ふぁんそんの正体(2)/《ふぁんそん気功講話》9 2019/12/9

(一)
「ふぁんそんは拮抗だ」と、ふぁんそんの状態を表現した仲間がいました。
その、ふぁんそんの状態について「ふぁんそんは空だ」と言った仲間もいたのです。
ふぁんそんの状態を「拮抗」や「空」と表した仲間たちは、それぞれにコレまでの体験、実践が違っていたのです。
出身母体が違うと言えばよいのか、一人は武術系の実践に取り組んで来た男で、もう一人は坐禅に取り組んで来た男だったのです。
従って、力のバランスである「拮抗」と、禅定的な「空」という表現になったのだろうと思います。
そこで今回は、「ふぁんそんは空だ」という内容について考察してみることにします。

(二)
「空」と言っても具体的な概念を持つのは難しいと思います。
誰もが理解できる具体的な状態を示すことが必要でしょうね。
これまで私は「ふぁんそん気功」を探求してくる中で様々な具体的な状態をヒントにしてきました。
例えば、両手を前後に振る(揺らす)スワイショウにおける力の抜き方においては、歩いている時の肩関節の中の揺れの感覚からヒントを得ました。
肩を回す動きにおいて、中心から動くという動き方は、小学校低学年の女子とプロボクサーのそれとの違いを見て、縄跳びからヒントを得ました。
それが〔蝶の羽ばたき・羽回し〕という「ふぁんそんテクニック」につながっていったのです。
タントウの前に行なっている〔踏み込み〕では、お神輿からヒントを得ました。
担ぎ棒の部分が骨盤で、社が上半身だと考えたんです。
社は担ぎ棒のところの台の上に乗っているだけで自ら動くことはありません。
担ぎ手の動きで動かされているだけなんですね。
そして、この担ぎ手が足に相当することに気づいたんですね。
他にも色々あります。
ライオンの調教師が持っているムチや新体操のリボンの動きなどは、緩んで動く、しなやかに動くという「ふぁんそん気功」の基本を教えてくれたものです。
さて、話は少しズレてしまいましたが、「空」について具体的な何かを思い浮かべることで、その概念をつかんでみようと思います。

(三)
農家の人が鍬(クワ)を使って畑を耕します。
土の中に空気を入れて土を膨らませ、固い土をやわらかくしているんです。
ふぁんそん的な「空」、或いは空洞感は、この耕された土、中に沢山の空気を含んだやわらかな土に似ていると思います。
また、スポンジで出来た五匹の小さなウサギを、握った手の中に押し入れて、手を開くと一匹の大きなウサギが現れるという手品があるんですが、これは、最初から大きなスポンジのウサギを握っていて、五匹のウサギを握った手の中に入れる時、大きなウサギの腹の中に入れていくようにして、手を開くと五匹のウサギは大きなうさぎの腹の中に隠れ、一匹の大きなウサギに変身して現れるので、子ども達は大喜びするという訳なんです。
この時の大きなウサギの状態を考えてみると、先ほどの耕された土と共通しています。
それは、沢山の空気を含んで膨れているという点です。
これが「ふぁんそん」的な空洞感に似ているんですね。

(四)
私たちの体はスポンジで出来ている訳ではありませんが、かと言って、ガチガチに固まった固体ではないんですね。
極端な言い方をすれば、一秒間に数兆個のニュートリノが通り抜けて行っているような隙間だらけの物体なんですね。
勿論、その隙間だらけの肉体を体感することは出来ないんですが、ある種の空洞感的な体感は可能なのだと思っています。
空洞感的な感覚のためには、体性感覚の開発という気功的な一定の訓練が必要だと思うんですが、皮膚を含めた体内の副交感神経優位への変化を体感できるところから発生すると思っています。
特に、皮膚は1枚のビニールではなく、隙間だらけの層になっている訳ですから、そこが緩んで密から粗になり、しかも温かな血液が多く流れ込んできた時の皮膚の感覚は、肉体的な実体感から温かな空気を含んだスポンジのような感覚になるんだろうと思います。
その感覚が、体内に染みこんだり、或いは、外の空気とのバリアを薄れさせたりしていくことで、空洞感の感覚が広がっていくんですね。
やはり、体内を副交感神経優位にすることと、それを体感する体性感覚の開発がポイントになるんだろうと思います。
いわゆる脳や意識を用いている間は、この「空」の感覚は体感できないんでしょうね。
「空」を体感するには、やはり「ふぁんそん気功」の実践が必要なんだろうと思います。

