韓国と日本の「入浴文化」の違い〜その8〜【後編】 2017/3/12

3/11(土)「韓国と日本の「入浴文化」の違い〜その8〜【前編】」続き

前置き長かったけど、今回のテーマは「飲み水」ではなく「入浴」ね!!

約10年ほど前の「某雑誌」に「朴」の顔見知りである亡き「○○氏」のことが連載され、懐かしい気持ちで読んでみると、「○○氏」+「○○氏の父親」+「○○さんの祖父(李夏榮)」三代物語だったの。朝鮮半島の「入浴事情」にチョイ関連する箇所を「抜粋+翻訳」し紹介するね。

「이하영イハヨン李夏榮」(1858〜1929)
朝鮮半島の慶尚南道「동래東来(現在の釜山)」生まれ。没落した「両班」の子孫で貧しい農民の子として成長。両班階級に卑しいと思われていた「商売」で社会に出て、「子福餅の行商」などをする。

学歴無き人物だが、公使館の書記官・駐日本国特命全権公使(1897年)・外部(務)大臣・法部(務)大臣を務める。「韓日併合時代」に日本から「子爵」位を与えられた。朝鮮半島の様々な利権を日本に与えた事で韓国では「親日反民族行為者」に選定されてる。

「Horace Newton Allen☆H・N アレン」(1858-1932年)
朝鮮時代最初の宣教師。アメリカから医療宣教師として中国に派遣されたが、派遣先を変更してもらい、1884年9月に朝鮮にやってくる。無名の医療宣教師であったアレンは「閔泳翊」を治療したのをきっかけに、「高宗(26代国王)」と親密な関係を築き、朝鮮国初の近代的病院の医師として働いた。1890年からは外交官に変身。駐朝鮮米国公使館書記官、特命全権公使へと出世街道を走る。

≪釜山の日本人が経営してるお店で長年働いていた「李夏榮」は独学で日本語を覚え、それまでの蓄えを持って1884年来日するが、友人にお金を持ち逃げされる。絶望に陥り、釜山に帰るしかなかった彼は、同年9月長崎から釜山を経て仁川に立ち寄る「南京号」の船上で希望に満ちて朝鮮を訪れる米国人医師「アレン」に出会う。

「李夏榮」は釜山に帰らず、朝鮮の米国公使官の無給医者となったアレンの調理師になる。調理師を務める間、彼はアレンから英語を学び、アレンの「料理+通訳」を担当することとなる。≫(抜粋+翻訳(1))

≪1884年、「明成皇后(閔妃)」の一族で当代の朝廷の最高権力者と言われる「閔泳翊」が、親日的急進開化派からの刺客に襲われ重傷を負った際、たまたまアレンが彼の治療に当たり、命を助けたことが高く評価され、アレンは朝鮮に赴任してわずか三ヶ月で「御医(王家の治遼医)」に任命される。

アレンの要請により、朝鮮国初の近代的な病院「済衆院」が設立され、アレンは病院の経営を兼ねた医者、「李夏榮」は病院の書記官を務める。アレンが「御医」の資格で宮殿に入り王の治療を行う際、王への通訳が必要。それ故、「李夏榮」が宮殿に出入りできるように「高宗(26代国王)」からの正式な官職が「李夏榮」に下される。≫(抜粋+翻訳(2))

アヘン戦争の敗北により、英国と清国(中国)の間に「南京条約」が結ばれたのは1842年。この戦争で西洋の軍事力を知った日本はパニクって、米国から通商を求め「浦賀沖」に来航した黒船をきっかけに「日米和親条約」を締結したのは1854年。

一方、1636年に清国からの侵略(丙子胡亂)、1592年と1597年に日本から2度に亘る侵略(壬辰倭亂・丁酉再亂☆文禄・慶長の役)を受けたことのある朝鮮国は、19世紀後半から度々朝鮮半島にやって来てやっかいな問題を起こす黒船にマイナス的なイメージを持ち、欧米諸国とは国交を結ばず、鎖国政策を採っていた。

だが、清国を介し、通商を求めてきた「美国(米国)」と1882年に「朝・美(米)修交通商条約」を結ぶことになる。(この条約は朝鮮国における欧米国との最初の修交である。)

「朝米修交通商条約」後、1883年5月米国から「初代全権公使」が「漢城」に赴任。「大韓帝国(朝鮮国)」からは1887年9月「박정양(パクチョンニャン)朴定陽」が「初代駐米全権公使」に任命され、「アレン」には「公使館外国人顧問」、「李夏榮」には「公使館書記官」の肩書が与えられ、全部で11名と成る「朴定陽公使」一行は1887年11月に「仁川港」から船に乗り、米国に向かう。

