生理学を頭に入れて(静観塾13回目) 2018/5/21

【静観】
私たちは、幾つもの功法を覚える前に、「ふぁんそん状態」を作るための生理学、人体変化の生理学を理解しなければならないと私は考えているんですよ。

【舞】
ふぁんそん状態を作るための生理学って?

【静観】
その生理学というのは、まず、能動的に体を動かし、その動きによって動かされている受動的な揺れの感覚を体感し、動きとしての体性感覚を開発していくことなんです。

【多摩】
強く意識しようとしないでも感じられる感覚があるということを体感する訳ですね?

【静観】
それに没頭することによって、独りでに脳波はα波になり、自律神経も副交感神経優位に移行するんです。

【舞】
α波の脳も副交感神経優位の状態も、独りでになっていくということですか?

【静観】
二つ目は、自律神経が副交感神経優位になると、その変化によって、皮膚温や体内温度が上がるということです。

【多摩】
まさに生理学的な変化が体感できるようになってくるんですね。

【静観】
その皮膚温や体内温度の上昇を体感し、それに没頭していくことによって、体性感覚を支配する脳に感覚が刻まれていくんですね。

【舞】
感覚が刻まれる?

【静観】
脳に感覚が刻まれていくので、フィードバックして、体のあらゆる箇所での感覚の再現が出来るようになり、その部の「ふぁんそん」の体感が可能になってくるんですよ。

【多摩】
それら一連の練功が、気功を深めていく手順である「緩感貫採練(かんかんかんさいれん)」の中の「緩感(かんかん)」、つまり放鬆法と意守法ということになるんですね?

【静観】
この一連の練功を基礎にして、気を巡らせる貫気法、周天法、気を取り入れる採気法、丹田の気を練り込んでいく練丹法、即ち、「貫採練(かんさいれん)」が可能になるんですね。

【舞】
「かんかんかんさいれん」の中で、前の「かんかん」と、後の「かんさいれん」との間には、大きな隔たりがあるんですねぇ。

【静観】
前段の「かんかん」の練功なしには気功は深まらないと認識すべきでしょうね。

【多摩】
そのための練習法、それが「ふぁんそんテクニック」だったんですね?

【舞】
「すわり金魚」、「すわりイルカ」、「蝶の羽ばたき・羽回し」、「ふぁんそん掌」、「腕わかめ」などは、生理学的な変化を独りでに起こしていくための技だったんですね。

【静観】
それらの技を通して、脊椎のゆるみ、関節のゆるみ、皮膚の体感、皮下の体感、体内の体感をもたらし、体内の副交感神経優位の状態を作り、それを体感する体性感覚を開発し、自覚的な脳の働きによって「ふぁんそん状態」を再現可能にしていくことが大切なんですよ。

【多摩】
その再現可能な状態にまで自分の感覚を導いてこそ、気功の楽しさと有効性がほんとうにわかってくるんですね。

【静観】
わたしは、スワイショウから授業を始めることが多いんですが、それは単なる準備体操として行なっている訳ではないんですよ。

【多摩】
「緩と感」の確認、即ち、気功をする一人一人が、自分の体感を通して、自分の「ふぁんそん状態の感覚」の体感の確認をするためなんですね?

【静観】
この体感の確認作業ができるからこそ、スワイショウは「スワイショウに始まり、スワイショウに終わる」と言われるくらいに深い内容を持っているんですよ。

【舞】
わたし、そのあたりのこと、わかっていなかったわ。

【静観】
そして、スワイショウに併せてタントウも行なっているんですよ。

【多摩】
それも生理学的な確認ですか?

【静観】
それもあるんですが、わたしたちは、自分の健康の回復と維持、増進の課題とも向き合っているんですから、それにも応える必要があるんです。

【舞】
ふぁんそんテクニックやスワイショウだけではだめなんですか?

【静観】
それでも良いんですが、それだけだと、気功は力を抜くだけのリラックス、だら〜んとした脱力が目的なんだと感じる人もいますからね。

【舞】
わたしみたいに?

【静観】
だから、上虚下実の自然体を作り、自然治癒力を高めていく取り組みもひつようなんですよ。

【多摩】
そのためには、タントウによる体重降ろしが必要だってことですね?

【静観】
丹田を充実させていくことにも心を配らねばならないからね。

【舞】
養生気功の中に三円式タントウ功を組み入れているのは、そのためなんですか?

【静観】
わたしが、片足ずつの体重移動による足の使い方、体重の降ろし方を確認してもらってからのタントウをしているのは、タントウしながら「ふぁんそん状態」を体感してもらいながらも、下実の状態を作るためなんですよ。

【多摩】
丹田を充実させるためには、丹田が温かくなっていくという感覚というか、自分でフィードバックさせて、自分の力で丹田を強くしていく取り組みも必要なんですね。

【舞】
やっぱり、生理学と東洋医学をベースにして気功の学び方、深め方を体系づけられている先生は、スゴイわ!

【静観】
お世辞を言っても、指導の手は緩めませんからね(笑)

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プロフィール

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鍼灸師・気功法講師。

和歌山県出身。日本福祉大卒。名古屋市内に鍼灸院「和気」を開院(2015年、閉院)。林茂美師に師事し気功を習得。愛知県名古屋盲学校専攻科非常勤講師(2016年退職)

現在は名鉄カルチャースクールにて講師活動のほか、名古屋市内にて各種の気功講座、気功教室を担当。

また、2013年より京都、妙心寺内大心院にて気功講習会を開始。現在に至る。

趣味は、陶芸、京都・奈良ウォークなど。

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