廃線跡探訪(1) 豊橋鉄道田口線[3/3] 2019/1/17

奥三河郷土館に保存されている田口線モハ14

★田口線ゆかりの保存車モハ14とその車内

田口線ゆかりの車両として、田口の町中にある奥三河郷土館にモハ14が静態保存されています。写真のとおり屋根がかけられ、三河田口駅の駅名標がホームに建っています。

まずは、このモハ14の経歴をみてみましょう。

これまでの記事----------------------
廃線跡探訪(1) 豊橋鉄道田口線
廃線跡探訪(1) 豊橋鉄道田口線[2/3]
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田口線は、田口鉄道として開業した際、豊川鉄道や鳳来寺鉄道から出資をうけた田口鉄道の路線でした。豊川鉄道は豊橋〜大海間、鳳来寺鉄道は大海〜三河河合間を開業させた鉄道です。戦時統合により、豊川鉄道と鳳来寺鉄道は三信鉄道・伊那電気鉄道とともに国有化されて飯田線となりました。

その国有化の際、田口鉄道から電車2両の供出がされた見返りとして、豊川鉄道と鳳来寺鉄道で使われていたモハ10形が1両入線。さらに戦後となる昭和26年に2両が国鉄で廃車となり、田口鉄道に入線しています。この戦後に入線したうちの1両が、写真のモハ14なのです。田口鉄道が豊橋鉄道田口線になるのは、さらに後年となる昭和31年のことでした。

モハ14の内部と見学中の中日プラス運営部S部長

上の写真がモハ14の車内です。

実は奥三河郷土館は2016年9月末に閉館となり、2020年4月に田口より南に位置する清崎地区にできる予定の「道の駅」併設の資料館に移転することになっています。いまはその移転準備作業中で、モハ14も非公開ですが、この日は特別に内部を見学させていただきました。

大切に保存されてきたことが分かる車内は、一方に座席が残してあり、もう一方に田口線ゆかりの資料が満載された棚が並んでいます。棚の中には切符類から駅窓口に掲げられていた運賃表、タブレットやカンテラなどの設備品、行き先表示板は電車正面用とサボと呼ばれる側面用があるなど、多数の関連資料が展示してあります。

運転台の機器には、それぞれの説明書きがある

運転台の一方は保存時の状態で残されていますが、もう一方は上の写真のようになっています。機器類の一つ一つに説明書きがつけられていて、主幹制御器(マスコン)は内部の様子がわかるよう、カバーが外されています。見学者が電車の勉強をできるようにと工夫した様子が肌で感じられるものでした。

このモハ14も計画では前述の「道の駅」に保存される予定ながら、長年この場に保存されているだけに、移動に耐えられるかどうかを今後調べることになるとのことでした。
無事に移動して、新たな地でまた多くの見学者を迎えられることを期待したいですね。

崩落前の三河田口駅舎

★かつての駅舎等の様子

最後に、三河田口駅舎のかつての様子をご覧に入れます。これは筆者が1994(平成6)年11月27日に撮影したものです。ちょうど四半世紀前の撮影となります。

なかなか大きな建物で、終着駅として賑わっていた様子が感じられますが、当時すでに廃線から26年、台風による被害で清崎〜三河田口間が運休となってから29年放置されていただけに、かなり老朽化が目立っていました。その後、自然崩落してしまい、撤去されたということです。

国道脇に駅名標と腕木信号機が建てられていた清崎駅跡

上記、三河田口駅を訪問した日には、清崎駅跡にも駅名標と腕木信号機が残っていました。建っているのはホーム跡ではなさそうで、後方の建物も駅舎ではないと思いますが、雰囲気のある一角でした。

前述の通り、台風による被害で清崎〜三河田口間は廃止までの3年弱、終着駅だったところです。再来年オープン予定の「道の駅」は、この付近にできるようです。

三河田口駅跡と田口の町中との位置関係

最後に、標高差100メートル以上あった三河田口駅跡と田口の町中との位置関係がわかる航空写真をご覧下さい。(見易くなるよう、画像をクリックして大きく表示してください。)

左端の中央やや上に「三河田口駅跡」と記してあります。ここが田口線の終点だったところです。

そこからグネグネとした道が右の方に延びていますが、これが田口線ができた際に田口の町中とを結ぶためにできたという道です。この道路の状況から、いかに急な坂かということが想像いただけるものと思います。

その道が画像中央のやや上で町にでます。国道257号線は画像の右下から円弧を描いて右上に延びています。その右下の付近からまっすぐ上をみると「奥三河総合センター」と書かれているところがあります。この施設の左下にある白い扇状の建物が、移転予定の奥三河郷土館です。

清崎に移転すると、田口よりも少しだけアクセスが容易になります。再来年の春が楽しみですね。

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プロフィール

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(有)鉄道フォーラム 代表取締役

1958年愛知県犬山市生まれ。大学卒業後に10年のサラリーマン生活を経て、当時話題だったパソコン通信NIFTY-Serveで鉄道フォーラムの運営をするために脱サラ。1998年に(有)鉄道フォーラムを設立。2007年にニフティ(株)がフォーラムサービスから撤退した際に、独自サーバを立ち上げて鉄道フォーラムのサービスを継続中。

一方、鉄道写真の撮影や執筆なども行い、「日本の“珍々”踏切」(2005.2 東邦出版刊)、「鉄道名所の事典」(2012.12 東京堂出版刊)、「トワイライトエクスプレス」食堂車ダイナープレヤデスの輝き−栄光の軌跡と最終列車の記録−(2015.9 創元社刊)など著書多数。

当「達人に訊け!」をまとめた書「東海鉄人散歩」(2018.7)が、中日新聞社から刊行された。

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