アレンは朝鮮滞在時又は朝鮮関連任務遂行時に見聞した約20年間の記録を残してる。韓国発情報によると、アレンは個人的には「朴定陽」を尊敬し、彼が帰国後1908年に出版した『Things Korean☆朝鮮見聞録』では、

≪たとえ、外国語ができなくても、変った「도포(トポ)道袍☆民族衣装の一つ(外衣)」を着ていても、誰もが紳士になれる。朝鮮にも「朴定陽」のように上品な人々がいる。≫

と記し、アレンは「朴定陽」を知れば知るほど尊敬するようになり、彼を「養父」と呼び、「朴定陽」が田舎の役人を務めることになった際には、田舎まで訪れて行っただけではなく、王に彼を総理として推薦したとか!

ところで、「朴」をムッとさせるのは「朴定陽」公使一行と渡航中に、アレンが受けた印象についての日記の一節。

≪公使の「随行者一行」は絶え間なくタバコを吸い、彼らの船室では身体を洗ってない耐えられない体臭と洗濯してない服からはトイレのような凄い臭いがした。でも彼らと同行してる「李夏榮」&「李完用」この2人によって一行の悪いイメージがカバーされた。「朴定陽公使」の部屋へ毎朝ご機嫌伺いに行ったが、臭くて長くは居られなかった。≫(抜粋+翻訳(3))

≪あ〜、ちょ―ムカツクな〜(≧ヘ≦)ムゥ〜≫

「이완용(イワンヨン)李完用」は、朝鮮末期(大韓帝国を含む)の政治家。「韓日併合時代」に日本から「子爵」位を与えられた。朝鮮半島の様々な利権を日本に与えた事で韓国では「親日反民族行為者」に認定されており、「売国奴」の代名詞となってる人物。「이하영(イハヨン)李夏榮」は、朝鮮半島の「부산(プサン)釜山」の日本人の商店店員出身であり、「韓日併合時代」に日本から「子爵」位を与えられた人。

アレンは「医者」という仕事の性質上、一行の事を「衛生・清潔面」から観察してたようだが、日本人の「入浴習慣」を身に付けていた可能性の高い「李完用」&「李夏榮」によって「随行者一行」の悪いイメージがカバーされたと述べてることに「朴」は興味を惹かれる。

朝鮮時代の統治記録『承政院日記』そして、王の24時間を記録する『内殿日記』によると、王は「3日〜7日」に一回乃至「15日」に一回の頻度で「入浴」したみたい。アレンの日記から朝鮮時代の高位官僚達は入浴を日常化してなかったことが容易に推定できる。

でもでも、西洋人の観点からの「ジェントルマン(gentleman)☆紳士」が存在しなかったような朝鮮時代の伝統社会。洗ってない凄い体臭がして耐えられないと言っていながらもアレンは、「朴定陽」を立派な人格者であり、真の紳士であると彼の「人柄&精神」(非物質的・知的な面)を高く評価している\(^▽^)/

「朴定陽の肖像」米国でもこのような服装で…… 写真出典:「フィラデルフィア」

話はちょっぴり逸れるけど、公使一行がワシントンに渡った一年後である1888年に清国の干渉により、公使一行は朝鮮半島へ召喚されることになる。公使館で一人ぼっちになった学歴無き「李夏榮」に「公使」の肩書が与えられる。ついてるわよ〜!!「外交部」末端2年次職員なのに〜♬

出会いで人生すっかり変わっちゃうね。身を滅ぼす悪しき出会いもあれば道を拓く良き出会いあり。運も実力の内?ところで、運を引き寄せるのは才能?それとも、日頃の行いや努力による結果?

≪運が巡ってきたとき、それをすかさず捕まえられる人はいつも準備万端≫

だってさ!!頼りない「李夏榮」の英語力だったかも知れないけど……今風に言えば「ネーティブスピーカー☆native speaker」に「one-on-one(1対1で)」レッスンを受けたお陰だよね?!

本題に戻り、1653年に朝鮮半島の南にある済州島で難破し、鎖国時代の国法により朝鮮国から出られなくなったオランダの乗員36人。抑留されてから日本へ脱出するまでのおよそ13年間朝鮮国で見聞した事を、難破生存者のうちの一人である「ハメル」が記録した『ハメル漂流記(朝鮮幽囚記)』

この本はハメルが属していた東インド会社に提出されたレポートだが、西欧人の体験に基づく初の朝鮮見聞録。内容的には朝鮮の軍事・刑制・官僚制・家屋・産物・商業・朝鮮半島への航路などであるが、朝鮮国の「不潔さ&体臭」については全く無反応!!♬〜何でだろう〜♬〜何でだろう〜♬

朝鮮時代末期に訪朝した欧米人の多くが朝鮮に対する第一印象として取り上げたのはインフラ不備による「不潔さ+悪臭」。欧米人であるハメルが訪れてた時代の朝鮮半島の人々はしょっちゅう入浴してたかなあ〜。それとも、ハメルって観察力の低い鈍感なタイプ??いやいや、ハメルの生きた時代の欧米は朝鮮半島同様、インフラ不備による「不潔さ+悪臭」の時代であったからと思うのが自然だよね?

