お堀を走った瀬戸電と初の国鉄バス路線を訪ねる旅 2019/5/23

名鉄観光サービスが鉄道にこだわったツアーを発売しました。


 【達人?!鉄人と交通発展史を巡る】あの町の発展に歴史あり〜瀬戸編〜
  ★名鉄東岡崎駅発着
  ★日帰りバスツアー
  ★添乗員同行プラン

です。

名鉄が4月から7月にかけて展開しているシリーズ広告「EMOTION!」瀬戸篇に合わせて企画されたツアーで、瀬戸と公共交通の歴史的関わりを体験できる内容となっています。

トータルコーディネートを筆者が務め、ツアーそのものにも同行しますので、その概要を今回お知らせします。

瀬戸蔵ミュージアムでは保存車モ754などを解説付きで見学

ツアーは日帰りで、7月14日(日)と7月24日(水)の2日間設定されています。いずれも名鉄・東岡崎駅を午前9時出発です。瀬戸へ行くのになぜ岡崎? と思ってしまいますが、日本初の省営バス(のちに国鉄バスとなり、いまはJRバス)の路線が岡崎〜瀬戸〜多治見間と瀬戸〜高蔵寺間だったのです。

まずは、その省営バス当時の道をできるだけ忠実にバスで走って瀬戸に向かいます。

省営バス路線は、後に鉄道開設につなげようとするものでしたが、いまは愛知環状鉄道として岡崎〜瀬戸〜高蔵寺を結んでいます。同線が国鉄時代に岡多線として部分開業したのは、省営バス岡多線開設の意思を継ぐものでした。

その愛知環状鉄道の新瀬戸駅のすぐ北には、多治見まで延伸するための分岐工事跡があります。まずはこの分岐予定部を見学し、続いて瀬戸市中心部にある「瀬戸蔵」に行きます。

「瀬戸蔵」のある場所は、かつて省営バスが瀬戸のターミナルとしていた瀬戸記念橋駅跡にあります。みどりの窓口まである、鉄道駅としての機能をもったバスの駅でした。

その一角の記念碑を見学したあと、館内2階にある瀬戸蔵ミュージアムに行きます。そこでは、かつて名鉄瀬戸線を走っていたモ754が旧尾張瀬戸駅舎を模した駅舎とともに出迎えてくれます。

ここで、同車保存に関わった瀬戸線に詳しい山田司さんに解説をしていただきます。

明治44年竣工の本町橋は、アーチ部が狭いため複線があたかも単線のようになるガントレットという方式で電車が行き来していた。

瀬戸からは名鉄瀬戸線に乗り、清水駅まで行きます。この清水駅から栄町駅側は線路を付け替えていて、かつては名古屋城のお堀の中を走って堀川に達していました。その廃線跡を歩いて見学します。

清水駅から東大手駅の間には、廃線跡の様子を色濃く残す道路があり、その先にはお堀に侵入していた箇所もあります。この辺りからは、いまの瀬戸線が地下に潜っていく様子も見られます。

昼食を挟んで、お堀の廃線跡を堀川駅跡まで歩いて見学します。見どころは、サンチャインカーブと呼ばれた急カーブ、大津町駅跡の階段、それに国内唯一だったガントレットと呼ばれる複線がレンガアーチ内だけ単線のようになっていた本町橋。さらに運んできた瀬戸の陶器を積み替えて、堀川の舟運で出荷していた堀川駅跡の様子でしょう。

堀川駅跡からは、再びバスに乗ってリニア・鉄道館を目指します。同館には省営バス岡多線として開業当初に走っていたバスが、国鉄バス第1号車として保存されているのです。自動車産業育成のために国産にしたバスであるとともに、1930(昭和5)年製という現存する国内最古のバスでもあります。

通常は外観を見学するだけの同車ですが、このツアーに参加すると特別に車内を見学することができます。当時の車体の大きさや座席形状、カーテンの様子などが間近に見られる貴重な機会です。

リニア・鉄道館では、保存されている国鉄バス第1号車の車内を特別見学

リニア・鉄道館に到着するのは夕方近くですが、しばらく滞在したうえでバスで東岡崎に戻っても良いですし、ツアーから離れて、同館が閉館となる17時30分まで滞在し、他の展示車両をじっくり見るのも良いでしょう。ただし、同館からの帰路は各自負担となります。

閉館間際まで滞在すると、音楽デュオ「スギテツ」による閉館音楽「ホタルの“ひかり”号」を聞くことができます。

ちなみに、リニア・鉄道館では7月17日から新たにN700系量産先行試作車を3両屋外展示し、いま同所にある117系3両のうち1両を屋内展示にすると発表しました。ツアーの初回となる7月14日は、おそらく117系3両の屋外展示を見られるでしょう。2回目となる7月24日には、N700系を展示しはじめた状態をご覧いただけ見込みです。

ツアーに参加ご希望の方は、最寄りの名鉄観光もしくは名鉄観光のサイト(最下部にリンクを設けてあります)からお申し込みください。金シャチ横町での昼食用1000円券がついて、大人ひとり8,800円、小人7,800円です。

あの町の発展に歴史あり〜瀬戸編〜のチラシ
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(有)鉄道フォーラム 代表取締役

1958年愛知県犬山市生まれ。大学卒業後に10年のサラリーマン生活を経て、当時話題だったパソコン通信NIFTY-Serveで鉄道フォーラムの運営をするために脱サラ。1998年に(有)鉄道フォーラムを設立。2007年にニフティ(株)がフォーラムサービスから撤退した際に、独自サーバを立ち上げて鉄道フォーラムのサービスを継続中。

一方、鉄道写真の撮影や執筆なども行い、「日本の“珍々”踏切」(2005.2 東邦出版刊)、「鉄道名所の事典」(2012.12 東京堂出版刊)、「トワイライトエクスプレス」食堂車ダイナープレヤデスの輝き−栄光の軌跡と最終列車の記録−(2015.9 創元社刊)など著書多数。

当「達人に訊け!」をまとめた書「東海鉄人散歩」(2018.7)が、中日新聞社から刊行された。

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