タランティーノ4年ぶりの新作『ワン・ハリ』感想 2019/9/11

写真撮影に応じるクエンティン・タランティーノ監督とレオナルド・ディカプリオ

タランティーノの新作だ。しかも4年振り。一瞬たくさん映画を撮ってるイメージがあるタランティーノだが、実は逆。オリンピック周期に近い期間で新作を発表する巨匠監督なのだ。1991年のデビュー作『レザボア・ドッグス』、1994年のカンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作『パルプ・フィクション』でハリウッドの映画界の寵児になったタランティーノが1969年のハリウッドを描く新作が『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(略してワン・ハリ)だ。

タランティーノがそんなに多作じゃないのには理由がある。まず作品に対する準備熱がハンパない。脚本も当然タランティーノが書いているのだが、徹底的な秘密主義を貫く。やはりタランティーノ自身、自分しか描けない独特の世界観を描けるのはその秘密主義なところにも出ており、その昔、ストーリーが流出疑惑が出た際、再度作り込みから開始するぐらいの熱意で自作に取り組んでいるのだ。あとは撮影も徹底的なフィルム主義。この5年間ぐらいで映画の撮影はデジタル主流になっているのだが、タランティーノはフィルムで撮影している。当然今回の新作もフィルム撮影だ。やはり自作に注ぐ愛、映画に懸ける熱情が熱いが故の制作本数の少なさに繋がっている。

そして新作の『ワン・ハリ』。いやぁー面白かった!タランティーノ信者の僕にとっては、そうきたか!そうくるか!まじか!え!嘘!すげぇ…な展開で、ぜひ皆さんに映画館で観ていただくことをお薦めする。内容には僕は触れないし、気になる方は事前情報はチラシぐらいにしておいて観に行っていただくことをお薦めする。まぁ主演のデカプことレオナルド・ディカプリオと、ブラピことブラッド・ピットの二人を眺めてるだけでも興奮してしまう映画だから、上映時間2時間40分もあっ!という間に過ぎていくからご安心を。

タランティーノの映画はタランティーノの好きや映画好きには本当に評価が高い。その理由の一つには個性過ぎる世界観で映画を作ることの魅力がある。先程も述べたようにどくじの世界観の中に垣間見える映画熱に我々が撃ち抜かれてしまうのだ。では逆にタランティーノ映画を初めて観る方にはどう映るのか?そこも流石タランティーノ。まずは映画を観てもらって必ず観客に対して何かを残す作りになっている。キャストなのか、音楽なのか、絵作りなのか。その気になる一点からタランティーノの世界観にどっぷり浸かる方も多いと思う。

ちなみに僕の人生の外国映画ナンバーワンは『パルプ・フィクション』。公開当時何十回も映画館に観に行き、公開される他県にもおっかけしたことあるぐらい大好きな映画。その理由の一つはやっぱりタランティーノが持つ映画中毒性にハマってしまうのだ。今でも大学でタランティーノについて講義することがあるのだが、『パルプ・フィクション』に関しては自分も大好き過ぎて、おしゃべりタランティーノになってしまうので要注意している…。

映画は喜怒哀楽、罵詈雑言、言われてこそ映画。それぐらい熱意を持って観客が映画を観てくれた結果だと思う。タランティーノ映画はまさにそれ。観終わると誰かといろいろ話したくなる。でも不思議とSNSとかじゃなくて観た人同士顔を合わせて。映画から人と人とのコミュニケーションを作ってしまうタランティーノ。流石。

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シネマスコーレ副支配人

1978年名古屋市生まれ。

小学3年生の時に映画の魔力にかけられ、現在まで31年間映画のことしか知りません。

某シネコンから2001年にシネマスコーレに入社。たまに非常勤(愛知淑徳大)、たまにレギュラー番組出演(東海テレビ「映画MANIA」)など映画のことなら何でもやります。まさかの自分のドキュメンタリー、『劇場版シネマ狂想曲』が全国で公開中。名古屋を映画で一番熱い場所にするためにシネ活中。

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