山の会には会報が必要 『くろゆり』から学ぶ 2018/12/26

会報を発行している山の会が少なくなったからでしょう、登山雑誌から会報紹介がなくなってから久しくなります。

私が登山を始めた頃、「登るだけでなく読む、書く」ことにも心掛ける傾向がありました。会報は会運営に不可欠な存在なので、競うようにして会報を発行、あたりまえの状態でした。当然、登山雑誌の山岳会会報紹介も2ページ以上にわたっていました。

当時の会報は、会員間の情報交換・提供が主なものでした。観察力を高めて会員の資質向上にも役立てようとの目的もありました。私も関係してきた会でも会報を発行してきました。特集を組んでいたので人気があり、会員以外にも頒布してきました。

先日、「福井くろゆりクラブ」から会報『くろゆり 第23号』が届きました。久々に目にする山の会の会報です。結成30周年の節目の会報なので、30年の歴史をも綴ってあるのでA4版180ページにおよぶ厚みのあるものです。

会報『くろゆり』は、国内の有名な山に登っての紀行・随筆もありますが、注目したのは登山雑誌などから見離されている傾向の福井の里山や低山の情報が盛りだくさん掲載されていることです。その背景には、「0年」や「5年」の節目の年に「周年記念登山」と称して、福井の低山を含めての登山を実施してきたことにあるのでしょう。


周年記念登山の内容をみてみましょう。

◆10周年は白山集中登山、白山登山12コースを日を決めて一斉に登っています。登山行程をリードする会員が12人いないと不可能な事業です。層の厚さがあっての計画です。

◆20周年は「泰澄白山開山の道を辿る」。泰澄が修行した越知山から白山までを8回に分けて歩き、登山しています。うち4回は登山者が敬遠したがる平地を歩く地味なコース、50人から80人もの参加があったのには驚きです。事業を理解し、成し遂げる心意気を感じ取りました。

◆25周年は「足羽11連峰稜線を繋ぐ」。藤本会長は、「ありきたりの山々、日野山が後ろから顔を出すほどの低山であり、変哲もなく、魅力に欠けているこそ、未踏の稜線と確認し、踏破を計画したのです」と企画した思いを綴っておられます。同感です。その魅力に乏しいコースと山を4回に分けて登って(歩いて)います。

◆30周年は、「白山開山1300年記念事業 白山伏拝をめぐる」。4回に分けて実施、各回50名を超す参加者があります。白山は、福井の人には「越前の山」の思いがあります。先に白山集中登山を実施しているので、30周年は、越前の人の白山への思い「白山遥拝」を実施したのでしょう。  

会報『くろゆり』から、会員の体の中に浸透している「地域愛」を知り、福井くろゆりクラブの未来に明るいものを感じ取りました。


皆さんの2019年の「一年の計」、「低山登山」と「読む、書く」、「地域を愛する」に励むを目標にして行動してはいかがですか。山の会も資質向上の場を提供する「会報発行」を目標にしてください。

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登山歴六十年。1962年医王山に「ナカオ新道」を開き、維持するための会を設立、45年間代表を務めてきました。2007年にふるさとの山を愛する「金沢ふるさと愛山会」を設立しました。山へ登るだけでなく、自然愛護・環境保全に励み、生涯登山(生涯自然人)をめざしての登山活動を続けています。「中日登山教室」や「親子白山登山」など約800回,延べ人数約2万人の登山者・一般市民に「安全登山、楽しい登山」を指導してきました。執筆を通じて白山など郷土の山紹介も手がけています。最近は、歴史と自然に親しむトレイルの指導が増えております。

平成11年 中日新聞社会功労賞受賞
平成15年 藍綬褒章受賞

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