏡メーカーに勤務の後、1992年にフリーとなり星を見上げる楽しさを広めるべく、あさだ考房を設立。

天文・科学雑誌に記事を連載、単行本・プラネタリウム番組シナリオ執筆のかたわら、天文宇宙関連の講演・講座、プラネタリウム解説を行っている。

最近は、生涯教育を意識した、プラネタリウム運営支援、プラネタリウム解説指導にもかかわっている。日本天文学会会員、NPO法人アイ・プラネッツ理事長。

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