朝鮮半島の誇り、「高麗青磁」〜その1〜 2017/4/23

あのですね、※)隣の国の船が転覆した事で多くのマスコミが特集組んで朝から晩まで連日騒ぐのも尋常じゃないと思いますけど、こんな「人災」が珍しくない頻度で起きる国もちょい考えるべきだと思いますわ。

あんな不名誉な事で毎日騒ぎ立てられると韓国人やめたくなる気持ちない訳でもないけど〜、「朴」の生まれ育った「韓国」には、誇らしき伝統文化が尽きないほどあるわけ〜♪♪※)(2014年4月の韓国フェリー「세월호(セウォルホ)世越号の転覆沈没事故)

世界で最も美しい東アジア仏教美術の一つに数えられる「高麗時代の仏画」。世界中に現存するその作品数は現在までの調査では、「日本に120余点」+「欧米に26点」+「韓国に約20点」=「合計160点余り」と把握されてる。その限られた作品の多くが日本にもたらされており、欧米が所蔵してる高麗の仏画の殆ども日本から渡ったと推定され、韓国所蔵のそれは1970年代以後から海外で購入したもの。

絹に「石彩(天然鉱物性顔料)」を用いて細密で華麗な観音の衣装などを描写した『水月観音図』(高麗時代「918〜1392年」後期作)。「日本、談山神社」所蔵。  写真出典:「韓国、国立博物館」

どのような経緯で日本にもたらされてしまったのか、それについては「朴」はあまり触れないで置きたいですが、「高麗時代の仏画」が朝鮮半島の文化遺産の中では一番優れてるのかな〜と、思い込んでたけど・・・。実際には、「焼き物(陶磁器)」が世界で一番高く評価されてる有形文化だそうですよ。

なので、≪これは絶対、皆様に紹介しよう〜♪≫と、愛知県内の焼き物展示会場までちょこちょこと足を運び、実物を鑑賞したり、ちょっとした資料に目を通したりはしていたものの、キッチン雑貨などの「生活用品」としての焼き物ではなく、「芸術品」としてのその魅力まで触れられる「高次元」の「朴」ではないのでちょい不安ではあるけど、何とか頑張りますので最後まで読んで下さいなあ〜\(^_^=^_^)/ヨロシク

気付いたら、「日本文化」専攻の「朴」が「文化センター」で韓国語講座を担当することができたのは超ラッキーなことだった。講師控室には日本文化の達人のみならず、世界各国の様々な分野のことを専門とする諸文化人が出入りされ、そこで交わされる「雑談?」から受講料無しでの専門知識が耳に入る。それのみか、「朴」が受け持ってるクラスには教養のある奥様や韓国に理解のある優しい方が殆どで、韓国語によるスピーチタイムでは「朴」が日本で生活する上で役立つお話が多い。(でもね、「朴」の緊張が解れ油断できないように、たまには一癖ある人物も入会するよ〜(@_@;)冷汗)

ある日、「朴」のクラスに品のある男性が新規入会されました。その方曰く、

≪「大学&大学院」で化学を専攻し、「〇〇陶器」の研究員を務め、退職したばかり。時計や温度計などなかったはずの時代に、化学染料や顔料などを使わず、朝鮮半島の陶工達はどうやってあの美しい「青磁」を作り上げることが可能だったのか、それが不思議でたまらない。韓国語が上達したら高麗青磁に関することを調べたい。≫

というのが韓国語学習を始めたきっかけだとか!!

あの優れた文明を生み出した中国の陶磁の歴史は新石器時代から始まるとされ、様々な工夫を重ね、革新的なアイデアや技術で三彩、白磁、青磁、青花、五彩などの華麗な器を作り出し、世界の陶磁界をリードしていた中国。英語で「磁器」を「チャイナ(China)」と言いますが、中国が「チャイナ(China)」と呼ばれるのは、それほど磁器の国としてのインパクトが強かったからだそうですよ〜。

中国陶磁の「黄金時代」と言われ、「青磁&白磁」の名品を生み出した「(南)宋」の「収蔵家」(「なんでも鑑定団」の鑑定士のような役目)「太平老人」は、世界に誇る当代の「モノ」を選び出し、彼の著者『袖中錦』の「天下第一の条」に名品目録をまとめ、「高麗青磁」の「翡色」を天下第一の「秘色」として挙げてます〜 (*^−^)ニコ。

