ドリップコーヒーの抽出技術 Part5 2015/8/6

ドリップコーヒーのおいしさの秘密
抽出には浸漬法と透過法があることは以前説明いたしましたね。軽くおさらいしますと、

●ボイルド式(浸漬法)
コーヒーの粉をお湯の中に浸し漬けて、少量の粉で多く(雑味も)の香味成分を抽出する方法(ターキッシュ・コーヒー、サイフォン、コーヒーブレスなど)

●ドリップ式(透過法)
コーヒーの粉をお湯に注いで透過させて、おいしい香味成分だけを贅沢に抽出する方法(布ドリップ、ペーパー・ドリップ、ペーパー・ドリップ式コーヒーメーカーなど)

ドリップセット(ネルドリッパー、スケール、ドリップポット、温水計など・・)

@ドリップのおいしさの秘密
a.おいしさの決め手の温度管理が簡単にできる。
b.どんな焙煎濃度の豆にも対応できる
c.注湯によって狙った味が出せる
d.雑味が少ない旨味成分だけを贅沢に抽出
e.シンプル

Aドリップの前提条件
イ)良質で新鮮なコーヒー豆
ロ)コーヒーに適した水(カルキを除去した新鮮な水)
ハ)良いドリップをするために必要な道具と器具(ドリップ専用ポット、温水計、タイマー、スケール、ドリッパー、サーバー、受けグラス)
ニ)コーヒー・グラインダー(ミル)・・必須条件!
ホ)イメージ(自分のコーヒー)

➂ ドリップ抽出の基本
《抽出の基本》
イ)適切な湯の温度(深煎り、80度前後、中煎り、85度前後、浅煎り90度前後)
ロ)適切な抽出時間(杯数、適正な粉の粗さ、量) 
ハ)蒸らし時間(約30秒〜)
ニ)細く垂直に注湯して、泡(アク)を落とさない

C味を判断する
イ)味の良し悪しを決めるのは味覚です。味のチェックを行ことが大切です。
ロ)苦味、酸味、甘味、香り.コク、渋味、雑味などを、全神経を使って繰り返しチェックする事で味覚は鋭くなる(味覚の修練)

ドゥ・ぺロアのドリップポット
ゴッホの絵にも描かれているドゥ・ぺロアのドリップポット

Dドリップコーヒーの歴史 
エチオピアが起源といわれるアラビカ種のコーヒー。当時、エチオピアでは赤い実を食べていましたが、その後、イエメンに植樹されイエメンで「飲用コーヒー」となりました。・・・♪コーヒールンバ♪

当初コーヒーは取って付きの鍋(ジャズベ)か、ポットで煮出(浸漬式)したコーヒーを濾さずに飲むスタイルで、ターキッシュ・コーヒーとしてアラブ世界やヨーロッパに広まりました。

1800年頃に、フランスのドゥ・ベロワというパリの大司教がドリップ式ポットを発明して、「コーヒーの粉を濾して飲む」というスタイルを普及させていきました。

その後、漉し布がいろいろ改良されたり、金属の網で漉したりと様々な模索がなされました。
現在では片起毛の「フランネル(綿)」が最も適しているといわれてます。

1908年、ドイツ・ドレスデンのメリタ・ベンツ婦人によってそれまでの布等を使った濾し器の代わりに、もっと手軽なペーパー(吸い取り紙)を使ったメリタ式の一つ穴ペーパードリップが考案された。

使い捨ての紙フィルター使用による便利さが受け入れられ、フランネルの布に替わり広まっていきました。その後、世界的にペーパードリッパーが普及して、いろいろなタイプの「ペーパードリッパー」が開発されました。

1950年代、日本では三つ穴の「カリタ式」が発売されました。その後、円錐ペーパーを使用した珈琲サイフォン社の「コーノ式」やハリオ式なども発売され広まっていきました。

「早くて、簡単、便利」

それを具現化したペーパードリップは、現代の生活に見事にマッチしたのでしょう。現在では、コーヒーメーカーやハンドドリップなど、布(ネル)フィルターに完全にとってかわり、多くの喫茶店や家庭なで、普及しています。

しかし、ネル(布)よりもペーパー(紙)が、「美味い訳ではない」という事だけは忘れないでください。

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プロフィール

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日本コーヒー文化学会 理事、日本スペシャルティーコーヒー協会会員(SCAJ)、SCAJ公認 コーヒーマイスター(NO.169)、前・金沢大学講師 (文部科学省公認)

1977年岐阜県瑞浪市に「待夢珈琲店」開店、コーヒーの歴史書や専門書を読みあさり、独学で焙煎を覚え、自家焙煎の珈琲専門店をスタートさせる。

その後、世界のコーヒー産地を自らの足で回り、納得のいく優良な豆を買い付け、良質で新鮮な体に良いコーヒーを提供しています。

また、現在、中日文化センターの珈琲教室をはじめ、基礎クラスから専門クラスまで12講座をこなしています。

産地歴訪はエチオピア3回、イエメン4回、ブラジル、インドネシア、ケニア、タンザニア、ペルーなど。

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