自律神経のバランスを調えましょう!/《ふぁんそん気功講話》3 2019/10/28

●恐怖が自律神経に働きかけた

一人の女性が夜道を歩いていました。

すると、後ろから誰かが付いてきている気配がします。
確かに歩調を合わせて靴音が着いてきているんです。
恐怖が彼女を襲います。

その時の彼女の状態を想像してみて下さい。
心臓はバクつき、呼吸は速くなり、脳は冴え、目は見開き、顔は青ざめ、手足は冷たくなり、自覚はできないけれど血糖値は上がり、アドレナリンの分泌が促進されている筈です。

このような危険な状況に遭遇した経験をお持ちの方もおられるだろうと思いますが、彼女のように緊張状態が最大値に達しているような時、、そんな状態を「闘争か逃走か反応」と呼ぶんだそうです。

つまり、闘うために握り拳や腕の筋肉に、逃げるために脚の筋肉に、そして瞬時の判断を間違えないように目や耳の感覚器や脳に大量の血液(栄養分)を速く送羅無ければならず、そのために血管を細くし、心拍数を速め、血糖値を上げているんですね。

だから、顔や手足の皮膚には血液は行かなくなり、顔は青ざめ、手足は冷たくなるんですね。

さて、これら、体の変化を起こしているのは自律神経の作用です。

彼女の場合、「闘争か逃走か反応」を起こしているのは、自律神経の中の交感神経が最大値になった状態なんですが、自律神経ですから自分の意志(脳からの指令)で変化させることは出来ない訳です。

しかし、状況によって緊張状態にすれば交感神経優位になる訳ですから、逆に言えば、リラックスした時の副交感神経優位にすることも出来る筈です。

ここに目をつけたのが僕(和気信一郎)が開発した「ふぁんそんテクニック」です。

●バランスを調えることが大切

自律神経が交感神経側に傾いていると、脳や手足の筋肉に栄養を送ることが優先され、手足の指や皮膚ばかりでなく、内臓諸器官への栄養補給も疎かになります。

人体の全体的な構造で言えば、感覚や脳や運動を司っている動物性機能ばかりに栄養が送られて、内臓諸器官の働きに関与している植物性機能の側には栄養が行かなくなるということなんですね。

私たちの命は植物性機能の働きを基礎にして成り立っているんですが、ここに栄養が送られないということは、直ちに影響があるとは感じられないけれど致命的なことなんですよね。

交感神経と副交感神経はバランスですから、自律神経はその双方に行ったり来たりしながらバランスを取っている訳ですが、私たちの日常は、これを崩すように暮らしていると思うんです。

起きて活動している時間、つまり交感神経側に働いている時間とゆったりと休んでいる副交感神経側に働いている時間との差が余りにも大きいんですよね。

一日は24時間ですから、本当は半々の暮らしが良いのかも知れませんが、実際はそうもいきません。

でも、少なくとも、16対8くらい、起きている時間が16で休んでいる時間が8くらいがバランスを取る上での最低の条件だと思うんです。

その上で、8時間働いて、8時間は眠り、残りの8時間を自分の趣味や友達や家族との団欒の時間に当てられると良いんでしょうが、実際は、深夜まで煌々とした明かりの下でパソコンを打っていたり、スマホを見ていたりという具合で、そのバランスを崩しているんですよね。

このような生活スタイルが、高血圧や高血糖、狭心症などを含めて多くの心身症やストレス性疾患の原因になっているのですから、自分の命と健康を守るためにも、自律神経のバランスを取っておくことが大切になるんです。

これを解決するためには社会的な働き方の制度などにもメスを入れなければなりませんが、実際問題としては、自分で解決できるところは自分でしなければなりません。

つまり、緊張の交感神経側からリラックスの副交感神経側に移行させる技を身につけ、仕事の合間やちょっとした時間を見つけて副交感神経の側の体にすることが大切で、それを可能にするのが「ふぁんそんテクニック」です。

