達人に訊け!
金憲鎬(キム・ホノ)作陶の色鮮やかなオリジナル聞杯 2017/3/30
いつもありがとうございます。
早いもので桜の季節になりました。と同時に花粉症の季節でもありますね。珈琲教室の生徒さんに達にも、花粉症で珈琲の豊かな香りが香らない方が多くいらっしゃいます。
11月から始めた「聞珈杯」のサービスは大変ご好評を頂いています。特に、「珈琲の香りは心筋梗塞に効果あり」という謳い文句が年配のお客様にはまりまして、粉を持って帰る人も多くいらっしゃいます。
聞珈杯については以下をご参照下さい。
【聞珈杯】(もんこーはい) 2016年12月7日
昨年、古くからのお知り合いで、珈琲をお飲み頂くお客さんでもある、瀬戸市の陶芸家「金憲鎬(キム・ホノ)」さんが来店されました。そこで、さっそく聞杯を提供したところ、いたく気に入っていただきました。
私は、ちょうどオリジナルの聞杯を作って提供したいと思っていましたので、「このタイミングでキムさんが来店されたのは何かの縁だ!」と勝手に感じ、ちょっと冗談っぽく「キムさんに聞杯を頼んだらお高いでしょうね?」と小声で話しました。キムさんは笑って、「面白いですね。創ってみましょうか?」といわれてお帰りになりましたが、半分は気をつかっての冗談とも思っていましたのですっかりそのことを忘れていましたら、2か月後に、「作ってみましたが、気に入っていただけるか心配です」といって来店くださいました。
全部で27個、包紙から一つ一つ丁寧に剝がして出現した聞杯の、なんと素晴らしい事!ロクロでひいて、香りが集中するように口に向かって細くなっていて、手書きのデザインが金デザイン、金スタイルの素晴らしい聞杯になっていました。一目見ただけでキムさんの作品と分かる聞杯に仕上がっていました。
余りの素晴らしさに言葉が出ませんでした。「素晴らしいですね!ところでおいくらになりますか?」と聞いたところ、「お金を頂こうと思って作りませんでしたので、要りません!」と・・・・。
いくら御好意といっても頼んだのは私ですし、相手は全国でも超有名な陶芸家ですので、私は「これは頂くわけにはまいりません!ちゃんとお支払いいたします」とお話しいたしましたら、「いえいえ!ではコーヒー豆と交換でよろしいです!」とのお言葉。
私は「キムさんの御好意はありがたく頂きますが、やはりお支払いさせてください」と強く言ってようやく受け取っていただきました。キム・ホノさんありがとうございました。
現代陶芸の代表といっても良いこの作品が、何百年と歴史のあるマイセンやロイヤルコペンハーゲンなどのトラディショナルなカップとマッチングするのかどうかと心配いたしましたが、まったく問題ありませんでした。
芸術レベルの高いもの同士は時代を超えてもお互いに良さを引き出し共鳴するのですね。改めて陶芸の奥深さを感じた瞬間でもありました。
早速、キムさんの聞香杯にチェンジしようと思いましたが、余りにも貴重で素晴らしいため、「割られたらどうしよう」などと考えてしまい、なかなか踏ん切りがつかず、いまだにチェンジしていません。
このブログが出る時にまでにはチェンジすることになると思います。じつは、ブログに書くことによって、どうしても出さなければいけない状態を自らつくりたかったのかもしれません(笑)
とても素敵なキムさんの聞杯。珈琲の三種類の香りと世界の名窯コーヒーカップと世界のコーヒーと共に楽しみに来てください。
《金憲鎬(キム・ホノ)プロフィール》
・・・わ!かった陶芸・・明窓窯ブログより抜粋
@ 経歴
1958年 愛知県瀬戸市生まれ。
1977年 愛知県 窯業高等職業訓練校を修了後、瀬戸の窯元に勤務。
1982年 瀬戸に窯を築き独立。
1985年 新栄画廊(名古屋)で[土・皿・瓶]展の個展を開催します。
・以後個展も多数開催します。くらしの器栗本(名古屋)、現代陶器華山(東京)、part1
・<おりべ>、part 2<こひき>(銀座黒田陶苑)。その他福岡、浜松、岐阜などで多数。
・受賞暦:日本陶芸展(前衛の部)入選 。日本伝統工芸展入選 、八木一夫賞陶芸展入選。
・朝日陶芸展入選。 中日国際陶芸展入選 、国際陶磁器フェスティバル美濃86入選。
・東海伝統工芸展入選 。長三賞陶芸展 新人賞 、その他多数の受賞 歴。
・2011年「金 憲鎬 陶展」(JR名古屋高島屋美術画廊)
A金氏の陶芸
「豪放さと繊細さを併せもち、野趣に富んだ個性的作品」とも紹介されています。左右対称ではない、アンバランスの作品を意図的に作って、楽しんでいる様な作品も多い様です。その為、使い勝手が悪い作品もありますが、若い人たちには、人気の作家と成っています。アンバランスの作品とは、轆轤挽きした本体に、別に轆轤挽きした高台部分を、中心をずらして、接着するなど色々工夫しています。
作品によっては、独特の造形センスで実用性よりも、「オブジェ」的要素の強い作品もあります。作品は主に茶碗、皿、コーヒーカップ、マグカップ等の食器類や花瓶、壷などが多いです。これらは、ある程度実用性を考慮して作られています。
近年、彩色転写の技法で、鮮やかな、青や緑、グレーを発色させた、湯呑、茶碗、鉢、酒器、などを発表しています。
B2015年
『大坊勝次さんの著書『大坊珈琲店』に文を寄せられている陶芸家金憲鎬(キム・ホノ)さんと大坊勝次さんの対談集『大坊珈琲の時間』が自由空間より出版。
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プロフィール
日本コーヒー文化学会 理事、日本スペシャルティーコーヒー協会会員(SCAJ)、SCAJ公認 コーヒーマイスター(NO.169)、前・金沢大学講師 (文部科学省公認)
1977年岐阜県瑞浪市に「待夢珈琲店」開店、コーヒーの歴史書や専門書を読みあさり、独学で焙煎を覚え、自家焙煎の珈琲専門店をスタートさせる。
その後、世界のコーヒー産地を自らの足で回り、納得のいく優良な豆を買い付け、良質で新鮮な体に良いコーヒーを提供しています。
また、現在、中日文化センターの珈琲教室をはじめ、基礎クラスから専門クラスまで12講座をこなしています。
産地歴訪はエチオピア3回、イエメン4回、ブラジル、インドネシア、ケニア、タンザニア、ペルーなど。
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