災害に備えて保険をチェック 2018/9/6

近年は自然災害が多く、これまでは考えられなかったような地震や集中豪雨も多発しており、人事ではなく、明日は我が身です。そんな被害にあった時に助けになるのが「保険」です。皆さんは自宅にかけている保険の内容を知っていますか。

大規模自然災害の時には、公的支援として「被災者生活再建支援制度」による支援がありますが、これで全てを賄うことはできません。この制度は、10世帯以上の住宅全壊災害が発生した市町村が対象となる、都道府県の相互扶助によって対応する制度です。住宅の全壊、半壊または敷地に被害が生じてやむをえず解体、長期避難、半壊して大規模な補修が必要な大規模半壊などが対象となります。

支給額は、全壊、解体、長期避難が100万円、大規模半壊が50万円で、これらに住宅を建設購入する場合は200万円、補修100万円、賃貸50万円が支援金として加算されます。申請は市町村が窓口となり、罹災証明書、住民票、預金通帳の写し等が必要となり、災害発生から13月(加算分は37月)以内に申請する必要があります。このような支援金はありがたいですが、実際に家が全壊等した場合、300万円では全く足りないので、自助努力として保険に加入しておく必要があります。

ではどのような保険に加入しておく必要があるのでしょうか。まずは火災保険の加入が必要です。火災保険は火災だけでなく、水災、風災、雪災などの自然災害が対象で、近年多い、豪雨による土砂崩れや床上浸水、竜巻などによって住宅に被害があった時に補償されます。ただ補償内容を確認しておかないと、水災がついていない場合が多いので要注意です。水災の保険に加入している世帯は66%しかありません(内閣府)が、最近のように水害が多くなってくると、住んでいる場所にもよりますが、必要度が増してきました。

また最近の大雪や台風などの自然災害の増加によって、火災保険料が来年から上昇する予定で、保険料設定基準の「参考純率」が平均5.5%引きあげられました。なので今が見直しのチャンスです。ただし火災保険の保険料は自分で好きに決めるわけにはいきません。住宅の価値(評価額)によって保険料は変わってくるので一度これも確認しておきましょう。

一方、多くの人が加入しているのが地震保険。地震、噴火、または津波を原因とする火災、損壊、埋没や流失が起こった時に保険金が出ます。地震による火災には、火災保険ではカバーされないので要注意です。地震保険の対象は、建物と家財ですが、補償額は火災保険金の最大50%までなので、足りない場合もありますが、建物は5000万円、家財は1000万円が限度額となっています。全損は契約金額の100%、大半損は60%など、4つの段階に分かれています。

地震保険の保険料も住んでいる地域や建物の構造で決まります。では住宅ローンを返済中でこのような災害にあってしまった場合はどうなるのでしょうか。新しい住宅のローンまで抱えてしまうこともあります。そのような場合、地震保険金を地震前の住宅ローンの返済にあてることができるので、住宅ローンの負担が少しでも軽減されます。大規模災害の場合、お金がなくなってしまうのでは・・・・と不安になりますが、地震保険は国と損害保険会社との共同運営で、関東大震災クラスの地震が発生しても支払えるように運営されています。
またもし返済が難しい場合、「自然災害債務整理ガイドライン」というのがあり、これに基づいて債務整理手続きをすると、返済負担が軽くなることもあります。

今年は台風の数も多いので、まずはわが家の火災保険・地震保険を確認し、非常用カバンに加入保険の控えを準備しておきましょう。また、生活再建のために当面の費用も必要になるので、半年から1年間分のすぐ使える生活費も流動性のある現金や預貯金で準備しておく必要があります。

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2018/9/6

プロフィール

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岐阜大学教育学部教授・博士

京都市生まれ。ノートルダム女子大学(京都)文学部卒業。大阪市立大学大学院生活科学研究科後期博士課程修了。

現在、岐阜大学教育学部教授・博士(学術)、放送大学客員教授。

家庭経済学、家庭経営学、家族関係学、アーミッシュ研究等の講義を担当。

放送大学ではラジオで「生活経済学」の講義を担当(2012〜2016年)。

主な著書 『ちほ先生の家計簿診察室』(名古屋リビング新聞社2002年)、名古屋リビング新聞社、大阪リビング新聞社で家計簿相談を20年ほど担当。

『お金と暮らしの生活術』(昭和堂2012年)、『仕事・所得と資産選択』(放送大学教育振興会2008年)、『アーミッシュの謎』(共訳、論創社1996年)、『アーミッシュの学校』(共訳、論創社2004年)、『アーミッシュの昨日・今日・明日』(共訳、論創社2009年)、『生活経済学』(放送大学教育振興会2012年)など。

趣味:毎日家計簿をつけること。ただし買い物好きなので家計チェックは自分にはあまり生かせていないかも・・・・・

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