年金をうけとれる資格が、10年間の納付に短縮 2016/7/14

少子高齢化で「年金は払っただけ貰えないから払わない」という若者が増えています。今後政策変更はまだかなりありそうですが、貯蓄で老後の資金を貯めるだけではやはり物価上昇には対応できないので、公的年金は悪くない制度です。今回、年金の受給資格が変更になったことで、かなり加入しやすくなったのではないでしょうか。

もともと公的年金制度は、20歳から60歳になるまでの40年間を納めると、65歳から満額の基礎年金が支給されるものです。基礎年金には老齢年金、障害年金、遺族の年金の3種類がありますが、よく皆さんが「年金、年金」というのは、老齢年金という、年をとってから受け取る年金のことを指すことが多いですね。

現役世代はみな、「国民年金」の被保険者で、高齢になって受け取るのを「基礎年金」と呼んでいます。サラリーマンや公務員は、「国民年金」の他に、「厚生年金保険」に加入しているので、高齢になると、基礎年金に加えて厚生年金からも給付があります。

基礎年金が国民全員同じ金額なのに対して、厚生年金からの給付額は、働いていた時のお給料によって変わります。

40年間も16,260円(2016年度)もの保険料を毎月払い続けるのって大変ですよね。仕事の関係などで40年間にならないことだってあります。なのでこれまでは満額(月額65,008円、2016年現在)貰えなくても、25年間払い続けていたら、減額されるけれど基礎年金が支給されることになっていました。

ただ25年間も結構長いですよね。これが2017年4月からは10年間納付していれば、受け取れる年金額は16,000円程度と少ないものの、とりあえず受給資格があることになりました。このことによって約42万人もいる無年金者のうち約17万人が少しでも年金を受け取れることになりそうです。

1ヶ月16,000円だけでは生活することはできませんが、年金制度のメリットとして、@賃金や物価に応じて受け取れる金額が変わる。A死ぬまで受け取れる、という点があります。預貯金や個人保険は物価が変わっても受け取る金額は変わらないので、この点はかなりのメリットとなります。また、預貯金はなくなればおしまいですが、年金は長生きしてもなくならないのは安心です(今のところ・・・)。

学生など在学中の保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」などを利用している人の保険料猶予期間や免除期間は、年金の受給資格期間に入れて計算されますが、受給額には反映されないので、追納してできるだけ満額受け取れるようにしたいですね。

もちろん少子高齢化でこの先どうなるか分かりません。社会保障制度そのものを変えなければならない時期にきていますが、そもそも社会保障制度は「相互扶助」の精神に基づいています。困っている人を皆で支えているのです。

特に年金制度は自分の払ったものを積み立てているのではなく、現役世代が今のお年寄りを支える「世代間扶養」なのです。ただ現役世代の保険料だけでなく、給付額の半分が国庫負担で過去の世代の積立金も利用されていることもお忘れなく。

それでも損得勘定したい場合は、今のところですが、国民年金で、1960年生まれの人の場合、払う保険料が700万円、受け取る年金が1400万円と約1.9倍と試算されています(厚生年金は2.8倍です)。1970年生まれは1.6倍(2.5倍)、2000年生まれは1.5倍(2.3倍)と、とりあえず少しは得になるようになっています。繰り返しますが今のところ・・・・。

これからの社会保障制度と自分の老後の生活について関心を持ちたいですね。

【家計簿診断やお金についての相談をお待ちしています】
家計簿の診断だけではなく、お金についての相談もお待ちしています。家計簿診断を希望される方は、下記項目をコピーして【達人に質問する】から、収入と支出を直接入力してください。ブログで取り上げられた方にはクオカード1000円分をプレゼントします。

【収入】
月給:
【その他収入】
ボーナス:
【支出】
食費:
住居費:
被服費:
光熱・水道費:
教育:
家具・家事用品:
教養・娯楽:
保健・医療:
交通・通信:
【その他支出】

交際費や小遣いを別に設けている場合はそちらも記載してください。多少項目名が異なっても構いません。年払いの費用、貯蓄額、負債額(住宅ローン等)も記載してください。家族構成と年齢、具体的な相談内容も記載していただけるとより詳細なチェックが可能です。

お送りいただいた情報はお返しいたしません。また、お送りいただいても必ず取り上げるわけではありませんのでご了承ください。取り上げる場合は、個人が特定されないようにします。

【達人に質問する】から家計簿をお送りいただく場合はログインが必要となります。

PR情報

記事一覧

4月から支出増のもの、支出減のもの

3月も後半になると陽射しが春らしくなってきて、4月からの新生活にこころウキウキしている人も多いことでしょう。日本は4月スタートのものが今でも多いので、生…

2017/3/23

年間12000円以上の薬を買えば税金が戻る?

