【第51回】身も心も温まる ご当地スーパー「冬の定番」 2019/2/5

一年で最も寒さの厳しいこの季節にぴったりな、ご当地スーパーで人気の冬の定番をご紹介します。
体を温めるメニューは各地にありますが、体だけでなく心までも温めてくれる、そんなご当地食があるんです。


【奈良の歴史的あったか朝食】

おかいさん 700円 嘉兵衛本舗

関西で食べ物を「さん」をつけて呼ぶのを耳にすると、なんだかほっこり。奈良で「おかいさん」とは粥のこと。関東でも「お粥」と丁寧に呼んでいますが、さらに愛情を込めて「さん」付けする「おかいさん」の存在はやはり、特別なようです。

奈良では古くからほうじ茶で炊いた茶粥が食べられており、1200年続く東大寺のお水取りを行う修行中の僧たちの力の源も、このような茶粥。

鎌倉時代に中国から日本に伝わったお茶は、奈良の地でも古くから栽培が始まり、江戸時代には吉野郡は日本有数のお茶処として栄えたそう。なかでも大淀町は郡内生産量の50%を占める一大産地だったと記録も残っており、この茶粥用パック「おかいさん」の製造元である「嘉兵衛本舗」も大淀町で6代続く、創業170年の老舗です。

同社で扱う茶葉から出た粉状の葉をティーバッグに入れたのが茶粥用のほうじ茶。つまり高品質なブレンドティーという見方もできて、香り高くまろやかでいて切れがあり。たっぷり45包。もちろんお茶としても美味しくいただけます。

昭和30年代までは、一般家庭で毎朝つくられていた、奈良の郷土の味。食欲のない朝も、香ばしさと優しい口当たりで、サラサラと入っていきます。とくに冬は体の中からしっかり温めてくれるため、朝食におすすめ。

嘉兵衛本舗オンラインショッピングで購入できます。



【富山の豪華おでん】

「ほくほくおでん」梅かま
かに面280円、巣ごもり160円 三色団子160円

まず驚かされるのは、紅ズワイガニの甲羅に魚のすり身やカニ肉を詰めた、その名も「かに面」。おでんの具材というより、北陸の名料亭で供される、一品料理の趣です。そのくせ、1個280円という安心価格。そして鳥の巣を意味する「巣ごもり」は、キクラゲやゴボウといった歯ごたえある食材を練り込んだ魚のすり身の真ん中で、玉子の黄身が輝いています。さらに、間違いなく子どもが喜びそうな、赤、白、緑のすり身を仲良く串に刺した「三色団子」。いずれのおでん種も個性的な味わいのため、関西風のおダシがぴったり。それにしても、我家の茶色いおでんと違い、春の暖かさを感じるような色彩感覚。

練り物は富山では特別な存在です。
赤巻き、昆布巻きの呼び名で知られるかまぼこは富山を代表する郷土食。そして、結婚式には今も細工ものと呼ばれる「鯛」や「富士山」などをかたどった大きなかまぼこが引き出物に入ります。そのかまぼこは「幸せをおすそ分け」という意味で、家族やご近所さんで分けて食べたそう。

富山では、練り物の周りにはいつも幸せがやって来ます。
梅かまのショッピングサイトにて冬季限定販売中。


【佐賀のとろける湯豆腐の素】

嬉野温泉名物「温泉とうふ調理水」54円 平川食品工業

まず、下の写真をご覧ください。
だんだんと豆腐が溶けていく様子です。

豆腐が溶ける不思議な水、佐賀の嬉野温泉名物の素が、佐賀ではスーパーで簡単に手に入ります。この温泉とうふ用調理水(温泉と同じ成分)で湯豆腐すれば、あら不思議! お豆腐が溶けて、逆に湯が白濁していくのです。

嬉野温泉は嬉野温泉観光協会によれば、『肥前風土記』(713年)にも記され、江戸時代には長崎街道の宿場町として栄えた、歴史ある温泉地。近年は「日本三大美肌の湯」の一つと呼ばれ、湯上がりはつるつるの玉の肌になると評判の湯。

名物の温泉湯豆腐は、温泉成分の作用が豆腐を溶かし、さらにとろとろになった豆腐にはまろやかさが加わって、魔法のような美味しさになります。
でも、そんな溶かす成分を食べて大丈夫なんでしょうか? 

メーカーの平川食品工業によれば、どの温泉でも豆腐を溶かせるわけではなく、嬉野温泉の弱アルカリ性重曹泉が、豆腐のたんぱく質を溶かしている状態だということ。だから人の肌をゆるやかに優しく角質を除去するため、一皮むけた美肌になるわけです。しかも現地では胃腸によいと飲泉するとか。浸かっても食しても体にいい温泉だから安心してください。

最近は、佐賀以外のスーパーでも流通するようになっているので、お豆腐売り場で出会える可能性がありますよ。寒い冬に体の中から温泉気分になれるこの「温泉とうふ」はオススメです。

佐嘉平川屋のショッピングサイトにて便利なセットで販売中(※スーパーと通販では仕様が異なりますが、中身は同一です)


※品揃えは予告なく変わります。価格は全て取材時の税抜き価格です。

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スーパーマーケット研究家
65年東京生まれ、名古屋在住。
サラリーマンの夫の転勤で国内外の転居を繰り返す中、スーパーの研究を始める。2012年に出版した著書が話題となり、出演したテレビ番組で紹介した岐阜県高山市の隠れた日常食「あげづけ」が大ブレーク。現在は、テレビ出演や新聞・雑誌の連載、講演活動をこなしつつ、子育ての隙をみて、自腹で全国のご当地スーパーを行脚。埋もれた日常食の発掘とその魅力を伝えている。新刊「東海 ご当地スーパー 珠玉の日常食」(ぴあMOOK中部)

著書/『日本全国ご当地スーパー掘り出しの逸品』『日本全国ご当地スーパー 隠れた絶品 見〜つけた!』(講談社)

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