5月20日、接近直前の火星と満月が並ぶ! 2016/5/17

南東の空に昇った火星と土星とアンタレス(5月1日撮影)

宵の南東の空に目を向けると、いやでも赤く明るく輝く星が飛び込んでくる。まるでUFOと見間違えるほど。この星が5月31日に2年2か月ぶりに地球に接近する火星だ。そしてその左には、土星がやや控えめに輝いている。また火星の下には、さらに控えめな赤い1等星アンタレスが光っている。

5月21日には満月と火星が並び、22日には十六夜と土星が並ぶ。(午後10時ごろの様子)

火星と土星とアンタレスが、火星と土星を底辺にアンタレスを頂点にさかさまの平らな二等辺三角形を作っている。火星は-2等星と群を抜いて明るい。そのそばを5月21日から22日にかけて、満月の明るい月が通り過ぎてゆく。

21日の満月と火星の間隔は、腕を伸ばしたげんこつの幅とほぼ同じ10°。22日の十六夜と土星の間隔は6°ほどだ。

200倍の望遠鏡で見た火星

今回の接近では、火星の視直径は19秒角と近年では大きいほう。とはいっても身近なものにたとえるなら、「150m先のタバコの火」といった大きさである。「なんだ、大接近というから満月ぐらいに大きく見えるのかと思ったらそんなに小さいのか」と思われてしまうが、衝のころの木星の半分弱の大きさに見えることになる。

火星の模様は、視直径が15秒角を越えるころから小型望遠鏡でも見えるようになってくる。今回の接近で視直径が15秒角を越えている期間は、4月下旬から7月中旬の3ヵ月弱もある。

では、火星を観望するにはどれぐらいの大きさの望遠鏡があればいいだろう。単純に倍率で考えると、最低100倍はあれば模様の確認はできる。できれば150倍から300倍は欲しいところだ。

つまり、望遠鏡のこれ以上倍率を上げても無駄という意味の有効最高倍率から逆算(有効最高倍率=口径(mm)×2)すると、口径80mmから200mmということになる。もちろん口径が大きければ大きいほど分解能が上がって、より細かい模様まで見えるようになることは言うまでもない。

天体望遠鏡を持っている方は、ぜひ火星を見ていただきたい。望遠鏡がないという方は、近隣のプラネタリウム館や天文台で開催されるであろう「火星を見る会」等に参加しよう。

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天文研究家

1953年三重県四日市市に生まれる。学生時代は名古屋市科学館山田卓先生の下で天文普及活動に参加。天体望遠鏡メーカーに勤務の後、1992年にフリーとなり星を見上げる楽しさを広めるべく、あさだ考房を設立。

天文・科学雑誌に記事を連載、単行本・プラネタリウム番組シナリオ執筆のかたわら、天文宇宙関連の講演・講座、プラネタリウム解説を行っている。

最近は、生涯教育を意識した、プラネタリウム運営支援、プラネタリウム解説指導にもかかわっている。日本天文学会会員、NPO法人アイ・プラネッツ理事長。

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