確定申告が近づいてきましたが、「医療費控除」については、よく知られていますね。1年間の家族の医療費自己負担額が合計10万円(所得によって異なる)を超える…

2017/2/1

「配偶者控除」の終着駅〜壁の乱立にご注意!

配偶者控除について何度か取り上げましたが、思ってもいなかった、あるいはある程度は予測がついた?決着を迎えたのでまとめを書いておきましょう。 2017年度…

2016/12/29

エコカー減税〜2017年度税制改正〜

2017年度の税制改正をめぐる与党の議論が決着しました。家計に関わる内容が多く含まれています。今回はまずは身近な車にかかる税金から紹介していきましょう。 …

2016/12/13

とうとう高齢者の医療と介護負担増に。現役世代の保険料も引き上げ

高齢化が進み、医療費や介護費が増加する中、一定の所得がある高齢者には負担をしてもらおうという方向が強まっています。 まず医療ですが、ご存じのように「…

2016/11/24

年末調整の時期。「控除」ってそもそも何?

11月に入ると、会社員や公務員は「年末調整」の季節になります。毎月払っている所得税は途中で子どもが増えたりしても、修正されておらず、そのまま徴収されて…

2016/11/9

「配偶者控除」は一体どこへ??

10月1日から社会保険の130万円の壁が106万円の壁へ下がり、非正規社員の雇用形態に大きな影響を与えたところですが、次の税金の壁として、103万円の壁である「…

2016/10/12

「配偶者控除」がなくなる?

最近、新聞やニュースで「配偶者控除」がよく取り上げられています。毎年のことなので、またか・・・と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、どうやら今…

2016/9/16

教育費を救う、保険・補助・奨学金のあれこれ

教育費が子ども一人に1000万円はかかるというのはよく知られていますが、皆さん、どのように準備していますか。 調査(博報堂)によると、教育費を「準備してい…

2016/9/1

15000円貰える?

政府の28兆円にも上る経済対策が8月2日にまとまって、個人消費を少しでもあげたいとの考えで、低所得者に一人あたり15000円がばらまかれることになりまし…

2016/8/15

プロフィール

19

達人に質問をする

あなたの家計簿診断します。「達人に質問する」からご応募ください。

岐阜大学教育学部教授・博士

京都市生まれ。ノートルダム女子大学(京都)文学部卒業。大阪市立大学大学院生活科学研究科後期博士課程修了。

現在、岐阜大学教育学部教授・博士(学術)、放送大学客員教授。

家庭経済学、家庭経営学、家族関係学、アーミッシュ研究等の講義を担当。

放送大学ではラジオで「生活経済学」の講義を担当(2012〜2016年)。

主な著書 『ちほ先生の家計簿診察室』(名古屋リビング新聞社2002年)、名古屋リビング新聞社、大阪リビング新聞社で家計簿相談を20年ほど担当。

『お金と暮らしの生活術』(昭和堂2012年)、『仕事・所得と資産選択』(放送大学教育振興会2008年)、『アーミッシュの謎』(共訳、論創社1996年)、『アーミッシュの学校』(共訳、論創社2004年)、『アーミッシュの昨日・今日・明日』(共訳、論創社2009年)、『生活経済学』(放送大学教育振興会2012年)など。

趣味:毎日家計簿をつけること。ただし買い物好きなので家計チェックは自分にはあまり生かせていないかも・・・・・

  • 会員登録
  • ログイン
今日の天気(17:00発表)
名古屋
曇りのち一時雨
14 ℃/6 ℃
東京
曇り一時雨
17 ℃/7 ℃
大阪
曇り一時雨
13 ℃/6 ℃
  • 東名で渋滞情報あり。
  • 登録路線が未設定です。

企画特集(PR)

  • 公式 Twitter はこちら
  • 公式 Facebook はこちら
クラウドファンディング 夢チューブ 中日新聞
東京新聞 電子版
中日新聞の人材研修 ビジネストレーニング「ビズトレ」
中日販売サポート
東海テレビ 庄野アナと 新聞を音読してみよう!
中日防災ナビ
こどもウイークリーのこーなー
過去の企画・特集