珈琲の旅〜福岡 Part1 2016/3/5

福岡県大宰府市の珈琲 蘭館

いつもありがとうございます。さて、2月8、9日と福岡に珈琲の旅に行ってきました。2日間で珈琲屋5店、14杯のコーヒーを飲んできました。

福岡に行くには、新幹線より、小牧からの飛行機、FDA(フジドリームエアラインズ)がとても安く便利でした。往復航空券とホテルがセットで28000円という格安で行くことが出来ます。しかも、駐車料金は1週間程度停めても1500円です。

朝7:30分発のフライト便でしたが、恥ずかしながら1時間寝坊をいたしまして、間に合うか間に合わないか、必死に高速を飛ばして何とか乗れたのが2分前というありさまでした。前途多難なのか?乗れたことがラッキーだったのか?わからないまま1時間30分のフライトで福岡に着きました。

空港には、以前エチオピアをご一緒した江崎正憲さんが迎えに来てくれました。江崎さんは私が心の師と仰ぐ福岡の名店「珈琲 美美」の森光宗男さんのところで修行して、独立して「江崎珈琲店」を営んでいます。今はちょうど改装中でお休みでしたので、今回の福岡コーヒーの旅を車で案内してくれました。

まずは大宰府にある「珈琲蘭館」にお訪ねしました。

【珈琲蘭館】
住所: 〒818-0125 福岡県太宰府市五条1丁目15−10
電話:092-925-7503
営業時間: 10時00分〜19時00分

珈琲蘭館の田原照淳氏・・カッピングジャッジ日本チャンピオン

この2代目の店主は田原さんで、SCAJ(日本スペシャリティコーヒー協会)の主催する「カッピングジャッジ選手権」の日本チャンピオンに2回もなられた方で、世界大会でも3位に入賞した実績があり、日本でも注目の若手コーヒーマンの一人です。

店は入ってすぐに、珈琲豆の販売の棚が並び、豆売りにとても力を入れているということが一目でわかりました。ホールはカウンター中心で、いろいろな多くのコーヒーのメニューが用意されています。これだけの豆を管理するのは大変で、感心いたしました。私はカウンターに座りまずブレンドを頂きました。

カウンターの真ん中にあるリードミル
3段式リードミル

豆を慎重に天秤ばかりで量り、それをミル(グラインダー)で挽くのですが、そのミルは「夢のミル」といわれているリードミルではありませんか。カウンターのバックの真ん中正面の一番目立つところに「3段式リードミル」がピカピカに磨かれその光沢を放っているのです。

このグラインダー(ミル)は、長野県茅野市の井上製作所が製作している世界特許の「リードミル」を使っていました。このグラインダー(ミル)はコーヒーの風味を悪くする熱も微粉も一切出ないミルで、現在市販されているミルではこれ以上の物はないといわれている素晴らしい代物です。しかし、かなり高価で良いとわかっていても簡単には買うことが出来ません。

2種類あって、2段式の歯と、3段式の歯のものがあり、2段式のリードミルは160万円、3段式のものは210万円ほどします。それぞれの特徴が違いますので必ずしもどちらが良いというものではありませんが、私は2段式を12年前から使用しています。

特徴は、熱も微粉も出ないミルで、このミルで挽いた粉でドリップすると、雑味が抑えられ綺麗な味わいになります。焙煎豆そのままの味わいが出ますので、焙煎の良否が問われます。焙煎が良ければとても良い風味のコーヒーになりますが、うまくいっていない焙煎はまったく味になりません。

よって、焙煎技術の差がそのまま出る焙煎職人にはとても怖〜いミルなのです。私も、このミルになじむまでに8年ほどかかりました。そんなミルですので、購入するにはとても勇気がいり、簡単に購入できる代物ではありません。また、井上さんがとても変わった方(とても良い方ですが・・)で、誰にでも売ってくれるわけではないのです。実は、田原さんも一度断られた方の一人なのです。

今から3年ほど前に田原さんから電話があり、「リードミルを買いのですが、どうでしょう?」と相談がありました。「高いものですので、実際に長野まで行って現物を見て開発者の井上さんの話を聞いてみたらいかがですか?」と申しましたら、すぐに長野までリードミルを見に行きました。

