土星のリングの謎 2014/6/12

土星の直径は地球の約10倍、地球から見えるリングの直径は、地球から月までの距離に匹敵。

土星は、直径が地球の約10倍もある、水素ガスを主成分とするガス惑星だ。それにより密度は驚くほど低く、0.69しかない。水の密度が1なので、もし土星が入るほどの巨大プールに土星を入れると浮いてしまうのである。

リングの直径は、地球から見える部分だけで、約36万km。これは地球から月までの距離に匹敵する。

ところで土星のリングは、いつも同じように見えるが、実は毎年少しずつ傾きがかわっている。理由は、土星の自転軸が26.7度ほど傾いているために、土星が太陽のまわりを30年かかって公転するうちに、我々の地球は土星を北から見上げたり、南から見下ろしたりするためだから。

そして、リングの傾きが南から北へ変わるとき、またはその反対のとき、我々は土星のリングを真横から見ることになる。そのときリングは土星を貫く1本の串のように見えるはずなのだが、まるでリングなんてなかったように、消えてしまうのだ。このことは、土星のリングの厚さがとても薄いことを意味していることに他ならない。

ボイジャー探査機が撮影した土星。〇の部分を見るといかにリングが薄いかがわかる。

では、実際に土星のリングの厚さはどれぐらいなのだろう。惑星探査機ボイジャーが撮影した写真では、リングが透けて、その向こう側にある土星本体が見えている。当時は厚さは1km程度だろうと言われていたが、その後観測技術が向上し、現在では100m前後であることがわかっている。

もし土星のリングの直径を1/10000に縮めたとしたら、リングの厚さは、なんとティッシュペーパー1枚分ほどしかないことになる。

探査機による観測から、A,B,Cリングだけでなく、内側にも外側にも薄いリングが広がっていることがわかった。

地球からの観測では、リングはA,B,Cに分かれていることがわかっていたが、ボイジャーやカッシーニなどの探査機の観測から、それらの内側にも外側にも淡いリングが広がっていることが確認された。

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天文研究家

1953年三重県四日市市に生まれる。学生時代は名古屋市科学館山田卓先生の下で天文普及活動に参加。天体望遠鏡メーカーに勤務の後、1992年にフリーとなり星を見上げる楽しさを広めるべく、あさだ考房を設立。

天文・科学雑誌に記事を連載、単行本・プラネタリウム番組シナリオ執筆のかたわら、天文宇宙関連の講演・講座、プラネタリウム解説を行っている。

最近は、生涯教育を意識した、プラネタリウム運営支援、プラネタリウム解説指導にもかかわっている。日本天文学会会員、NPO法人アイ・プラネッツ理事長。

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