禅に学ぶ気功の道・1/《ふぁんそん気功講話》11 2020/1/6

私は、気功は心と体と呼吸を統一的に調えていくことを前提にしていますので、その点で、気功は禅の一種だと考えてきました。
従って、気功を深めれば深めるほどに、人間性というか心のレベルに変化が起こり、人間性も深まり、より清らかな心になっていくのだと私は思っているんです。
そこで、自分の人間性や魂の状態がどの辺りまで高められているのかを自分で知るために、仏教の概念に学びながら気功の深まりについて考えてみることにしました。

【欲望の世界から禅としての気功の世界へ】

まず、私たちの日常の中での俗的な心の状態ですが、それはある意味、気功を学ぶ者にとっては離れなければならない世界です。
それには仏教的な言葉を用いれば、地獄、餓鬼、畜生、(阿)修羅などと呼ばれている心の状態です。
他人を亡き者にしてやろうとか貶めてやろうといったような憎悪と敵意と殺意に満ちた地獄の心、他人の物を奪ってまでも自分のものにしなければ満足しない餓鬼の心、金銭欲、物質欲、食欲、性欲などに対し、理性も無く、貪るように自分の欲しいものだけを追い求める畜生の心、常に他人の欠点、弱点をあばくように敵を見出して、それと争うことだけを楽しみにしているような(阿)修羅の心などは気功を学ぶ者にとっては無縁の世界なのです。
もし、気功を通して有名になろうとか、金儲けしようとかの心で気功をしようとするのであれば、そんな人は気功を学ぶのを止めて頂きたいものです。
しかし、興福寺の阿修羅のように、元は阿修羅の心であった者が正しい教えに触れ、仏道を学ぶ側になる場合もある訳で、今が餓鬼や畜生、修羅であろうと、気功を禅として学ぶならば、その人は必ず善き気功の学び手になるでしょう。

さて、仏教的な意味での人の段階、つまり、地獄や餓鬼、畜生、(阿)修羅の心を越えた「人」の心の段階にいる気功の仲間たちは、それでも善と悪の間で揺れ動き、悩み続けている心の持ち主で有り、その段階から禅としての気功の段階に進んでいくのです。

【自分の体と対話しながら進んでいく段階へ】

まず、気功は自分の体を手掛かりに気功を深めていきます。
この段階を禅に学んで四段階に分けて考察してみます。
この段階というのは、階段のようにきちんとした段階がある訳ではなく、真っ直ぐという訳にはいかないけれど、エスカレーターのように登っていき、、気がついたら次の段階に行っているといった感じのようです。
その第一段階は、禅では「離生喜楽(りしょうきらく)」と言われ、離れることによって喜や楽が生じているという段階です。
何から離れるかというと、地獄、餓鬼、畜生、修羅の心から離れるということですが、条件的にそれらを引き起こす可能性のある環境から離れるということなんです。
修行僧が出家するのと同じことで、出家、即ち出世間をするということなんですね。
日常生活の場面から離れ、気功をする空間に身をおける、日常のことを忘れて気功に取り組むことが出来るという喜びの心の状態の段階、それが「離生喜楽」の段階なんでしょう。
ですから、気功を学ぶ場に入った段階では、そこに日常を持ち込んではならないことは当然なんですね。
自分の社会的な地位や立場、年齢や性別など、日常の全てを忘れて気功に取り組むこと、そこから始まるんですね。

(つづく)

和気信一郎のブログ(アメーバ)
ふれあいと癒しの交響曲
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プロフィール

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鍼灸師・気功法講師。

和歌山県出身。日本福祉大卒。名古屋市内に鍼灸院「和気」を開院(2015年、閉院)。林茂美師に師事し気功を習得。愛知県名古屋盲学校専攻科非常勤講師(2016年退職)

現在は名鉄カルチャースクールにて講師活動のほか、名古屋市内にて各種の気功講座、気功教室を担当。

また、2013年より京都、妙心寺内大心院にて気功講習会を開始。現在に至る。

趣味は、陶芸、京都・奈良ウォークなど。

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