土星の観望チャンスがやって来た 2018/6/12

6月中旬午後11時。さそり座ノアンタレスを挟んで西に木星東には土星が見えている

 木星に次いで太陽系ナンバー2の惑星、土星。リングのある惑星として、観望会でも月とともに人気度No.1の天体だ。リング自体は、木星にも天王星にも海王星にも発見され、土星特有のものではないことがわかったが、我々にとってはリングが見られるのは土星だけ。よけい魅力度がアップする。
 
この土星の観望チャンスがめぐってきた。土星を見つけるのは難しくない。6月中旬なら23時ごろ、6月下旬なら22時ごろに、南の空を見上げると、南中したさそり座のアンタレスを挟んで西(右)には明るい木星が、東(左)には明るめの星が土星が見えている。-2等の木星には及ばないが、アンタレスよりも1等級明るい0等なので、すぐに気が付くだろう。

ガリレオが望遠鏡で見た土星のスケッチ。1616年には「土星には耳がある」と言ったとか。

 土星の魅力は何といっても本体を取り巻くリングだ。土星のリングの存在は、1610年ガリレオ・ガリレイによって発見されたが、当時の望遠鏡の性能はまだまだ十分ではなかったため、ガリレオは「耳のようなものが付いている」と発表したにとどまっている。1610年と1616年の観測では、明らかに土星の形状が違うことがわかる。土星を取り巻くものがリングであることや形状が違う理由は、それから50年ほど後のホイヘンス兄弟による観測まで待たなければならない。

土星の自転軸は約26.7度傾いているために30年で公転するうちに、地球から見るリングの傾きは変化する

 土星のリングは見ることはできるのだが、実は毎年少しずつ開き具合が変化する。その理由は、土星の自転軸が26.7度傾いているために土星が太陽のまわりを30年かけて公転するうちに、我々の地球は土星を北から見上げたり、南から見下ろしたりすることになるからだ。オランダの天文学者ホイヘンスが1655年に突き止めた。
 
 今年の土星は、リングが大きく開いた状態なので、望遠鏡でダイナミックな土星が楽しめる。

6月28日の夜、満月と土星が並ぶ。ぜひ6〜8倍の双眼鏡でのぞいてみよう

 6月28日の夜は満月だが、その満月と土星が仲良く並ぶ。月と土星の間隔は、5度なので、げんこつを作って腕を伸ばしたときのげんこつの半分ほどの間隔だ。6倍から8倍の双眼鏡で眺めると、まばゆいばかりに輝く満月と、やや遠慮がちに光る土星との対比に感動することだろう。

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天文研究家

1953年三重県四日市市に生まれる。学生時代は名古屋市科学館山田卓先生の下で天文普及活動に参加。天体望遠鏡メーカーに勤務の後、1992年にフリーとなり星を見上げる楽しさを広めるべく、あさだ考房を設立。

天文・科学雑誌に記事を連載、単行本・プラネタリウム番組シナリオ執筆のかたわら、天文宇宙関連の講演・講座、プラネタリウム解説を行っている。

最近は、生涯教育を意識した、プラネタリウム運営支援、プラネタリウム解説指導にもかかわっている。日本天文学会会員、NPO法人アイ・プラネッツ理事長。

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