空としての広がりを!/《ふぁんそん気功講話》4 2019/11/4

●「ふぁんそん」の体感

ちょっと面白い実習をしてみましょうか。

何の実習かと言えば、それは胸板呼吸です。

実際の呼吸ではなく、息を胸の中に吸い入れた時、その空気は胸板から染みこんで来るように体感してみるんです。

そして、その空気を胸板から吐き出すようにして、その胸板呼吸を続けるんです。

軟らかなスポンジを軽く握った後、手を緩めると、スポンジは空気を吸うように膨れると思いますが、丁度そんな感じで胸板を通して胸の中に空気は入って来るんですね。

胸の中はスポンジですから、外にビニールの膜はありませんので、胸板の皮膚は細かな穴だらけ状態です。

胸の扉はガラス戸ではなく網戸なんですね。

そんな感じで胸板呼吸を少し続け、最後に息を吸い入れる時、両掌を鎖骨の下辺りに近づけてから掌を下に向け、息を吐きながら胸の中の空気をくり抜くような感じで両手をみぞおち辺りまで降ろし、その空気をそのまま外に払い出すような感じで両手を前下に押し出し、その両手をラクに降ろし、掌を前に向けて胸の中を体感してみて下さい。

胸の中と胸の前の空気が溶け合い、胸板というバリアが薄れているように感じられると思います。

その感覚が「ふぁんそん」の感覚なんですね。

●「ふぁんそん」は空洞感として広がっていく

「ふぁんそん」という概念と同時に、実践的な体験(体感)から言えば、「ふぁんそん」は体内の空洞感なんです。

空洞感と言っても透明な、何も無いといった感覚では無く、実感のある空気、温かな空気の実体感はあるんです。

丁度、風船を膨らませ、実際には有り得ないことですが、その風船のゴムを取り除いても、その中の丸い空気の存在があるような感じなんですね。

かと言って、最初から体全体が風船状態になる訳ではありません。

体の中の緩んだところから、つまり「ふぁんそん」してきたところから内的な空洞感が作られ、それも体のあちこちで作られ、その感覚が膨れたり繋がったりして体中に広がって行くんですね。

そして、それと同時に、皮膚そのものが「ふぁんそん」して行きますので、実体感のある空気は皮膚を越えて体の外にも広がっていくという感覚も体感できてきます。

つまり、体内の空洞感が皮膚を越えて広がり、自分自身をも包むような大きな空洞感にまで広がって行くんですね。

うまく表現は出来ませんが、底辺の一点はそのままに、球的な空洞感が少しずつ大きくなり、やがては自分を越えた大きな球的存在として体感できるようになっていくんです。

大事なことは、これが頭で作ったイメージではなく、体感を伴っているということなんですね。

しかし、体感ですから、こればかりは体験してみないと解りませんし、この体験も視覚や聴覚などの五感を用いた体験ではありませんので、最初にしたような体験を含め、多くの「ふぁんそん」の体験が必要になるんです。

●不意と即是

「ふぁんそん」の空洞感を、仮に「空」と理解してみますと、それを教えてくれる文書があります。
 
それは、般若心経という経典です。

般若心経の全体的な解釈、気功的な解釈については、いずれ何処かで書かせて頂きますが、此処では、般若心経の中の最も有名なフレーズを取り上げて考えてみようと思います。

そのフレーズとは、次の一節です。

〔色不異空/空不異色/色即是空/空即是色〕

さて、これは、肉体的な実態としての存在である「色」と、「ふぁんそん」的な空洞感としての広がりである「空」との関係について記したものであると、僕(和気信一郎)は気功的に理解しています。

仏教的な解釈では、「不意」というのは「離れては存在しない」という意味であり、「即是」というのは「完全に一致している」、即ちイコールだという意味だそうです。

その解釈で言えば、まず、私という肉体的な存在と空的な存在は「離れては存在しない」のです。

そして、更に、私の肉体的な存在と空的な存在は「完全に一致していく」のです。

ここには「不意」から「即是」への発展があると理解すべきでしょう。

「色」は広がらないけれど、「空」に広がりがあるからこそ「不意」と「即是」の差が出て来ているのです。

●「ふぁんそん」的な体感は広がっていく

ふぁんそん的な空洞感を般若心経で説かれている「空」としてみますと、体内の一部、例えば胸の中が「ふぁんそん状態」になった場合、それは、色と空は不異の状態、離れては存在しないということだと言えるでしょう。

また、その胸の中の空洞感が胸板側の皮膚を越えて前に広がり、自分の胸の中と自分の前の空気との一体感が生じ、胸板という中と外を隔てる皮膚感覚が薄れている場合でも、色と空は不異の状態です。

体内の空洞感が体一杯に広がっている体感が出来た場合、それは色と空が即是の状態、完全に一致している状態になっている訳ですが、同時に、その空洞感が全身の皮膚を越えて外に広がっている場合、即ち、皮膚感覚が薄れ、周りの空気と自分の体内感覚が溶け合っている場合も色と空は即是状態だと言えるでしょう。

つまり、不異も即是も固定的な状態ではなく、不異から即是への発展があると同時に、不異も即是もそれぞれに発展していくということなんですね。

「ふぁんそん」の感覚は、掌の感覚、気のボール感覚や胸の中の空洞感などから広大な宇宙的な規模の感覚までの広がり、発展という内容を含んでいるんです。

般若心経は「ふぁんそん」の奥の深さを感じさせてくれました。

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●内容
*午前の部
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●日時
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●場所
*京都市、花園、妙心寺内大心院

●費用
*三千円(半日でも同じ)

●お申し込みは
*09019816957
kikounonakama@yahoo.co.jp

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プロフィール

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鍼灸師・気功法講師。

和歌山県出身。日本福祉大卒。名古屋市内に鍼灸院「和気」を開院(2015年、閉院)。林茂美師に師事し気功を習得。愛知県名古屋盲学校専攻科非常勤講師(2016年退職)

現在は名鉄カルチャースクールにて講師活動のほか、名古屋市内にて各種の気功講座、気功教室を担当。

また、2013年より京都、妙心寺内大心院にて気功講習会を開始。現在に至る。

趣味は、陶芸、京都・奈良ウォークなど。

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