岐阜大会注目選手〔2〕 〜社会人野球の流れを引く有力球児たち〜 2019/7/11

高校野球地方大会は13日(土)、岐阜大会と三重大会でプレーボールがかかります(三重大会は開会式のみ11日に挙行)。一足早くスタートしている愛知大会は、既に2回戦を迎えています。

『中日新聞プラス』では、今年も高校野球特設サイトを設け〔→こちら〕、試合の速報をお届けしています。また、三重大会の登録メンバーは公開済み、岐阜大会の登録メンバーは12日に公開します。ぜひご覧ください。

なお、あす12日の夕方には、東海ラジオ『大澤広樹のドラゴンズステーション』に筆者が出演し、高校野球地方大会(東海3県)の展望をお話しする予定です。16時10分ごろの出演予定ですので、ぜひお聴きください。


さて今回は、岐阜大会の有力・注目選手紹介の後編です〔→前編はこちら〕。ところで今年、社会人野球の最も大きな全国大会「都市対抗」も、岐阜大会と同じ13日に東京ドームで開幕します。岐阜県に限ったことではありませんが、高校野球と社会人野球は、同じアマチュア野球で大きな関係性のもとにあります。今回は岐阜大会の有力・注目選手を、“社会人野球”の切り口から紹介していきます。


■社会人球界出身の父をもつ岐阜県の好選手

▼野波祐太郎(大垣日大)

野波祐太郎(大垣日大)

優勝候補・大垣日大で、背番号6をつける野波。父は現在、三菱自動車岡崎で指揮をとる野波尚伸監督です。「高校は寮なので親元を離れていますが、中学まで父と一緒に練習したときは、直接的な答えではなく、結果につながるヒントや練習法を教えてくれました」(祐太郎)。父と同じ右投左打。「父の現役時代を知る人から、打ち方が似ていると言われます」。

中学時代は、石川昂弥(東邦)や河田翔太(享栄)らとともに硬式クラブ「知多ボーイズ」でプレーしていました。彼らが内野を守り、野波は外野についていましたが、名将・阪口慶三監督の教えを請うべく大垣日大へ進むと、父と同じ内野手としてぐんぐん成長。本人が「足が速いのはセールスポイント」と話すほか、やはり父譲りのシュアな打撃も見所十分です。

息子・祐太郎は14日に大垣市北公園野球場で初戦。一方、東京ドームの「都市対抗」でタクトを振る父・尚伸監督は15日に初陣を迎えます。


▼岩橋球斗(海津明誠)

岩橋球斗(海津明誠)

チームでは捕手と投手を両方務め、打線でも主軸の岩橋。父は、同校を率いる岩橋浩二監督という“父子鷹”です。その岩橋監督は現役時代、昭和コンクリートで投手としてプレーしていました。次男・球斗について「野球が大好きな“野球馬鹿”。しっかり喋れる(コミュニケーションできる)面もあるかな」。打っては振る力と積極性があり、投手でも捕手でも威力のある球を投げます。

海津明誠の初戦は、開幕日(13日)の長良川球場。2年前の岐阜大会では、3回戦で名門・県岐阜商を破っているように、上位に食い込む実力があります。豊富な練習量を武器に、昨秋の県ベスト8をまずは超えます。



■社会人OBの監督が育てる好選手

岐阜県では岩橋監督以外にも、社会人球界に在籍した経歴をもつ高校野球の監督が複数います。

たとえば鍛治舎巧監督(県岐阜商)、橋本哲也監督(中京学院大中京)、田所孝二監督(岐阜第一)が該当します。鍛治舎監督は松下電器(現・パナソニック)、橋本監督はNTT西日本で監督も務めました。田所監督は日本新薬で選手として活躍しました。

この3校はいずれもシード校。昨秋と今春の県大会では、ベスト4を大垣日大を加えた4校で占めました。3年生の注目選手を1名ずつ挙げるなら(※前編の選手を除く)、鋭い振りで塁間を破る打球を放ち、小柄ながら本塁打も打てる加藤駿希(県岐阜商)、センスある好打者の副島誠巴(岐阜第一)、抜群の安定感を誇り高校生レベルでは攻略困難な左腕・不後祐将(中京学院大中京)を挙げたいと思います。

加藤駿希(県岐阜商)
不後祐将(中京学院大中京)

また、有賀竜哉監督(大垣商・インタビューはこちら)は西濃運輸、田口聖記監督(帝京大可児・インタビューはこちら)はシダックス、藤井潤作監督(東濃実)は一光でそれぞれプレー経験があります。中でも大垣商は昨夏、エースの富田蓮らが2年生ながら好投して県準優勝しており、最上級生になった今、今度こそはの期待が高まります。帝京大可児は村尾篤志が高校通算30弾超の強打者。東濃実は下級生に好素材が多くいます。

富田蓮(大垣商)

こうした社会人出身監督に導かれ、好チーム、好選手へ仕上がっていきます。


■社会人の高い技術をチームに取り入れ、強化の例も

さてここまで、社会人でプレーした経験をもつ父、監督とその選手に焦点を当ててきましたが、高校球界全体で見ればそれは少数派。その一方で、熱心な高校の監督は、自らのネットワークを生かし、社会人の高い技術をチームに取り入れ、選手に学ばせています。

多治見工もその一つ。昨秋、公式戦で守備に綻びが出て5失策したことで、青木崇監督が知り合いの社会人野球の元選手に臨時コーチを依頼。すると「守備が見違えるほど良くなりました。内野手もグラブさばきなど格段に良くなった。練習試合をした相手校の監督が驚くほどです」(青木監督)。

チームは近年、県ベスト16からベスト8以上も狙える実力を絶えず維持。培ってきた土壌があってこそですが、そこへタイムリーに高い技術を植え付けるのも、監督の手腕が成せるワザです。そして、その社会人の元選手が教えたという技術の質にも、あらためて驚かされます。

こうして強固になったバックを背に、マウンドを預かる左腕・水野光稀は県屈指の好投手。勝ち上がりが望めそうです。

水野光稀(多治見工)
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野球ライター

1984年生まれ、岐阜県出身。東海地区のアマチュア野球(高校/大学/社会人)を取材し、野球雑誌などで記事を発表している。年間のアマチュア野球観戦試合数は120を超える。

数々の野球部を訪れ、ひたむきな球児や情熱的な指導者、工夫した練習法などを取材。ここ数年のうちで東海地区からプロ入りした選手はほぼアマチュア時代から追いかけており、中日ドラゴンズで活躍する濱田達郎投手(愛工大名電高出身)や、西武ライオンズの高橋朋己投手(西濃運輸出身)らもその一人。

無名の好選手を“発掘”するのも得意で、評判の選手がいると聞けば練習試合まで駆けつける。プロ球団スカウトとも交流が深い。

野球場に足を運ぶこと自体の楽しさにも魅了され、学生時代を含めれば10年以上、球場通いを続けてきた。高校野球の地方大会は特に多くのドラマを見てきた部分。今年の夏に思いを馳せる。

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