ヨーロッパに伝わったコーヒーとカフェのお話 Part.1 2019/11/19

イタリア・カフェグレコ・・・Hack Coffee Beansの写真から抜粋

いつもありがとうございます。

1554年トルコのイスタンプールに世界で初めて出来たカフェ、「カフェ・カーネス(コーヒーの家)」その後、イスラ−ムからキリスト教の世界に広まったコーヒーとカフェ。時代や国によっていろいろなスタイルを変え繁栄してきました。

そうしたなかでも日本のスタイルは、世界でも独特で独自の道を歩んできました。コーヒーだけを飲ませる珈琲専門店、飲み物を中心にした喫茶店などの日本スタイルは、世界ではとても珍しいスタイルだったのです。世界のカフェスタイルは、まず食べ物ありきでその付属品としての飲み物(コーヒー)だったのです。

しかし、近年、世界のカフェ事情は大きく変化してきました。1980年代くらいから始まったセカンドウェーブ(コーヒー業界の第二の波)のスターバックスを中心としたシアトル系コーヒー店などのカフェスタイルは、それまでの食事が中心のスタイルとは違い、日本の喫茶店スタイルを模倣して生まれ、瞬く間に世界を席巻しました。

また、現在注目を浴びているブルーボトルコーヒーを中心にしたサードウェーブ(第三の波)は、高品質のコーヒー豆を使用して、「挽きたて、淹れたて、ドリップコーヒー」という一杯仕立てのファーストフードとは一線を課した「おもてなしコーヒースタイル」で、今多くの方々に支持されています。しかし、そのスタイルは、日本ではすでに40年以上も前から主流となっていた喫茶店スタイルで、ブルーボトル等はそれを模倣したカフェスタイルなのです。

いかがですか!

今、世界の珈琲界をリードしているのは日本の茶の湯文化から発生した喫茶店(kissaten)スタイルなのです。日本のコーヒーは世界に誇れる珈琲文化をすでに昔から確立していたのです。大戦以降、世界で一番良いコーヒーを楽しんでいるのは、実は私たち日本人なのです。

今回は、現在に至るまでのカフェスタイルを世界の歴史からどのように広まり変換してきたかを紹介していきたいと思います。

【エジプトのアレキサンドリアからヨーロッパに伝わったコーヒー】
イスラム世界との交通の要所であったエジプトのアレキサンドリアからイタリアにコーヒーが伝わり、1645年にヴェネツィアにヨーロッパ最初のコーヒー・ハウスが誕生したと言われています。1650年にはイギリスにコーヒー・ハウスができました。 コーヒーハウスは新聞を読んだり、政治を論じたりといった男社会の交流の場でありました。

カフェ(仏: café、伊: caffè)は本来コーヒーの意味ですが、今ではそれが転じて、コーヒーなどを飲ませる飲食店を意味します。ヨーロッパの都市に見られる飲食のできる店を意味し、飲食ができ、新聞や雑誌がそこで読め、時の話題について談笑し、情報交換のできる場所として親しまれてきました。

各国語の表記・発音は以下の通りです。

・ フランス語: café(フランス語発音: [kafe] カフェ、パリ周辺ではキャフェ)
・イタリア語: caffè(イタリア語発音: [kafˈfɛ] カッフェー)
・英語: café(イギリス英語発音:/ˈkæfeɪ/ キャフェイ、アメリカ英語発音:/ˌkæˈfeɪ/ キャフェイ)

イタリアで現存するもっとも古いカフェ・・「カフェ・フローリアン」

@ イタリア・ヴェネツィアでEU初のカフェがオープン
「カッフェ・フローリアン」
カッフェ・フローリアン (Caffè Florian) はイタリア・ヴェネツィアのサン・マルコ広場にある、ヴェネツィアに現存する最も古いカフェ。カフェ・ラテの発祥店としても有名です。

1720年12月29日サン・マルコ広場南側の新行政館の回廊に創業し、現在も同じ場所で営業している。アッラ・ヴェネツィア・トリオンファンテ「ウィキぺディアより抜粋」
(Alla Venezia Trionfante) と名付けられたが、現在では創業者のフロリアーノ・フランチェスコーニ (Floriano Fracesconi) の名をとって、「フローリアン」と呼ばれている。

カフェ・グレコ

「カフェ・グレコ」
アンティコ・カフェ・グレコ (Antico Caffè Greco) は、1760年にイタリアローマコンドッティ通り86にオープンした歴史的なカフェである。ローマで現存するもっとも古いカフェとして知られていて、イタリア国内ではヴェネツィアの カッフェ・フローリアン(1720年創業)だけがグレコよりも古いカフェです。

【解説】
地中海貿易を通じて、もっとも頻繁にイスラム圏(エジプトのアレキサンドリア経由)と交流のあったイタリアは、早くからコーヒーに関する情報を入手しコーヒーに触れる機会が多かったそうです。正しい文献はありませんが、イタリアでは1645年にカフェが存在していたともいわれています。

