【お悩み相談その37】約束を破って部屋をのぞいたのはまずかった? 2017/5/7

ある日の図書館での出来事です。

館内に携帯電話の呼び出し音が鳴り響きました。音が止まるや、今度は中年男性の大きな声が。「もしもーし! 今、図書館にいるから大きな声で話せないんや!」

いや、十分大きすぎるだろ!と、あちこちで小さな笑い声が聞こえてきました。

それでは、お悩み相談その37です。

〔悩み〕
私が部屋をのぞいたために、はたを織っていた鶴は飛び去っていきました。それ以来、おじいさんはすっかり元気をなくし、夫婦仲も悪くなりました。私のやった行為は、やはり間違っていたのでしょうか?(ミヨ 年齢不詳・「鶴のおんがえし」のおばあさん)

〔回答〕
鶴は確か、こう言ったのですよね?「私がはたを織っている間は、絶対に部屋をのぞかないでください」。

しかし、そんなことを言われても、部屋をのぞかなければ、はたを織っているかどうか分かりません。あなたがのぞいて確かめたくなったのも、無理からぬ話です。もしも鶴がその旨を徹底しておきたかったのなら、部屋の入り口にこう掲示しておくべきでした。「ただいま、はたの製作中です。盗み見禁止。のぞくな危険」と。

しかし、あなたがずっと部屋をのぞいていなかったら、きっと鶴は衰弱死していたに違いありません。これではいったい何のために、おじいさんがワナから助けてやったのか分かりませんよね。そう考えると、あなたは鶴にとって命の恩人なのです。まだ飛ぶ体力が残っているうちにのぞいて(救助して)やって、本当に何よりでした。

約束を破られたと思ってカッとなり飛び去っていった鶴も、きっと今ごろはあなたへの感謝の思いを強くしていることでしょう。いつか再び、鶴は恩返しにやって来るに違いありません。おじいさんにもそのことを伝え、その日が来るのを楽しみに待ちましょう。

しかし、余命を考えるとそんなに長く待てそうにないということであれば、おじいさんにワナを作ってもらい、「二匹目のドジョウ」ならぬ「二羽目の鶴」を狙う手もあるかもしれませんね。

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プロフィール

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お笑い作家

「寒」いギャグを飛ばしているうちに、「一」番「光」り輝く日が「来」るだろうという願いを込めて、「寒来光一」と名付けた。

1999年、「読む漫才」をテーマに、執筆活動を開始。3年後に脱サラして、本格的に執筆活動に取り組み始める。

著書は、ジョーク集『ああ、笑いの投稿者たち』『人生によく効く笑いのクスリ』、エッセイ『寒来光一のいいっちゃもんノート』、読む漫才集『それでも地球は笑っている』など。

座右の銘は「一笑一会」。モットーは「寒いギャグで、地球温暖化防止を」。

ブログ「寒来光一の日替わり笑話」の更新を、10年間フウフウ言いながら、辛うじて毎日続けている。

日本笑い学会会員。福岡県北九州市在住。宮崎県延岡市出身。

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