●体の内側からゆるめる技を学ぶ《ふぁんそん教室》
毎月第3日曜日13時半〜16時
名古屋市市政資料館
入会費(二千円)/受講料(六回分一万円)/体験(三千円)

09019816957
kikounonakama@yahoo.co.jp

PR情報

記事一覧

禅に学ぶ気功の道・2/《ふぁんそん気功講話》12

煩わしい日常を離れ、気功が出来る時間と空間を持てることへの喜びの段階である「離生喜楽(りしょうきらく)」から進んで、私たちは次の段階である「定生喜楽…

2020/1/13

禅に学ぶ気功の道・1/《ふぁんそん気功講話》11

私は、気功は心と体と呼吸を統一的に調えていくことを前提にしていますので、その点で、気功は禅の一種だと考えてきました。 従って、気功を深めれば深めるほど…

2020/1/6

ふぁんそん気功の頂上に見えるもの/《ふぁんそん気功講話》10

気功というのは気の訓練のことです。 気の訓練を通して、身と心の安らぎを獲得していくのです。 その「気の訓練」には正しい手順があります。 「緩感貫採練…

2019/12/23

ふぁんそんの正体(2)/《ふぁんそん気功講話》9

(一) 「ふぁんそんは拮抗だ」と、ふぁんそんの状態を表現した仲間がいました。 その、ふぁんそんの状態について「ふぁんそんは空だ」と言った仲間もいたので…

2019/12/9

気功の心を伝えるということ/《ふぁんそん気功講話》8

(一) ある演歌歌手が昭和の歌謡界の女王、美空ひばりさんから大切なことを教わったという話をしている番組をユーチューブで観ました。 そこで語られていた内…

2019/12/2

ふぁんそんの正体(1)/《ふぁんそん気功講話》7

今回は、ふぁんそんしている時の状態、ゆるんでいる時の状態においての掌感覚や気のボールの感覚、或いは腕の動きの感覚について考えてみますね。 京都での気…

2019/11/25

よい味をだそう!/《ふぁんそん気功講話》6

●ブッダ最後の言葉 僕の好きな言葉に「釈尊最後の教え」を句(言葉)にしたものがあります。 釈尊が80歳の時に病で亡くなる前に弟子の阿南に伝えた言葉とされ…

2019/11/18

「天」を乗り越える「ふぁんそん気功」/《ふぁんそん気功講話》5

●天という言葉 みなさんは「天」という言葉を聴かれた場合、何を思い浮かべられるでしょうか? 「天高く馬肥ゆる秋」というような「天空」ですか? それとも「…

2019/11/11

空としての広がりを!/《ふぁんそん気功講話》4

●「ふぁんそん」の体感 ちょっと面白い実習をしてみましょうか。 何の実習かと言えば、それは胸板呼吸です。 実際の呼吸ではなく、息を胸の中に吸い入れた…

2019/11/4

自律神経のバランスを調えましょう!/《ふぁんそん気功講話》3

●恐怖が自律神経に働きかけた 一人の女性が夜道を歩いていました。 すると、後ろから誰かが付いてきている気配がします。 確かに歩調を合わせて靴音が着いて…

2019/10/28

プロフィール

16

達人に質問をする

鍼灸師・気功法講師。

和歌山県出身。日本福祉大卒。名古屋市内に鍼灸院「和気」を開院(2015年、閉院)。林茂美師に師事し気功を習得。愛知県名古屋盲学校専攻科非常勤講師(2016年退職)

現在は名鉄カルチャースクールにて講師活動のほか、名古屋市内にて各種の気功講座、気功教室を担当。

また、2013年より京都、妙心寺内大心院にて気功講習会を開始。現在に至る。

趣味は、陶芸、京都・奈良ウォークなど。

  • 会員登録
  • ログイン
今日の天気(05:00発表)
名古屋
晴れ後曇り
11 ℃/--
東京
晴れ時々曇り
9 ℃/--
大阪
晴れ後曇り
11 ℃/--
  • 現在、渋滞情報はありません。
  • 登録路線が未設定です。

企画特集(PR)

  • 公式 Twitter はこちら
  • 公式 Facebook はこちら
クラウドファンディング 夢チューブ 中日新聞
東京新聞 電子版
中日新聞の人材研修 ビジネストレーニング「ビズトレ」
中日販売サポート
東海テレビ 庄野アナと 新聞を音読してみよう!
中日防災ナビ
こどもウイークリーのこーなー
過去の企画・特集