高校野球の秋季東海大会が21日開幕!〜(1)注目選手紹介(東邦・扇谷莉ほか) 2017/10/16

高校野球の秋季東海大会が21日に開幕します。出場するのは愛知・岐阜・三重・静岡の各県大会を勝ち抜いた上位3校。大会はトーナメント形式で、21日・22日に岡崎市民球場と刈谷球場で1回戦と2回戦、28日・29日に岡崎市民球場で準決勝と決勝が予定されています(※雨天等で変更になることがあります)。

ここで好成績を残すと、来年3月のセンバツ甲子園出場校に選ばれる可能性がぐっと高まります。夢の舞台へ向けた大事な大会です。特に来年のセンバツは「第90回記念大会」で東海地区の出場枠が例年の2校から3校へ広がるため、1・2回戦の戦い方も重要になってきます。

〔東海大会出場校〕
○愛知県/東邦、愛産大三河、中京大中京
○岐阜県/中京学院大中京、大垣西、岐阜各務野
○三重県/三重、いなべ総合学園、松阪商
○静岡県/静岡、常葉大菊川、常葉大橘

『中日新聞プラス』でも特集コーナーを設け、大会の模様をお届けします(→特集ページはこちら)。私のこの連載でも、2回に分けて、注目選手と大会展望を綴ります。第1回の今回は、大会に出場する主な有力選手を紹介します。

■扇谷莉(愛知・東邦2年、投手)

東邦高2年・扇谷莉(2017年9月撮影=24日の完全試合(5回参考)達成の試合後)

扇谷莉(らい)は身長188センチの大型右腕。スケールが大きく、将来の大化けを予感させます。投手としての完成度はまだまだですが、好調時は最速146キロのストレートに威力があり、スライダーもキレます。

県大会では準々決勝の安城戦で、5回参考記録ながら完全試合を達成しました。「(無安打は)意識せず、1球ずつ丁寧にストライクゾーンに投げました」と本人。5回裏にチームが3点を取って“サヨナラコールド勝ち”となったため、通常の完全試合のようなドキドキ感はありませんでしたが、勲章になりました。

快挙達成のマウンドは、実は扇谷にとって“背水の陣”でした。前日の名古屋国際戦でリリーフ登板したものの、打者4人に3四球を与え、1イニングもたず途中降板。背信の結果となってしまいました。「次にいいピッチングができなければ、今後の出番はなくなってしまうかもしれないと思っていました」(扇谷)。フォームを見直し、試合への臨み方などをいつも以上に意識して、見事パーフェクトを実現。「少しは名誉挽回になったかな」と胸をなで下ろしていました。

彼のような逸材でもベンチを外れる危機感を抱くところに、東邦ナインの競争の激しさや、強さの一端を見た気がします。


■愛知県の主な注目選手

東邦は扇谷のほか、西有喜(2年・投手)も好右腕。球のキレが目を引きます。プロ野球ではオリックスに、漢字は違えど名前が同じ「にし・ゆうき(西勇輝)」投手がいます。東邦の西は「オリックスは比較的好きなチーム。小学4年生ごろに(西勇輝の)存在を知りました」と親近感を抱いています。ただ本人が目指すのは、同じオリックスでも、自身とタイプが近い金子千尋投手。チェンジアップなど変化球を器用に操る感覚の良さは、金子に通じるものがあります。

中京大中京は投打の軸が強力。浦野海斗(2年・投手)は、県大会こそコンディションが悪かったですが、地力は上位です。野手では澤井廉(中京大中京2年・右翼手)。スイングスピードが速く、甘い球は一振りで仕留めます。

1年生では石川昂弥(東邦1年・三塁手)が強肩強打の大型打者で、抜群のスケールを誇ります。熊田任洋(東邦1年・遊撃手)は卓越したミート力で広角に安打を放ち、守っては守備範囲も広いです。投手も務める4番・上田希由翔(愛産大三河1年・一塁手)は打力が高く、軌道の良いスイングから鋭い打球を飛ばします。


■岐阜県の主な注目選手

中京学院大中京高2年・藤田龍明(2017年9月撮影)

中京学院大中京は、藤田健斗(1年・捕手)の強肩が二重丸。二塁送球タイムは2秒を切り、県大会の大垣日大戦では、相手の2度の盗塁企図をいずれもアウトにしました。同じ苗字の藤田龍明(2年・外野手)は足、肩に光るものがあります。投手陣は、中学時代に15歳以下の日本代表に入った不後祐将(1年・投手)らに力があります。

県2位の大垣西は長身右腕・酒井大知(2年・投手)の投げ方が良く、投手らしい雰囲気があります。小牧憲充監督は岐阜城北で部長を務めていたころ、投手でプロ入りした尾藤竜一(元巨人)や伊藤準規(中日)の育成に携わっており、酒井もまだまだ伸びそうです。県3位の岐阜各務野は扇の要・三浦賢斗(2年・捕手)が強肩です。


■三重県の主な注目選手

三重高2年・梶田連(2017年9月撮影)

県大会で優勝した三重に有望株が揃っています。中でもリードオフマンの梶田蓮(2年・外野手)は安打を放つセンスに長け、スピードもあります。出身は大阪府で、中学時代は桑田真澄氏(元巨人ほか)らを輩出した硬式クラブ「八尾フレンド」でプレーしていました。「中学2年のとき、三重の甲子園準優勝(2014年夏)をテレビで見て、この高校一本で進路を考えました」(梶田)。今度は自らが聖地に立ちたいところです。

投手陣はエースの定本拓真(2年・投手)が来年のドラフト候補で、140キロ台のストレートに力があります。県大会では背番号10をつけた山本大雅(2年・投手)は腕の振りが柔らかくシャープで、球にキレがあり、今後さらに浮上しそう。

県2位のいなべ総合学園は佐藤大和(2年・捕手)の地肩が強く、県3位の松阪商は4番の藤崎智也(2年・三塁手)が中心的存在です。


■静岡県の主な注目選手

各校に好選手がいます。県1位の静岡は、シュアな打撃と俊足が売りの村松開人(2年・遊撃手)、パワーヒッターの成瀬和人(2年・三塁手)。県2位の常葉大菊川は、右の本格派の漢人友也(2年・投手)、県大会で本塁打を量産した鈴木琳央(2年・外野手)。県3位の常葉大橘は、強肩強打で能力が高い夏目大(2年・捕手)や、クセのない打撃が魅力の佐藤大輔(2年・外野手)。これらの選手に注目です。



次回は、大会展望をお届けします。
高校野球の秋季東海大会が21日開幕!〜(2)大会展望

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1984年生まれ、岐阜県出身の野球ライター。東海地区を中心にアマチュア野球(高校/大学/社会人)を取材し、野球雑誌や高校野球部向けフリーマガジンなどで記事を発表している。2014年にはラジオ局のスポーツ番組で高校野球展望を解説するなど、エリア屈指の取材者。

年間のアマチュア野球観戦試合数は120を超える。数々の野球部を訪れ、ひたむきな球児や情熱的な指導者、工夫した練習法など、多岐にわたって取材を重ねてきた。特に、将来のプロ野球入りが期待される「ドラフト候補」をアマチュア時代から追い続けていて、中日ドラゴンズで活躍する濱田達郎投手(愛工大名電高出身)や、西武ライオンズの高橋朋己投手(西濃運輸出身)らもその一人。プロ球団のスカウトとも交流が深く、無名の好選手を“発掘”し情報交換することも。

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