≪監書、內酒、端硯、洛陽花、建州茶、蜀錦、定磁、浙漆、吳紙、晉銅、西馬、東絹、契丹鞍、夏國劍、「★高麗秘色★」、興化軍孑魚、福州荔眼、溫州挂、臨江黃雀、江陰縣河豚、金山咸豉、簡寂觀苦筍、東華門把鮓、京兵、福建出秀才、大江以南士大夫、江西湖外長老、京師婦人,「★皆為天下第一★」,他處雖效之,終不及。≫『袖中錦』「天下第一」の条

抜粋・要約すると、

≪端渓石の硯、建州の茶、蜀の錦、洛陽の牡丹、定州窯の白磁、吳の紙、「★高麗の秘色(青磁)★」、中央の軍隊、福建の学者、都の美人は、「★皆天下第一である★」。他の所では真似しても匹敵できない。≫

なぁ〜んか、ピンと来ないでしょ??

今風に言えば、

≪アメリカのスマホ、イギリスの薔薇、チェコ製のクリスタルワイングラス、ベルギーのチョコ、フランスの香水、アメリカの軍事力、日本のアニメ、韓ドラの女優の魅力(*^−^)は、世界第一なので他の地域では頑張っても競争力ないよ〜ん。≫

と、言ってるような感じだよね?!

『青磁モモ硯滴(硯の水入れ)』宝物1025号。12世紀頃作られたと推定される。写真出典:「国宝巡礼」
高麗時代の文臣「文公裕」の墓から出土されたと伝わる『青磁象嵌寶相唐草文様茶碗』国宝 115号。12世紀頃作られたと推定される。写真出典:「国宝巡礼」
『青磁陰刻連花文梅n』国宝252号。12世紀頃作られたと推定される。 写真出典:「陶磁器の歴史」

「高麗青磁」は、≪「形」・「文様」・「色」≫の三要素全てに優れた美術工芸品として世界中から高い評価を受けてますが、本稿ではその「★色★」に重点を置きたいので「形」と「文様」の目立たない「素朴」なモノをわざわざ選び、アップしたよ〜。

「青磁」は「殷(中国)」が起源とされ、9世紀後半からは朝鮮半島の西南海岸地域で造り始められました。高麗青磁が天下第一の「ブランド(brand)☆高級名品」として人々のハートを掴むようになったのは12世紀から。「宋(中国)」の影響は消え「形」&「文様」に中国青磁を超える独創的な洗練美と完成度を見せ、特に「色」においては他の追隋を全く許さない「神秘的な色」として人々を驚かせました。

「高麗青磁」と「宋青磁」の「青み?(実は何とも言えない微妙な色だよん)」は、人工色素を入れて作り出すものではなく、ある成分の粘土で形を作り、ある「釉薬」を塗り、ある温度とある時間を掛け、窯で焼く際にガラスコーティングっぽい釉薬層の内側に微細な無数の気砲(あわ)が出来、それが光の散乱により、青色を帯びるようになるらしい。「朴」にはこの化学変化さっぱり分からないけど…。当時、この「秘法」で青磁を作ることができたのは「朝鮮半島」&「中国」2カ国だけだったとか!!

「宋青磁」の「青み」を中国では「★秘色★」と表現し、「太平老人」は「高麗秘色」を「天下第一」と高評しました。高麗の「青磁」が天下第一であると言ってるのか、それとも、高麗青磁の「青色」が天下第一であると言ってるのか、「朴」には分かりかねるけど、「(北)宋」の書画家の達人「徐兢」は彼の著書『宣和奉使高麗図経』で

≪陶器色之青者、麗人謂之翡色。≫(原文)
≪(高麗)青磁の青みを高麗人は「★翡色★」と言う≫(「朴」の和訳)

と述べています。

韓国では漢字教育が廃止され、ハングルのみで学校教育が行われていた時代があり、漢字教育を全く受けていない「ハングル」世代に近い「朴」は未だに、「成形」を「成型」と混沌し、書き間違えることがあります。