その決断力と行動力の速さは、クリエイトな珈琲人には欠かせない大事な要素で、田原さんの素晴らしい人間性の一つといえます。翌日、その結果を知りたくて電話をしたら、「売ってくれませんでした」・・・という事でした。誤解の無いように申し上げますが、井上さんは決して売り惜しみしているのではなく、偏屈でもありません。

人を見て話を聞いて、リードミルを使用することでその人に悩みや負担が増えると判断した場合は売られないのです。もうけ主義の方なら誰にでも売るでしょうに、今時こんな方は日本中探してもなかなか見当たりません。

その後、1年くらいして、「ようやく買えました」と報告がありました。そんなミルですので、田原さんにとっては特別な思いのあるもので、蘭館さんの味創りには欠かせない存在になっていることは間違いありません。

ドイツの焙煎機プロバット

焙煎機にもかなりのこだわりがあり、主で使用しているものは、ドイツのプロバットでした。一昔前は、焙煎機の中でもブランド中のブランドで、世界で一番優秀とも言われている焙煎機でした。

現在では世界のさまざまな優秀な焙煎機が日本では購入できますし、日本の焙煎機も優秀なものが多く出てきて、まさに百花繚乱の時代になっています。中にはびっくりするような高価なものまであり、価格も含めて焙煎機自体を売りものにする店が多くなりました。

しかし私は、焙煎機はよほどの欠陥がない限りどれも同じとの考えを持っています。要はいかにその焙煎機を使いこなすか?と考えています。そういった意見を述べますと必ずや反論がありますが、今回は焙煎機の話ではありませんのでこのくらいにしておきます。

プロバットで丁寧に焙煎された豆をリードミルで挽き、ネル(布)フィルターで丁寧に淹れられるコーヒーは、どれもきれいな味わいで、とても上質なコーヒーでした。一言で言うなら「とても品性のある珈琲」というところでしょうか。濃度や味わいは今の時代の流行でしょうか、昔の自家焙煎店のスタイルとは随分違ってきたように思いました。

昔の自家焙煎の多くは、焙煎を深くして、苦味の効いたこってりしたコクの強いコーヒーが主流で、一杯で満足という味創りでした。しかし、蘭館さんを初め今回訪問した多くの自家焙煎店は、もう一杯飲みたくなるような、軽めで綺麗でクリアーな味創りを目指しているように思いました。

コーヒーを頂きながら、今のコーヒー事情や田原さんのこれからの味創り、店創りのお話を聞かせていただきました。とてもしっかりしたポリシーを持って見えて、ここから日本の新しい時代の波が波及するのではないかという予感を感じさせてくれました。

珈琲蘭館店内

田原さん! 素晴らしコーヒーと楽しい時間をありがとうございました。これからも良いコーヒー創りに邁進してください。大いに期待しています。皆さんも大宰府に行かれるようなことがありましたら是非寄ってみてください。ひょっとして、大宰府天満宮より深い思い出になるかもしれませんよ。

【報告】
6月に待夢珈琲店で、田原照淳さんの「コーヒーカッピング講座」をしていただくことになりました。詳しい募集要項は「待夢珈琲店ホームページ」でご案内させていただきます。

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プロフィール

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日本コーヒー文化学会 理事、日本スペシャルティーコーヒー協会会員(SCAJ)、SCAJ公認 コーヒーマイスター(NO.169)、前・金沢大学講師 (文部科学省公認)

1977年岐阜県瑞浪市に「待夢珈琲店」開店、コーヒーの歴史書や専門書を読みあさり、独学で焙煎を覚え、自家焙煎の珈琲専門店をスタートさせる。

その後、世界のコーヒー産地を自らの足で回り、納得のいく優良な豆を買い付け、良質で新鮮な体に良いコーヒーを提供しています。

また、現在、中日文化センターの珈琲教室をはじめ、基礎クラスから専門クラスまで12講座をこなしています。

産地歴訪はエチオピア3回、イエメン4回、ブラジル、インドネシア、ケニア、タンザニア、ペルーなど。

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