ヨーロッパ諸国で「入浴習慣」が姿を消した理由は大きく分けて2つあると言われており、

(1)宗教的な理由:ローマ帝国が滅びた後、ストイック(禁欲的)な生活を求め、入浴を控えるキリスト教(カトリック)のルールにより、社会の秩序が守られてたこと。

(2)医学的な理由:14世紀半ば以降大流行し、ヨーロッパ人口の25%の命を奪ったと言われてる「ペスト」は≪入浴により開いてしまった毛穴から菌が体内に入り込む≫との研究者の発表による。

入浴しないことに価値を置く「宗教観+医療観」から生じる「体臭」を消すための香水や汚れを隠すための化粧品産業がボロ儲けする時代へ。そればかりか、中世のパリやロンドンでは人口が急増するものの、下水溝・トイレ・ゴミ収集場など衛生インフラの不整備により、動物や人間の屎尿、様々なゴミが街路に投げ捨てられ、街中には悪臭が漂い、その汚物は地下に浸み込み、井戸などの生活用水を汚染させ、非常に不潔でチョー臭かったらしい。

ちなみに、この劣悪な衛生環境が19世紀前半ヨーロッパを襲ったコレラの重要な感染源となったらしい。

コレラは非衛生的な生活環境が重要な感染源であり、生水や非衛生的な食べ物による経口感染であることが判明。「生水&排泄物」の管理がコレラを予防する近道と考えたヨーロッパでは「川・泉・井戸」の代わり、近代的な上水道が設置されると共に、下水道・トイレなどのインフラ整備が急速に進められる。これ、19世紀後半の話なんだけど、キリスト教社会を含むヨーロッパ諸地域で「入浴習慣」が復活するのもこの頃から。

「朴」を始めとする「不勉強」な人、そして、観念的・閉鎖的・保守的な人は、たかが100年前の自国の事を知らない。到底文明都市とは思えない自分の「両親&祖父母」が生きた時代の公衆衛生環境のことは知らず、「浄化・衛生化・美化」のためのインフラが急ピッチで改善された頃の欧米諸国から訪朝した人の多くは、如何にも朝鮮国が非衛生的で遅れているか、そんな話ばっかり。「★自国のことは棚に上げて★」……全くもう。(`ヘ´#) ムッキー

井戸の水は万病の源である「毒薬」と言われ、1903年12月にアメリカ人に大韓帝国(朝鮮国)政府から上水道敷設権が与えられたが、アメリカ人がそれをイギリス系水道会社に譲り、1908年8月に朝鮮初の近代的な水道が完成。

万病の治療薬「薬水」と言われてた水道水はもはや、万病の源っぽくイメージさせられ、あの辺の国からわざわざ輸入してくるペットボトル入りの天然水が飛ぶように売れ、自宅まで水を運んでくれてたあの時代の水売り爺さんとはチョイ違ったスタイルの水商が朝鮮半島に再登場。

人間中心の「哲学」が重視されてた古代ギリシャ・ローマ時代に盛んだった「入浴習慣」は、神中心の「神学」が重視されてた中世ではタブーとされ、実証的知識体系の「自然科学」が重視される現代では再び根を下ろす。

「天動説」を否定し「地動説」を唱えたガリレオが罪人扱いされたが如く、過去の真理は修正され、今日の「誤謬(ゴビュウ)=間違い」となり、それは又修正され、将来には真理となり……

でもね、近代的水道施設のなかったあの時代、皆があまりお風呂に入らなかった頃の朝鮮半島の山河の方が、今よりウ〜ンと清く美しかったんだよ〜ん。「朴」は見ることできなかったけどさ〜(*^-^)〜。

エネルギー不足や地球汚染による「入浴=悪徳」の公式が成立する時代、又巡ってくるわよね?きっとね!

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韓国ソウル出身。韓国国会事務局退職後、1988年来日。大学で高等学校教諭1種免許(国語)取得。大学院で日本文化専攻。

名古屋市の官公庁などの翻訳・通訳人として活躍後、大学や名古屋市内の生涯学習センターなどで「コリア文化」に関する講座を担当。

現在は愛知大学、中京大学、中日文化センター、愛知大学オープンカレッジなどで韓国語講師をつとめる。

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