記録が残っている最初のカフェは、1683年にヴェネチアで開業しました。この後18世紀半ばにかけてイタリアの各地に多数のカフェが店を開き繁盛期でしたが、だんだん商業の中心はイギリス、オランダにうつり、イタリアは文化・経済も衰退に向かっていったのです。イタリアのカフェは、身分を問わず雑多な人々が集まる自由な空間で、色事師、詐欺師、数学者なども集まり、ゴシップや賭け事がつきもので、イギリスのカフェとは随分雰囲気が違っていました。

19世紀のイタリアはヨーロッパ中の知識人、芸術家たちの観光地と化して、ローマ・ヴェネチア・フィレンツェなどの有名なカフェには多数の外国人が訪れ、外国人による芸術カフェの様相を呈していました。ローマの「カフェ・グレコ(ギリシア人のカフェ)」などは、ドイツ人がたむろし、「カフェ・テデスコ(ドイツ人のカフェ)」と皮肉られるほどでした。

一方、イタリアの大衆的なカフェは、徐々にカウンターを備えたバールの形態をとるようになりました。1901年にベッツェラが発明したエスプレッソ・マシンが、バールに取り入れられ、第二次世界大戦前には現在のスタイルが確立したのです。イタリアのバールは、大戦後はフランスをはじめとするヨーロッパ、最近ではアメリカ、日本でも取り入れられ、カフェの世界標準となりつつあります。

【イタリアのバール】
バール(bar)は、イタリア・スペインなどの南欧にある軽食喫茶店の事を差す。食事にも重点をおいたリストランテ・バールから、コーヒー中心のカフェ・バール、 アイスクリーム中心のジェラテリア・バールなど様々なものがある。

カウンターで立ち飲みするスタイルで、バリスタがエスプレッソやカプチーノなどを作って提供する。朝食をとったり仕事帰りに気軽に立ち寄って一杯飲んでいく。軽食(パニーノ)や夏場ならジェラートなどが用意されている店も多い。公衆電話やトイレを備えるため、休憩所にも利用される。路線バスや路面電車の乗車券や煙草、トト・カルチョなどのくじを売るタバッキや、雑貨店など他の商店を兼ねている店も多い。語源はバーに由来するが、バーのように酒類が主ではなく、喫茶や地域の情報交換場所として使用されている。夜は酒類も注文可能なことが多い。古くは男性のみが集まる場所であったが、女性の社会進出に伴い女性単独での利用も当たり前となった。テーブル席を別メニューとして高い料金をとる場合が多く、カウンターに比べてあまり利用されない。

ウィーンのカフェ・ハウス・・・たび こふれ から画像抜粋

A ウィーンでカフェーが誕生したいきさつには、面白い伝説があります。
・・・1683年、オスマントルコが第2次ウィーン包囲を敢行しました。都は危機を迎えましたが、そこにかけつけたポーランド王ヤン・ソビエスキーとロートリンゲン公カールの援軍によりトルコ軍を敗走させ、ウィーンの街を救うことに成功しました。

トルコ軍はコーヒー豆の入った数百の袋を残していきました。この豆は、戦火の中をかいくぐってロートリンゲン公への伝令役を務めたコルツスキーという男に、皇帝から褒美として授けられて、コルツスキーはウィーンで最初のカフェを開業したそうです。

ところが、のちの歴史研究によって、この伝説はインチキ話で、コルツスキーは確かに1回だけは伝令にいきました。しかし、本当の肝心なときに伝令役を果たしたのは、東欧や中近東のことばに明るいミヒャエロヴィッツという人でした。しかしコルツスキーは、この重要な伝令役の主役が自分だったと宣伝ビラで大々的に主張して、ミヒャエロヴィッツは自分の従者だという話しまでデッチあげ、自分を英雄に仕立て上げたのです。

17〜18世紀のオーストリアの首都ウィーンは「カフェの中に住む都市」と呼ばれたように、日常の暮らしから公的な催しに至るまで市民の生活にカフェが根付き、カフェ文化は生活文化の中心でした。

次回はイギリス、フランスなどに伝わったカフェをご紹介します。

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プロフィール

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日本コーヒー文化学会 理事、日本スペシャルティーコーヒー協会会員(SCAJ)、SCAJ公認 コーヒーマイスター(NO.169)、前・金沢大学講師 (文部科学省公認)

1977年岐阜県瑞浪市に「待夢珈琲店」開店、コーヒーの歴史書や専門書を読みあさり、独学で焙煎を覚え、自家焙煎の珈琲専門店をスタートさせる。

その後、世界のコーヒー産地を自らの足で回り、納得のいく優良な豆を買い付け、良質で新鮮な体に良いコーヒーを提供しています。

また、現在、中日文化センターの珈琲教室をはじめ、基礎クラスから専門クラスまで12講座をこなしています。

産地歴訪はエチオピア3回、イエメン4回、ブラジル、インドネシア、ケニア、タンザニア、ペルーなど。

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