「ふぁんそん掌」が出来るまで(静観塾五回目) 2018/2/19

【静観】
多摩さん、舞さん、おはよう。

【多摩、舞】
おはようございます!

【静観】
さて、今日は前回尋ねられた「ふぁんそん掌」が出きるまでのお話をしましょうか。

【多摩】
お願いします。

【静観】
気のボールを持っているような感覚は、あくまでも掌の皮膚の感覚なんですが、その皮膚の感覚は何なのか、どうすれば出きるのか、どうすれば感じられるのかという問題について、私が気功を習い始めた頃は、誰一人として、理論的に説明しての実習をしてくれた指導者はいなかったんです。

【舞】
実習はあったんですか?

【静観】
はい、掌を向かい合わせにして、近づけたり遠ざけたりするだけの実習で、私には全く体感できませんでした。
いま思えば、「感じよう、感じよう」としていたからダメだったんですよね。

【舞】
ダメって?
感じようとしてはダメなんですか?

【静観】
はい、気功で言う気の感覚は体性感覚を用いますので、感じようとする意識レベルの脳を用いていては、かえって感じられないんですよ。

【多摩】
実習はそれだけだったんですか?

【静観】
いいえ、私に気のボールの作り方、つまり、「ふぁんそん掌」を開発するヒントを与えて下さった指導者がいたんです。

【舞】
その先生から教えて頂いたんですね?

【静観】
いやいや、その人の仕方を見て、それを生理学的に考えたんですよ。

【多摩】
どんなことをなさったんですか?

【静観】
じゃぁ、一緒にしてみましょうか。
両手を大きく開いて、両手を20回ほど強く叩いてみて下さい。

【舞】
拍手するようにですね。
こうですか?
(パチパチパチパチ・・・)

【静観】
はい、その後、両手を上に向けて、掌に出て来る感覚を感じてみて下さい。
どうですか?
どんな感じがしますか?

【舞】
ジーンとするような、少し痛いような・・・。

【多摩】
私は、少し温かくなってきたような・・・。

【静観】
ですよね。
私も、そうか、こんな感じかぁと、その時はそう思ったんですが、よく考えてみると、気の感覚を作るために、毎回、手を叩く訳にはいかないじゃないですか(笑)。
で、これって何をしてるんだろうと考えたんですよ。

【多摩】
生理学的にですね?

【静観】
それを説明しますと、まず、強く叩くことで、皮膚を緊張させているんです。
そして、それをやめることで、皮膚は弛緩する。
これは、単なる皮膚刺激ではなく、自律神経を強制的に交感神経優位の側にし、その反動として副交感神経優位に持って行くことで血管を弛緩させているんではないかと考えたんですよ。

【多摩】
副交感神経側にすることで血管が膨らんで、血液を流し込んでいく訳ですね?

【静観】
そうなんですよ。
そして、考えたんです。
いちいち手を強く叩かなくても掌の皮膚を緊張させたり緩めたり出来る方法はないかってね。

【舞】
そこで掌の皮膚を一枚のゴムを引き伸ばすように中指の根元の膨らみからピーンと張ったり緩めたりすることで掌の感覚を作っていく「ふぁんそん掌」になったんだ!

【静観】
そんな風にして掌に現れてくる感覚を体感していると、脳は独りでにα波になり、自律神経も副交感神経優位に傾き、皮膚の血管が膨らんで、血液が流れ込み、皮膚温が上がり、その温かさも体感できてくる。
そこから自律神経への働きかけという、気功の気功らしい優れた特徴への理論と技が導き出されていったんですよ。

【多摩】
その生理学的なアプローチによる「ふぁんそん掌」を開発されたことで、私のような凡人でも苦労することなく、「気のボール」が作れるようになったんですね?

【静観】
少しは練習がいりますけどね(笑)。
問題は、意識して感じようとする頭脳の働きを抑制して、皮膚感覚だけを感じることが出来るようになるかどうかでしょうね。

【舞】
やっぱり、体感に没頭することなんだね。

【多摩】
そう、体感を信じて、出て来る感覚に没頭していくだけで、あとは独りでに体の方が勝手に気の感覚を体感できる体に変えていってくれるっワケよ。

【静観】
体感しながらのスワイショウも、「ふぁんそん掌」も、ある段階までの練習としては優れたものだと思ってるんですが、問題は、その先だったんですね。

【舞】
えっ?!
まだまだなの?

【静観】
そんなには甘くないですよ(笑)
でも、その話は次回にしましょうか。

【多摩、舞】
ありがとうございました!

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プロフィール

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鍼灸師・気功法講師。

和歌山県出身。日本福祉大卒。名古屋市内に鍼灸院「和気」を開院(2015年、閉院)。林茂美師に師事し気功を習得。愛知県名古屋盲学校専攻科非常勤講師(2016年退職)

現在は名鉄カルチャースクールにて講師活動のほか、名古屋市内にて各種の気功講座、気功教室を担当。

また、2013年より京都、妙心寺内大心院にて気功講習会を開始。現在に至る。

趣味は、陶芸、京都・奈良ウォークなど。

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