韓国では、

「成形」という漢字を「ソンヒョン」と読み、ハングルで「성형」と表記します。
「成型」という漢字も「ソンヒョン」と読み、ハングルで「성형」と表記します。

要するに「成形」と「成型」は同音異義語。

「秘色」という漢字は「ピセク」と読み、ハングルで「비색」と表記します。
「翡色」という漢字も「ピセク」と読み、ハングルで「비색」と表記します。

要するに「秘色」と「翡色」は韓国語では「同音異義語」。

単細胞である「朴」は自己体験を活かし、当時の「漢字(中国語)」にあまり詳しくない人々が何だか紛らわしく、同音異字である「秘色」を「翡色」と誤認し、誤った漢字を当て書き続けたのが定着してしまったのだよ〜んと、見当を付けてました。でもね、青磁の世界って一つの原理から全て説明できる、そう単純な世界ではなく、複数の異なる理論で紐解かないとその実体がなかなか見えてこない、ウ〜ンと高次元の世界みたいよ〜 (((^_^;)

「宋」の人々は青磁の青みを「秘色」と表現し、青磁が「秘色青磁」と呼ばれるようになった語源については、王家以外の使用を禁じていた「超貴重品」だったからとの説があります。一方、「高麗」の人々は青磁の青みを「翡色」と表現し、その語源については宝石の一種である「翡翠(玉)」の色に例えられたとの説があります。

いえ、違うわ。「翡色」とは宝石の「翡翠(玉)」の色ではなく、鳥の一種である「翡翠(カワセミ)」の羽の色を指す語。シャボン玉やコンパクトディスクなどには色がついていないけど、その微細な構造によって光が干渉するため、様々な色に見える如く、カワセミの「青み」は「色素」によるものではなく、羽毛にある微細構造により、光の加減で青く色づいて見えるらしいよ〜!!

このように、ある「モノ」自体には色が付いてないけど「物質の構造+光りの波長」により、発色する「構造色」は色素や顔料などによる発色とは異なり、見る角度によって様々な色彩が見られるとか?!「朴」にはこの「構造色」の原理、さっぱり理解できないけど…

カワセミの両翼の間から見える背中の「青色」は鮮やかで光によって「緑色」にも見える「★神秘的な美しい色★」。色の美しいカワセミは「渓流の宝石」「空飛ぶ宝石」とも呼ばれてますが、「宋青磁」が「秘色」と呼ばれるようになったのは、「王家専用の超貴重品」云々よりは、青磁の持つ「色調」自体が神秘的であったことから「秘色」という「色名」が付けられたのではないでしょうか?

宝石としての「ヒスイ(翡翠)」の語源は、天然石である「玉」の中、白地に緑色と緋色が混じる玉はとりわけ美しく、「翡翠(カワセミ)」の羽の色に例えられ、「カワセミ玉(翡翠玉)」と名付けられたけど、しだいに宝石としての価値を持たない「玉」をも「ヒスイ(翡翠)」と呼ぶようになったとか?! 

≪な〜あ〜んか、諸説あるけど、どの説が有力だと思う??≫

「カワセミ(翡翠)」 写真出典:「美のパパ(イチャンハ)コレクション」

「高麗青磁」は製作年代や製作地域によってその「色」が異なりますが、高麗青磁と宋青磁では「色(青み)」に違いがあり、一般論として高麗青磁の「青み」は淡く澄んだ感じで、宋青磁は濃く濁った感じ。「(北)宋」の後期には焼き物の製造技術が絶頂に達し、河南省に位置する「汝官窯」で造られた最高級の「秘色」は当時、人類史上最も美しいと「宋」の人々が自負していた青磁。従って、「(南)宋」時代の鋭い「鑑識眼」を持つ「太平老人」の高麗青磁への評価は磁器世界において重要な意味を持つみたい。

高麗青磁の「★翡色★」がカワセミの羽色を指してるのか、翡翠玉色を指してるのか、それとも、秘色の誤記なのか、知性に欠ける「朴」はさっぱり分からないけど、ともかく、高麗青磁の肌の色は中国青磁を超える神秘的な美しい淡い青緑色を帯び、宋の人々の憧れであると、めちゃ誉められてるに違いないわよね??ね!!(続く)

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韓国ソウル出身。韓国国会事務局退職後、1988年来日。大学で高等学校教諭1種免許(国語)取得。大学院で日本文化専攻。

名古屋市の官公庁などの翻訳・通訳人として活躍後、大学や名古屋市内の生涯学習センターなどで「コリア文化」に関する講座を担当。

現在は愛知大学、中京大学、中日文化センター、愛知大学オープンカレッジなどで韓国語講師をつとめる。

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