言葉の使い方 〜45年間友達がいない男性の話〜 2017/4/5

ようこそおたずねくださいました。全国でも桜が咲きはじめましたね。桜を見ると、何かのスタートを予感させてくれる花でもあります。しかし、新たな気持ちになれる人、逆に人間関係で落ち込むこともあります。

●先輩として後輩を厳しく躾けたつもりが、相手を傷つけた。

●分かってもらおうと思って言った言葉が相手の反感を買った。

●そんなつもりではないのに、相手を怒らせた。

先日、Tさんという男性から「私は45年間生きてきて、友達がいないのです。なぜでしょうか?」というメールをいただきました。なぜいないの?と投げかけることはとても大切なのです。

やはり心の奥底で、寂しいとうったえているからです。私は、「言葉がきつい」と言われたことはありませんか?と返事をすると、「昔、幼馴染からも言われました。」と返事がきたのです。仏教では「口の業」というのがあるよと教えてくださいます。

口の業の中でも「 綺語(きご) 」という言葉があります。心にもないお世辞をいって相手をその気にさてしまうということです。何か利益を得るために、思ってもない言葉をかざりたてて相手を騙すということです。

次ぎに 「 両舌(りょうぜつ) 」です。「二枚舌」ともいわれ、仲のよい人の間を裂いて、仲悪くするようなことを言うこと。

「 悪口 (あっこう)」とは、相手をいろんな方法をとって中傷したり、今ではネットでワル口を書き込みしたりする人のこと。

口は災いの元ではありませんが、口から出したために相手を傷つけることがあります。言ったほうは、自覚がなくても、言われたほうは、死ぬまで忘れられないもの。不用意に言った言葉が、どれだけの人を苦しめ傷つけているのか考えないといけません。すると相談いただいたTさんは、気がつかない内に相手を傷つけていたのかもしれません。

★言葉は使い方

昔昔、ある夏の日の事です。

ある村のおじさんは旅の途中で疲れてしまい、宿(やど)に泊まりました。ところが、この宿屋にはノミがたくさんいて、とても眠れませんでした。しかも、帰りもこの宿に泊まらないといけません。なんとか対策をたてなければならないのです。次の朝、店先にいた宿の女将に言いました。

旅人「あなたの宿はもったいない事をしてますな」
女将「それはまた、何の事で?」
旅人「いや、ほかでもないが、わしの村では、薬屋がノミを買い集めておるのだよ。しかも高値で買い取ってくれるそうだ。それなのにお前さんのところでは、高価なノミがおるのに、なんでお売らないのか」
女将「お客さま。ノミが薬になるとは本当ですか?」
旅人「ああ、なるとも、なるとも」
女将「いったい、何に効くのですか?」
旅人「痛み、切りきず、ふき出もの、やけど、鼻づまり。何でも効んじゃ」
女将「ぜひ、家のノミも買うてほしいな」
旅人「ああ、いいともいいとも。私は旅の帰りに、また宿にくるのでそれまでに精を出して、たんと捕まえておくれ。私の村ヘ持っていって、売ろう!」

そういって、旅人は宿を出ました。さて、それから数日後、旅人じいさんがこの宿にきて泊まると、ノミは一匹もいません。女将さんがよほど精を出して取ったらしく、お陰で、ぐっすりとねむることが出来ました。

翌朝、宿を出ようとすると、女将は「お客さま!ノミをたんまり捕まえておきました。どうぞ、これを売ってほしい」と、紙袋を差し出しました。

旅人「これはお見事。これだけの数をお取りなされたな。そこでな!ノミは二十匹ずつ、ちゃんと串にさしておいてほしいのじゃ!一串、二串と数得ないと、商売にならないからな。近いうちにまたくるので、串にさしててください。じゃあね」

そう伝えると、旅人じいさんは、とっとと宿を出て行きました。その後、旅人じいさんがこの宿に来ることはありませんでしたが、ノミのいなくなったこの宿は、それからとても繁盛したそうです。

どう感じましたか?もし旅人じいさんが、きつい人だったら「眠れなかっただろ!金かえせ!」というところでしょう。しかし、旅人じいさんは、女将が積極的になれる言葉を選らんだのです。あとで宿の女将さんは「そういうことだったのか?」と気がついてくれたら、旅人じいさんの優しさが伝わってくるのでしょうね。

一つの言葉で喧嘩して
一つの言葉で仲直り
一つの言葉は「心をもっている」

どうせなら、相手の身になった、活かしあえる言葉をかけたいですね。


●川村妙慶の心が笑顔になるラジオ

心がほっとできる言葉をお届けします。

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全国からラジコでも聞けます。
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プロフィール

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真宗大谷派僧侶・アナウンサー

京都在住(福岡県出身)
20歳で真宗大谷派(東本願寺)の僧侶となる。と同時に社会経験をと、関西を中心にアナウンサーとして活躍。

15年前から立ち上げたHPでは
2007年ヤフー人名検索1位になり話題になる。「川村妙慶の日替わり法話」は一日3万件のアクセス。

現在 中日文化センター「心が元気になる講座」講師。

NHK京都、大阪文化センター講師。FBS読売文化センター講師。KBSラジオ「ほっかほっかラジオ 妙慶のちょっといい話」レギュラー。

産経新聞「明日へのヒント」・京都新聞「暖流」日経ヘルスプルミエ
連載中。

全国へ講演で回る。また著書も多数出版。

近著に「女の覚悟」講談社・「大丈夫!何とかなるから 」KKベストセラーズ、「妙慶の怒りをおさめる35の話し」こう書房 他

☆川村妙慶のテレフォン法話
075-431-7603(なむあみ)

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