今年最大の天文ショー!8月8日の部分月食を見よう 2017/7/29

月を食べると書いて「月食」月は何に食べられるのか?

8月8日の明け方、2015年4月4日に皆既月食が起こって以来、2年4ヶ月ぶりに月食が日本で見られる。今回は部分月食だ。

月を食べると書いて「月食」。いったい誰が月を食べるの?その答えは「地球の影」。
地球が太陽に照らされてできる地球後ろに伸びる影の中に、月が入る現象を月食という。月食は、太陽−地球−月が一直線に並ぶとき、つまり満月のときに起こる。とはいっても、満月のたびに、月食が起こる訳ではない。

月の軌道は地球の軌道に対して約5°傾いていて軌道が回転しているため傾きの向きが変化する

理由は、太陽を回る地球の軌道に対して、地球の周りを回る月の軌道が、約5°傾いているうえに、軌道全体が回転している。なので月の軌道が地球の軌道の接線方向に傾いたとき、太陽から見たときに地球の軌道と月の軌道が見かけ上交わっている位置に月がやってきて満月にならないと、月は地球の影に入れないという訳。つまり満月といっても多くの場合、月は地球の影に対して北か南にずれていることになり、美しい満月が見える。

この図は地球の影を輪切りにして、月が影のどの部分が通るかを示したもの。

さて、8月8日の月食は部分月食となる。地球の影は、本影と呼ばれる真っ暗な影と、その周りを取り巻く薄い半影でできているが、今回は本影の北をかすめる部分月食となる。月はまず半影に突入するが、月にほとんど変化は感じられない。欠け始めるのは本影に差し掛かった時からだ。また、食分は0.251なので月のおよそ1/4が欠けるささやかな月食でだといえる。しかし、この現象が、今年日本で起こる一押しの天体ショーなのだ。

名古屋でのようす。午前2時22分に欠け始め、3時20分に食最大となり、4時18分に終わる

それでは月食のようすをもう少し詳しく見てみよう。まず、7日から8日になったばかりの00時48分に月が地球の半影に入り半影月食がスタートする。このときの月の高度は名古屋で38°。そして、2時22分に月は地球の本影にかかり欠け始める。このとき月の高度が28°だ。月は高度を下げながらゆっくり欠けて行き、最も欠ける食最大は、3時20分。月の高度は20°と低め。その後月は元に戻りはじめ、4時18分には本影食が終わるこの時月の高度は10°しかない。

最大食分となった3時20分の月のようす。実際はこんなに赤くは見えない。欠け際ははっきりしない

今回は部分月食と言っても、1/4しか欠けないささやかなものだが、今年日本で見える一押しの現象であることは間違いない。月食は、本来満月が欠けてゆくようすを楽しむものだが、今回は少し視点を変えて、日ごろ目にすることも気が付くこともない地球の影の存在を、月が盾になることによって確かめることができると、捉えてみてはいかがだろう。また違った意味で感動が湧き上がってくるのではないか?

ちなみに、来年は1月31日と7月28日に皆既月食が起こる。まずは8月7日から8日かけての深夜、晴れることを祈ろう。

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天文研究家

1953年三重県四日市市に生まれる。学生時代は名古屋市科学館山田卓先生の下で天文普及活動に参加。天体望遠鏡メーカーに勤務の後、1992年にフリーとなり星を見上げる楽しさを広めるべく、あさだ考房を設立。

天文・科学雑誌に記事を連載、単行本・プラネタリウム番組シナリオ執筆のかたわら、天文宇宙関連の講演・講座、プラネタリウム解説を行っている。

最近は、生涯教育を意識した、プラネタリウム運営支援、プラネタリウム解説指導にもかかわっている。日本天文学会会員、NPO法人アイ・プラネッツ理事長。

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