ふぁんそんの正体(1)/《ふぁんそん気功講話》7 2019/11/25

今回は、ふぁんそんしている時の状態、ゆるんでいる時の状態においての掌感覚や気のボールの感覚、或いは腕の動きの感覚について考えてみますね。

京都での気功合宿の夜、気功の仲間が「ふぁんそんは拮抗ですよね」と言いました。彼の中では概念的に把握はしているんでしょうが、、この概念をもう少し解りやすく、そして正しく理解して頂くために、この〔拮抗〕ということについて考えてみました。少し変わった書き方ですが、この方が判りやすいかなと考え、次のような形で書いてみます。

〔拮抗1〕
合掌してから、両手で力一杯に押し合ってみて下さい。両手には力が入っているけれど、力は拮抗しているために、合掌した手は動きませんよね。でも、これは拮抗はしていても「ふぁんそん」の状態ではありません。

〔拮抗2〕
綱引きなどで両者の引き合う力がつり合っている場合も、力は拮抗している訳ですが、これも「ふぁんそん」の状態での拮抗ではありません。

*1、2のように、二者の力が同等で勝負がつかない場合も、力は「拮抗している」のですが、これは「ふぁんそん」の状態ではないんですね。

〔拮抗3〕
筋トレの手法に等尺運動というのがあります。例えば、ダンベルを持って肩先まで引き上げた後、ゆっくり降ろして行き、肘が90度くらいのところで止めてみるんです。動きが止まっていても筋肉は緊張した状態ですよね。筋肉の長さ(尺度)を変えないで筋力を付けていく運動なので「等尺運動」と呼んでいるんですね。これはダンベルを持たなくても、グーを握って、力を入れてしても同じことなんですが、これは肘を伸ばそうとする力と肘を曲げようとする力が拮抗しているんですが、この拮抗も「ふぁんそん」ではありませんよね。

〔拮抗4〕
膨らませた風船やシャボン玉を空中で放ち、それが沈みもせず浮かび上がって行きもせずに、その場でふわふわ浮いているとすれば、その拮抗は「ふぁんそん」に近いと言えるでしょうね。

〔拮抗5〕
何かの物体を水中に沈めて手を放った時、その物体が沈みもせず浮かび上がりもしないで、その水中でふわふわしている場合、これも「ふぁんそん」に近いと言えるでしょう。

〔拮抗6〕
では、「気のボール」を持っている場合の拮抗はどうなんでしょうか。等尺運動のように、間の空気を雄運動と両手を離す運動を力一杯にして拮抗させている訳ではありませんよね。かと言って、両手をただ向かい合わせている訳でもないんですね。微かではあるけれども、空気を圧迫しようとする力が働いていて、それが行き過ぎないようにと止める力も働いているんです。

言ってみれば、両手の間の空気を圧迫しようとする0に近い力を用いて両手を向かい合わせている訳で、これは「ふぁんそん」に近いと考えられます。

〔拮抗7〕
両手を垂らし、手の甲を前に向けます。そこから前腕を前に持ち上げていくように、ゆっくり肘を90度ほどに曲げていって止めてみて下さい。その場合、前腕の手の甲側と同時に肩や胸腹部にも少しの力が入っていると思います。これは「ふぁんそん」の状態を作るための力の用い方ではありません。

〔拮抗8〕
7の形から、少し肘を開くようにして、腋の下の空気を感じてから、肩の力を抜き、両腕を空気の上に乗せてみるようにしてみて下さい。すると、7の時と同じような形ですが、感覚は掌側になっていますので、7のような力は入っていないと思います。ここに「ふぁんそん」を考えるヒントがあるんだと思います。

〔拮抗9〕
気功の動きの基本である昇降(掌を下に向けた形で体の前で両手を上げ下げする動き)の場合、腕を上げ下げするのではなく、浮き上がってきたり膨らんできたりする腕の下の空気の上に両手を乗せているようにしてみるんです。また、開合(体の前で掌を向かい合わせた形で両手を遠ざけたり近づけたりする動き)の場合も、両手の間の空気が膨らんできたり、その空気を圧縮していくようにしてみるんです。

つまり、掌側の空気の浮き沈みや両手の間の空気の拡張や収縮などの感覚で手が動かされているようにしてみるんです。すると、筋肉による腕の力の感覚は薄れ、力を入れないでも腕が動いている、つまり、動かされているという感覚になって来るんですが、これは「ふぁんそん」して動いている動きに近いと思います。

〔結論〕
ふぁんそん的な動きは、上下であれ左右であれ、常に掌側の空気を感じ、掌側への0に近い力と、それに抵抗している0に近い力とのバランスの中で動いているんですね。ふぁんそん的な拮抗が、力を入れた拮抗でないのは勿論ですが、固体のように動きのないものではなく、0ではなく、0に近い掌側への力と、それに反発する0に近い力による微かな「ゆれ」によって作られているんですね。

というのが、主にふぁんそん的な腕の形や動きの説明になります。

但し、腕の中で気を通す感覚が出て来れば、また違った感じになりますし、胸の中や丹田での「ふぁんそん」は動きではありませんので、この〔拮抗〕の理論は当てはまらないかも知れませんが、これらについてはまた考えてみることにしますね。

●樹林気功の《あおぞら》に行ってみないかい?

*11月30日(土)午後1時半〜3時半
*名城公園「くぬぎ林」
*500円
※雨天の場合は名古屋市市政資料館にて開催します!

09019816957
kikounonakama@yahoo.co.jp

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プロフィール

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鍼灸師・気功法講師。

和歌山県出身。日本福祉大卒。名古屋市内に鍼灸院「和気」を開院(2015年、閉院)。林茂美師に師事し気功を習得。愛知県名古屋盲学校専攻科非常勤講師(2016年退職)

現在は名鉄カルチャースクールにて講師活動のほか、名古屋市内にて各種の気功講座、気功教室を担当。

また、2013年より京都、妙心寺内大心院にて気功講習会を開始。現在に至る。

趣味は、陶芸、京都・奈良ウォークなど。

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