●キーワードは〔体性感覚〕

さて、自らの体を副交感神経の側に持って行くことの意味はお解り頂けたと思いますが、では、実際に、どうすればそうすることが出来るのかということになりますよね。

副交感神経は自律神経ですから、本来は自らの意志(脳からの指令)によって働かせることの出来ない神経です。

交感神経の側に持って行く条件は、、最初に出て来た彼女のような恐怖だけでなく、不安や緊張、激しい怒り、焦りや憎悪の場合も同じで、あなたの過去の経験の中で、心臓がバク着いた時の状況を思い出してみればご理解して頂けると思います。

彼女のような極度の恐怖状態になれば、独りでに交感神経側の最高値である「闘争か逃走か反応」にまで持って行ける訳ですから、逆に言えば、何かの条件を作りさえすれば副交感神経の側にも持って行けるように思うんですよね。

自分の意志で自律神経には働きかけられないけれど、何かを媒介にしさえすれば、自律神経にも変化を与えられるということなんですね。

では、副交感神経の側に持って行くにはどうすれば良いのでしょうか。

特に、日中の働いている時間帯、即ち、交感神経の側に働くことが多い時間帯の中で副交感神経の側に持って行くにはどうすれば良いのでしょうか。

僕(和気信一郎)が開発した「ふぁんそんテクニック」では体性感覚〕というキーワードに注目したんですね。

体性感覚というのは、体内の状態の異常や変化を感知する感覚です。

動物性機能における感覚である五感のように外部の情報を感知する感覚ではなく、体からの声や訴えを聞く感覚なんです。

「おなかが減ったよー」とか「トイレに行きたいよー」とか、「膝が痛いよー」、「首が凝ったよー」などというように、自分の体の中の情報を脳に伝える感覚、それが体性感覚です。

しかし、この感覚は、体内に異常や変化が起こらないと働かないんです。

視覚や聴覚のように、見よう、聴こうという意志を持って働かせることはできないんですが、その体性感覚を用いようという訳なんです。

そこで目をつけたのが、体性感覚の一つである運動の感覚、中でも受動的に動かされている動きの感覚に没頭することだったんです。

この「受動的に動かされている動きの感覚に没頭する」というところから「ふぁんそんテクニックは始まります。

●その場で出来る「ふぁんそんテクニック」

では、「ふぁんそんテクニック」を一つ。

いま座っている椅子やソファーのままで構いませんので、体重を左右に移しながら、体を左右に揺らして下さい。

頭や肩などの上半身を故意に動かすのではなく、左右のお尻(坐骨)で体重を動かすようにして下さいね。

すると腰や背中、或いは首の付け根辺りで脊椎が湾曲しながら揺れてきます。

もし、体が硬くて脊椎(背骨)が棒状に感じる人は、竹を丸く曲げるような感じで、一度、体重が行く方に向かって背骨を丸く突き出すようにシテみて下さい。

生えている竹の根元を持って左右に揺らすと、竹全体は撓みながらゆさゆさと揺れますが、丁度そんな感じです。

この場合、故意に動かすのは坐骨での体重移動で、背骨は揺らされているだけになりますよね。

そして、大事なポイントは、その揺らされている背骨の形をわかりながら、そのゆれの感覚だけに没頭することなんです。

それを続けていくと、速い人なら1分くらいで、遅くとも3分くらいで体に変化が現れてきて、手足の指が温かく感じられてくると思いますが、それが交感神経の側から副交感神経の側に移行してきている証拠なんですね。

それだけで脳の緊張がほぐれ、ストレスによって抑圧されていた内臓諸器官の働きが正常に戻る方向に向いていくんです。

この左右への背骨ゆらしを、僕(和気信一郎)は「すわり金魚」と名付けました。

どうか少しの時間を見つけては「すわり金魚」で体を副交感神経の側に戻して下さいませ。

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プロフィール

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鍼灸師・気功法講師。

和歌山県出身。日本福祉大卒。名古屋市内に鍼灸院「和気」を開院(2015年、閉院)。林茂美師に師事し気功を習得。愛知県名古屋盲学校専攻科非常勤講師(2016年退職)

現在は名鉄カルチャースクールにて講師活動のほか、名古屋市内にて各種の気功講座、気功教室を担当。

また、2013年より京都、妙心寺内大心院にて気功講習会を開始。現在に至る。

趣味は、陶芸、京都・奈良ウォークなど。

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