親子で楽しむ運転士・車掌体験[リニア・鉄道館] 2017/3/17

リニア・鉄道館では、運転などが楽しめる「シミュレータ」も見逃せません。それも、JR東海が運営する同館ならではのこだわりの内容に、親子で楽しむことができる工夫もされています。

新幹線の運転体験ができる「新幹線シミュレータ[N700]」。

JR東海といえば、東海道新幹線のN700系ですよね。そのN700系の実物大運転台モックアップ内で、実物同様な機器を使って運転体験できるのが、「新幹線シミュレータ」です。

「新幹線シミュレータ」室に入ると、照明を落とした広い室内に運転台のモックアップがあり、その前方には10m×3mもの大型曲面スクリーンがあります。運転席に座ると、このスクリーンが視野いっぱいに広がるので、とても臨場感があります。

運転席周りの機器類はもちろんのこと、座席も本物と一緒! プロの運転士になりきっての運転体験ができます。しかも、シミュレータ経験値によって見習い編・練習編・達人編とレベルアップしていくことが可能で、達人編ともなると、実際に東海道新幹線を運転しているプロの運転士と同様な条件での運転ができるそうです。

もちろん、最高速度は時速285キロ。リニア・鉄道館の開館時から東海道新幹線の最高時速は270キロでしたが、昨年3月のダイヤ改正で時速285キロの列車が登場したことから、リニア・鉄道館のシミュレータもその際に改良しているのです。

この運転台で、1回15分間も臨場感と迫力を体験できるのですが、同行者についても配慮されています。上の写真をみてのとおり、モックアップの後方にスペースがあるのです。ここでも運転台の画面と同じ映像が映し出されるモニターが見られ、運転速度もわかるのです。もちろん前方の大型モニターを斜め後方から見ることもできます。

新幹線シミュレータの運転操作体験は抽選制です。入館時にもらえる「ガイドマップ(抽選制シミュレータご利用案内)」についてくる抽選券を、抽選箱に入れて応募します。1日6回の受付−抽選がありますので、希望する時間に申し込みましょう。なお、午後の遅い時間帯が比較的すいているようです。
抽選結果は、ガイドマップに記載されたシミュレータ抽選番号でイベント広場に掲示されます。当選すると1回500円を支払い、指定された時間に「新幹線シミュレータ」室に行くことになります。

在来線シミュレータは運転と車掌の2種類

JR東海の在来線を楽しむことができる「在来線シミュレータ」もあります。しかも、運転シミュレータに加えて、車掌シミュレータもあるのが、リニア・鉄道館ならではの特徴です。

運転シミュレータは211系4台、313系4台の計8台もありますので、先着順で楽しむことができます。上の写真の中央下部に写っている自動券売機で1回100円の利用券を買って、列に並ぶという方法です。抽選に参加する必要はなく、すいていればその場ですぐに運転体験ができるという手軽さです。

「車掌シミュレータ」は、313系の実物大モックアップを使用する大掛かりなものです。乗務員室扉から出入りして、安全確認をしながら客室扉を扱うことになります。その際には指差確認と喚呼が必要になりますが、係の方が親切に教えて下さいますので、心配はいりません。

運転台のある実物の乗務員室扉を出入りしたことがある方は多くないでしょう。客室扉に比べて、意外に狭いものなのだなということも知ることができます。一度体験すると、電車に乗り降りするときに、お客様の安全を考えた車掌さんの動きがそれまで以上に気になるようになるかも…

なお、「新幹線シミュレータ」同様に1台だけです。そのため抽選制となり、当選すると1回500円の料金が必要なのも「新幹線シミュレータ」と同じです。

山梨リニア実験線を、抽選なしで名古屋で体験できる!

体験型として異色なのが、「超電導リニア展示室」にある「ミニシアター」での時速500キロ疑似体験です。

東海道新幹線の最高時速は前述のとおり285キロですから、それよりもはるかに速い時速500キロはどんな世界なのか、みなさん興味がありますよね。山梨リニア実験線では、期間限定で毎年その有料体験を実施しています。ところが、かなりの人気で抽選制です。

その模擬乗車体験が、リニア・鉄道館でできるのです。座席は、山梨リニア実験線で走るL0系と全く同じもの。モックアップも同車両と同じ大きさの内装となっています。座席に座ると、正面にモニター、座席脇の小さな窓には車外をイメージした映像が映ります…といっても、中央新幹線はほとんどがトンネル内なので、映像はきれいな景色ではなくトンネル内の照明なのですが。

やがて走りはじめると、座席が小刻みに振動します。さらに速度が上がると、フッと浮いた感じになり、明らかに振動が変わります。これが、ゴムタイヤ走行から超電導リニアモーターによる浮上走行に変わった瞬間です。窓の外の照明は、最初、光る線が後方に流れ去るように見えていたのが、速度が上がったことで次々に通過する照明が一筋の線になって見えます。

この500キロ模擬体験は所要時間約5分、しかも高頻度で行われていますので、並べばすぐに見られることが多いです。

ミニシアターのある「超電導リニア展示室」には、超電導リニア技術を体験を通じて理解する装置や、山梨リニア実験線の概要を紹介した展示、それに超電導リニア技術の歴史など、リニア・鉄道館ならではの展示があります。

2027年の超電導リニア方式による中央新幹線開業予定まであと10年。その最先端の技術をここで学んでおくと、関連ニュースがより理解できるようになります。

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(有)鉄道フォーラム 代表取締役

1958年愛知県犬山市生まれ。大学卒業後に10年のサラリーマン生活を経て、当時話題だったパソコン通信NIFTY-Serveで鉄道フォーラムの運営をするために脱サラ。1998年に(有)鉄道フォーラムを設立。2007年にニフティ(株)がフォーラムサービスから撤退した際に、独自サーバを立ち上げて鉄道フォーラムのサービスを継続中。

一方、鉄道写真の撮影や執筆なども行い、「日本の“珍々”踏切」(2005.2 東邦出版刊)、「鉄道名所の事典」(2012.12 東京堂出版刊)、「トワイライトエクスプレス」食堂車ダイナープレヤデスの輝き−栄光の軌跡と最終列車の記録−(2015.9 創元社刊)など著書多数。

当「達人に訊け!」をまとめた書「東海鉄人散歩」(2018.7)が、中日新聞社から刊行された。

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