人気の愛岐トンネル群“秋の特別公開”は11/23(土)〜12/1(日) 2019/11/21

愛岐トンネル群の入口付近にある3号トンネルには、実物大のD51の垂れ幕

愛岐トンネル群に行かれたことはありますか?愛知県と岐阜県の県境付近を、中央本線はいまや複線トンネルで抜けています。そのトンネルができる前に、庄内川の渓谷沿いを単線で走っていた頃の廃線跡です。

この廃線跡を整備し、数多くあるトンネルとともに歩いて楽しむことができるようにした片道1.7キロのハイキングコースが愛岐トンネル群です。人里離れた地で、さらに車とも無縁なだけに、秋の紅葉シーズンは美しい紅葉等がみられるとあって、毎年秋の特別公開は大人気です。

中央本線の定光寺駅から庄内川に沿って上流へ約300メートル歩いたところからはじまります。午前9時30分に開門し、午後2時まで入場可。午後3時に閉門となります。受付で入場料100円を払うと、すぐ目の前に3号トンネルがあります。D51形蒸気機関車の正面を描いた大きな垂れ幕が架かっていますが、実物大に描いてあるそうで、トンネル断面と大きさを比べて欲しいとのことです。

レンガ巻きのトンネル内を自分の足で歩くことができる

片道約1.7キロの廃線跡に、トンネルは3号から6号まで4つあります。それぞれレンガ巻きのしっかりしたもので、トンネルポータルはもちろん、内壁にもしっかりとレンガが巻かれています。また、長さや曲がり具合などそれぞれに個性があり、それらを直に歩いて観察できるのは貴重な機会といえましょう。

3-6号トンネルはほぼ入口から出口が見られる距離で気軽に歩けますが、最後の6号トンネルは333メートルと長く、しかも途中でカーブしているため中は真っ暗です。懐中電灯を持参したいところです。その長い6号トンネルを抜けると愛知県と岐阜県の県境で、いま公開されているのはここまでとなります。

途中、玉野渓谷を眺めつつ休憩する場所や売店などもある

愛岐トンネル群が人気なのは、単に廃線跡を歩くハイキングコースというだけでなく、途中で玉野渓谷と呼ばれる渓谷美が楽しめたり、地場産の食べ物の売店ができていたり、途中にあるレンガ広場でコンサートが開かれていたりと、人それぞれに楽しむことができる工夫もされているためでしょう。トイレもところどころに用意されていて、廃線跡散策道としては実に至れり尽くせりの設備となっています。

往復2時間程度のコースですが、マイペースで楽しむのもよし、弁当持参でのんびり過ごすのもよし、現地で飲食物を調達して気ままに過ごすのもよしといったところでしょうか。必ずしも文化財としての廃線跡と意識して歩くだけでなく、健康作りの一環として訪ねるのも悪くないと思います。

玉野古道からみる暗渠のきれいなレンガ巻き

とはいえ、約1.7キロの道を単純往復するのは面白くないと思う人も少なくないと思います。そんな方にお勧めなのが、復路に玉野古道を歩く周遊コースです。

折り返し地点の手前にある最長の6号トンネルと、その手前の5号トンネルのあいだにレンガ広場というコンサートなどをする広場があります。その広場の6号トンネル寄りから川へと下る細い道があります。この道を下ったところに玉野古道があります。愛知県と岐阜県の県境には内津(うつつ)峠があり、古来ここを超える道が尾張と東濃を結ぶ最短経路とされてきました。ところが、峠道ですから楽ではありません。

そこで、庄内川に沿った小道が整備され、明治28年に開通しました。なんと、有料道路だったそうです。ところが、翌29年に中央本線の工事がはじまってしまい、わずか1年で役目を終えたそうです。これを玉野古道と呼んでいます。中央本線開通後に玉野古道は保線用道路として活用されていたそうで、そこを再整備して歩けるようにしています。

その玉野古道の途中で見られるのが、上の写真にある暗渠(あんきょ)です。暗渠とは名ばかりで見事にきれいなレンガの色に目が奪われます。山側に溜まる水を庄内川に流すために造られたということですが、100年以上を経て特に手入れをしていないにもかかわらずこのきれいさが保たれているのは驚きです。一見の価値がありますよ。

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(有)鉄道フォーラム 代表取締役

1958年愛知県犬山市生まれ。大学卒業後に10年のサラリーマン生活を経て、当時話題だったパソコン通信NIFTY-Serveで鉄道フォーラムの運営をするために脱サラ。1998年に(有)鉄道フォーラムを設立。2007年にニフティ(株)がフォーラムサービスから撤退した際に、独自サーバを立ち上げて鉄道フォーラムのサービスを継続中。

一方、鉄道写真の撮影や執筆なども行い、「日本の“珍々”踏切」(2005.2 東邦出版刊)、「鉄道名所の事典」(2012.12 東京堂出版刊)、「トワイライトエクスプレス」食堂車ダイナープレヤデスの輝き−栄光の軌跡と最終列車の記録−(2015.9 創元社刊)など著書多数。

当「達人に訊け!」をまとめた書「東海鉄人散歩」(2018.7)が、中日新聞社から刊行された。

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